昭和の残光 ヴィンテージ自販機を訪ねて<チバラギ編>



 世の中には様々なweb siteが存在する。
 久々にワタクシの魂に触れたのが懐かし自販機である。
 ご存知の読者もいるかもしれないが、 懐かしの自販機 において 昭和40年〜50年にかけて製造された自販機を紹介している。
 たしかに一昔前、そう10年くらい前まではそこかしこにあった気がする。
 しかし今現在、ワタクシの生活圏にはもう見当たらなくなった。  それはコンビニの普及により24時間自販機コーナーが駆逐されてしまった・・
 からに他ならない。
 しかし今もってして最後の灯火を揺らぎ続ける自販機コーナーがあるのであれば不肖ながらも酔猫庵をもってしてその終焉を見届けなければなるまい。

 というわけで千葉県北部と茨城県南部にいまも存在する自販機コーナーへ自転車で行ってみることにする。


 まずは自宅から50kmほど離れたオートパーラーシオヤに行ってみる。

 自転車でなら2時間というところだ。



 これが自販機コーナー?? という姿をしている。
 しかし田舎のこの地ではここは重要なデートスポットなのだ。
 写真右側に写っている白い軽自動車はカップルのクルマだ。
 店内でうどんをすすっている。
 うーんすばらしいデート光景である。
 そこを割るような勢いでレーパン姿のワタクシが入り込んできた。



 店内は新旧の自販機が入り交じる。





 店内はとてもキレイにされている。

 ちょうどここに到着すると管理されている方がメンテナンスをされていた。
 ハンバーガーでも購入してみようとしたが、
 財布の中には生憎ながら1万円札しか入っていない。
 小銭も10円以下しかないのでここでの購入は諦めて次に行く。



 次は自販機コーナーのなかでもまさに魔宮と呼ばれるに相応しい「あらいやオートコーナー」に向かう。
 途中でお金をくずしたかったのだがさすがに自販機コーナーのある土地だ。
 コンビニは皆無である。
 そもそもコンビニがあれば自販機コーナーなぞいらないのである。
 だから奇跡的にも生き延びている・・ と考えるのはいき過ぎだろうか。

 しかし件のあらいやオートコーナーにたどり着いてもコンビニは全くない。
 しかたがないのでちょっと先の潮来のはずれまで行くと



 奇跡的にもヤマザキがあった。

 しかしこれが罠だった。
 コンビニ風ではあるが中は昔のよろずやである。
 それでもわずかながらにも今風のカタチをとどめているので商品もさすがに普通に近いものが購入できる。

 それはいい。

 店番をしているおばあちゃんが90歳近いご老人。
 1万円札で購入しようとしたらおつりが帰ってくるまで5分もかかってしまった。

 とにかく丁寧にお礼を行ってあらいやオートコーナーに戻る。



 ほとんど消えかけたカンバンが目印である。
 どこに「あらいやオートコーナー」と書いてあるかわかるだろうか?



 カンバンの脇にまだキレイな波板で囲われているものがある。
 久しぶりにエロ本自販機を拝むことが出来るか?
 と超期待しながら覗いてみると・・



 なんとトイレだった。
 電気はおろかトイレットペーパーもない。
 これは夜になると魔物が出そうなトイレである。



 で、そのトイレの反対側にあるのがあらいやオートコーナーである。
 え?どこが自販機コーナー?
 ワタクシも最初はわかりませんでした。
 たしかに外には自販機が3つ並んでいる。
 しかしこれは普通にどこにでも見られるものである。
 この掘っ立て小屋みたいなのが自販機コーナーなのであるよ。



 店内の様子はさすがに昭和の匂いをプンプンとさせるふるーい自販機が並ぶ。



 極めつけはテーブル型のゲーム機だ。
 いまどきこんなものを拝める場所はなかなかないだろう。



 自販機の上には猫がいた。
 どうみても野良なのだがなかなか凄みのある顔をしている。



 これが魔宮のヴィンテージ自販機だ。
 何を販売しているかというとお弁当なのだよ。
 そんな自販機が今から30年も40年も前にあったなんて驚きだ。
 弁当の種類は焼肉弁当とから揚げ弁当である。
 お値段はたったの300円。
 たぶんこの自販機を作った時代からすれば500円玉は使えないはずである。
 500円札の時代だったからね。
 恐る恐る100円玉を三枚投入してボタンを押してみると



 お弁当がちゃんとでてきましたよ。



 チープな緑色の紙に包まれた焼肉弁当です。
 どんな内容なのか見てみたくて心が踊ってしまいます。


 
 緑の紙の包みを開けてみるとラップされていました。
 ちなみに弁当はもちろんホカホカです。



 たしかに豚の焼肉弁当ですよ。
 スゴイぞ! この分量で300円。しかも手作り。
 が、そのときに背後から迫ってくるものがあった。
 さっきまで自販機の上で毛づくろいをしていた猫が弁当を狙いに来たのである。
 しまった。コヤツは自販機守りかと思っていたが、たかりであるな。
 ワタクシはネコ科ではあるが自分の家の猫も含め全ての猫に餌はやらない主義なのである。
 だからあげないのだ。
 しかしヤツの覇気は野良として生きる力そのものである。
 今すぐにでもワタクシの弁当を襲う勢いだ。
 これは危ない。

