TYPE-M 壱号機
 千葉は房総半島をMG-Bで走っていた時に立ち寄ったリサイクルショップで\ 1,000で売られていた川崎製農耕用エンジンと出会ったところから始まる。
 その格安のエンジンを持ちかえり、さっそくエンジンを掛けると「ポコン、ポコン」とクランキングした後、「呼んだ?」とでも言わんばかりに「ボッポポポン」と軽快に廻り始めた。モウケた!
 そこで、一応勉強もかねてエンジンのOHも行う。パーツは知り合いの自動車屋さんに発注。パッキン類を交換してサラッと仕上げる。

 で、折角のエンジンであるから、これでバイクでも作ろう思いつき、その辺に転がっている廃材を拾い集めて作ったのがこれである。
 フレームは軽量ラックのLアングルで組み立て、それにエンジンをマウント。後輪タイヤは自販機のジュースを担ぐときの台車の車輪を流用。これは中空タイヤなのでスゴクいい。フロント回りはアバルトのステッカー付き折りたたみ自転車の前の部分をごっそり移植。間違い無く速く走れそう。。。
 ドライブトレインはエンジンと後輪ホイールに取りつけたプーリーをベルトで繋いだだけ。ミッションもなければクラッチも無い。
 シートはコンパネ切ってフレーム直止め、極めつけはスロットルハンドルに無い。ではどうやってアクセル開度を調節するかというと、キャブから引っ張ってきた紐を引っ張ることでスロットルを開けることが出来る。リターンさせるのには輪ゴムをキャブに取り付けてあるので、チキチキマシン暴走レースにはならないと思う。ブレーキも前輪だけは利くしネ。
 そんな急造バイクには卒業した大学の部室で一緒にいたF田氏をテストライダーに指名する。彼はかつてワタクシと一緒に津田沼から鹿島神宮まで一緒に自転車ツアーをした挙句、正月のクソ寒い中で野宿をして九死に一生を得て生還した男なので、こういう危険な乗り物にはまさに適任というワケである。
 取り敢えず、組み立ててエンジンを回してみると、なんとか車輪も回っている。スロットルがウマくいかないので、ここは調節。
 そして、ああだこうだといいながら走れそうな状態まで持っていくとすっかり暗くなってしまったが、試走は広くは無いが大学の中でマァいいだろうという事でF田氏に早速心の準備をしてやってもらう。
 F田氏はさっきまで自信満々な事をノタまいていたが、やはり恐いのかちょっとビビッている。「カルロ・アバルトがついているから大丈夫」と言うが、まったく無視。
 クラッチが無いので、ジャッキアップスタートになるのだが、みんなでフレームごと持ち上げてエンジンを掛け、F氏にまたがってもらう。
 いちっ、にのっ、さんっ! でフレームを離すと「ぽんっ ぽんっ ぽんっ」とエンストしそうになりながらも走り出す。「おおっ 走ったぁ!」と歓声が上がり、みんなで追いかける。ぐんぐんとバイクのスピードは上がり、人の足では追いつけなくなる頃には相当なスピード。だが,ウチの大学は狭いからすぐに行き止まりである。ブレーキもあんまり利かない上に「スロットル戻らないっス!」とここまでF田氏の叫び声が聞こえる。
 なんとかハングして曲がろうとするが、フレームが地面に接触して「ガリッ ガリリッ」と火花を散らしながら停車してあったセルシオにめがけて行く。「イカン!」と思ったがスレスレで曲がりきり今度はこっちに向かってくる。
 「これどうやって止まるんすかぁ??!!」と叫んでおる。「ああ、止め方教えるの忘れておった」と思う間もなくここまで近づいてくる。スロットルも効かないからエンジンのキルスイッチをoffにするしかない。ワタクシがバイクと併走してスイッチを手で切りなんとかバイクも停止する。
 みんな、興奮状態の中での生還に飲んだビールはやはり格別の味。
 次は、スロットルとクラッチが利くのにしよう・・・
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