 店内で腰掛けてゆっくり食べようかと思ったがそれが叶わぬので店の外に逃げ出す。
 それでもなお執拗に追いかけてくる猫。
 しかしそのうちに諦めて水を飲みに行ってしまった。
 その隙に弁当を食すのだ。
 味はフツーなのだがどうもあの野良猫の匂いが鼻について猫臭い弁当なのである。

 ちなみにこの弁当は結構売れているようだ。
 一日に80〜100食程度は売れているようである。



 店外のゴミ箱をみてもその様子がうかがい知れる。
 食べていると軽自動車に乗った二人組がやっぱりこのお弁当を購入していった。
 コンビニのないこの土地ではやはりこの自販機が多くの人の生命線になっているようである。

 弁当を食べてすっかり気を良くしてまた自転車をすすめる。
 潮来の街に入る途中に廃墟同然の病院があった。



 窓が開いていて風に揺れるカーテンにリアルな凄みを感じる。


 続いてはドライブイン丸昇神栖店である。



 ちょっと前まではこんなカンバンはどこにでもあったような気がするが、
 実はもうそう多くはない。



 ドライブインの全景は昔の雰囲気のままである。



 トイレは別棟になっていることが多い。
 コンドームの自販機かと思ったらトイレットペーパーの自販機だった。
 もちろん故障中である。
 しかもトイレの個室には紙がないときている。



 店内の様子はまさに70'sだ。
 ただし電球は白熱球だったはずだろうけれども。
 写真で見るよりもずっと薄暗い店内である。



 ここにも弁当の自販機が設置されている。
 実はこの建物内で弁当の調理をしていたりするのだ。



 ここにはトーストの自販機が設置されている。
 これは試してみる価値が有りそうなのでコインを投入してボタンを押してみた。



 すると「トースト中」というランプが点滅している。
 まさか本当にトーストしているのだろうか?



 ゴトリと出てきたのはアルミラップされたトーストらしい。
 かなり熱くて長いことは持っていられない。



 開封してみるとこんがり焼けたパンが現れた。



 ハムトーストなのでちゃんとハムが入っている。
 きょうび、コンビニでこれを見ることが出来るだろうか?
 冷たいサンドイッチはあるかもしれないが温かいトーストだぞ!
 これとコーヒーがあれば立派な朝食になる。



 トーストを食べたあとは千葉県にある丸昇にそのまま向かうか、
 それとも銚子まで行ってみようか迷った。
 時間的にはまだすこし余裕がある。
 夕方には妻子が帰ってくるのでそれまでに帰宅していれば問題ないだろうけれども。
 この日は終始向かい風に祟られたので銚子には向かわず丸昇に寄って帰宅する予定通りのルートとする。



 こちらもこの看板を見なければ素通りしてしまっただろうと思われる千葉県にある24丸昇である。



 雰囲気は茨木の丸昇と大きくは違わない。



 このあたりもやはりコンビニが全くないので近所のママが自販機弁当から5つもお弁当を購入していった。
 しかし子供たちにあの内容の弁当をお昼に出すというのはどうなのだろうか?
 コンビニ弁当はたしかに見栄えもする。
 しかし食育の観点からすると決していつも食べるべき食事じゃないと思う。



 にしたってここはこの地域の集いの場所なのである。
 見るからに冴えない風貌のおっさんが仕事中にゲームをして行ったりしている。
 子供たちもきっとゲームをするのだろう。
 このあたりにゲームセンターなんてないし、マンガ喫茶もないだろうしね。
 店内にも小学生は何時まで。18歳未満は何時までに帰るようには書いてある。



 先日までうなぎ弁当を売っていたようだがうなぎが高騰してしまって販売継続不可能となってしまったことを詫びる紙が貼ってある。

 何か買って食べようというほどの空腹感もなかったので自販機でフツーに炭酸ジュースを購入してここを去る。

 あとは296号線で自宅に向かうだけ。
 なんだけれどもこんなカンバンを見つけた。



 あの竹岡式ラーメンが佐倉に進出しているとは。


 
 しかも昼過ぎなのに結構な混雑である。
 写真の向こう側にも駐車場があるのだがそこまでいっぱい止まっているのである。

 正直、竹岡にある梅の家のラーメンが「美味い!」と思ったことはない。
 なにしろチャーシューの煮汁スープに乾麺なのだから。
 しかも特盛のチャーシューでムネヤケします。
 評価は分かれるようですが、同じ千葉県に住んでいる人に聞いてみても「美味い」という意見は少数ですな。

 だからといってこちらの竹岡屋がそうだとはいいません。
 食べてみないことはわかりませんよね。
 そのうちにチャレンジですな。

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