12/13 木曜日 雨/晴れ 愛媛県広見町→今治市 走行距離352km

 今朝は暖かい。ラジオでは東京は寒い朝などと言っているが、こちらは実に心地よい。昨晩一緒に呑んだ彼はまだ寝ているままで出発。

 宇摩島の町は高校の修学旅行で来た覚えはあるのだが、その時の様子はさっぱり憶えていない。少し駅の周りを散策して佐多岬に向う。

 佐多岬は四国の最西端に位置するのだが、突き出た半島は結構距離がある。山の峰にそって作られた国道197号があるからスンナリ岬まで行く事ができるが、側道の海岸沿いの道はえらく険しい。峰にそった国道だってかなり標高の高い所を進から、いつの間にか雲の中ということもある程である。

 岬の駐車場からは徒歩で灯台へ向うのだが、うまい事に観光バス御一行様が来たので、ぞろぞろ歩く爺様婆様の後をついて行く。ちゃっかりとガイドの説明を聞きながら灯台に到着。ガイドさんはちょっと太めかな。息が上がっているよ。 それに引き換え山歩きを得意とする年寄りはポンポン進んでいるものな。

 その後は松前をすぎて今治の「道の駅今治」でビバークを決めて、近くのクアハウスに向う。空腹と疲れで呆然とした状態で行ったのがマズかった。入館料\1,200という高額料金をマンマと吸い取られてしまったのである。支払いの辺りの記憶がなくて、脱衣所に入ってから「しまった!」という後悔の嵐に見舞われる事になる。クヨクヨしながら身体を洗いサウナに入るとすっかり嫌な事は忘れる。

 散財した事は洗い流して道の駅に戻ると隅っこにテントが張ってある。自転車もあるから日本一周人かもしれない。朝には顔を合わせる事になると思うので、その時に少し話をしてみるつもりである。

 明日は本州に上陸かな。

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 魚港でのスカイラインとスバル360の一コマ。スバルは再塗装の上にパテ盛り板金と使い込んでいる車だが、よーくみると初期の出目金スバルである。エンゾが今にも出てきそうだ。


 12/14 金曜日 雪/晴れ 愛媛県今治市→岡山県玉野市 走行距離258km

 日之出前に支度をしていると昨日のチャリダーテントからラジオの音が聞こえる。どうやら生きてはいるみたいだが、どんな人か判らぬまま道の駅を発つ。

 今日は四国の北側の海岸線をずっと走るが大して面白いものはなし。

 そこで大歩危、小歩危という渓谷に行ってみる。ここは字の通り大股で歩いても小股で歩いても危ないという難所である。川にはおっかなそうな吊り橋もかかっているのだが、一番危なそうな橋は通行不可。ちょっと残念。雪が舞って寒いので、とっとと車に引き上げる。

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 両脇の下はラフティングができる川だから結構流れはある。カブでこの橋を渡るおっちゃんもいるのだから凄いよナ。橋板は木製でところどころ補修されている。隙間から川を覗くとキンタマが縮み上がりそうである。

 今日は瀬戸大橋を使って本州に渡るつもりは無かったので、丸亀のフェリー乗り場に行ってみると出発まで1時間以上ある上に橋を渡るよりも船代が高い。ここ以外にもフェリーはあるだろう。海沿いを走り高松で\2,300で本州に渡るフェリーのデカい看板を見つけた、駐車場に車を乗り込ませると係りのおじさんがやってきて「すぐ出発するからね。手続きは私がやるから」という事でお金を渡すと、フェリーにいきなり誘導される。どうも出発時刻に到着したので、急いで載せようとしたらしい。どうりで発車のベルがジージーと鳴っている訳だ。車がフェリーに乗ったとたんにタラップが閉じていきなり出航だ。船内は満車だが、デッキに乗客は少ない。ほとんどがトラックのドライバーで後は何人かの高校生が一生懸命携帯電話をいじっているだけだ。本州から四国までフェリー通学とは凄いもんだ。荒天の時はどうするのだろう??

 船内にはドライバー向けの風呂場があったので覗いてみると、「荒天の為、風呂故障中」の張り紙。シャワーは使えるみたいだが、出てきた運ちゃんに「お湯が出ないよ、風邪ひくよ」等と言われたので風呂は諦める。

 

 宇野という町に着いたらしい。(何しろ行き先も確認しないで乗ったのだから) スーパーを探して夕食を購入。ジムニーのお兄ちゃんに「珍魚にチャレンジ」と説法されたので、一応探してみるが鮫の心臓とか沖アミとかそういうのは置いていなさそう。結局この日はハムカツとシシャモをおかずにして「道の駅みやま公園」に行く。

 公園と道の駅が一緒になっているのだが、時々「木や花を大切にしましょう!」といった感じのアナウンスが流れるのには参った。日本人っていつからそんなにモラールが下がったのでしょう? スーパーの駐車場が空いているのに路中する高級車の列を見たのを思い出すと「まぁ言われないと判らないんだな」ということで納得。

 明日は気が向いたら淡路島に渡ろうか?


 12/15 土曜日 雪/雨/曇り/晴れ 岡山県玉野市→兵庫県三木市 走行距離258km 

 今朝方は車の排気音で目覚めた。峠にある道の駅で寝たのだが、この近くを走る「自称、峠仕様車」の音がうるさいのだ。グリップで走っているのだが、排気音とスキールが耳につく。車種は判らないが自然吸気で本田ではないだろう。ずっとうろついているので眠れない。

 悶々として起き、身支度をして今日も走る。姫路城をまずは見学。公共駐車場代が3時間で\500と高価なのだが、場内を歩くと1時間半程はかかるので結局その時間でそのお値段なんだ。

 今日は明石まで行く事にしていたので国道2号のバイパスを利用する。高速道路のようにスイスイと走れる事は本当に久しぶり。あぁラクチン。しかーし、明石の駅前は大渋滞でお買い物どころではない。んなわけで道の駅がある三木市まで行く。「道の駅みき」には観光案内が設置されていたのでここで銭湯の場所を聞いて行ってみると、またしても休業である。山口の宇部に続いて2回目だ。がっかりだが、ここであきらめるとまる二日は風呂に入っていない事になるので、それはイヤん。警察署に行って聞いてみると別にもあると言うのでそちらに行ってみる。

 その「竹乃湯」で駐車してさて風呂だと意気込んで向おうとすると、隣の軽トラのおっちゃんがなんだか参っている様子。まさか車のキーを無くしたのかいな?と思い訪ねてみると「タイヤ2本ともパンクじゃぁ」との事。そりゃスペアタイヤだけでは走れないものな。仕方ないのでパンクした2本を私の車に積んでおっちゃんが知っているタイヤ屋に修理に向うが、生憎店は閉っている。いまどきタイヤのパンク修理のできるスタンドなんてあるかいな?と思いながら近くのガススタに日頃の行いを信じて駆け込むと、なーんと「修理できる」とのこと。タイヤは千枚通しの様な物でタイや側面をやられているので、「ちょっと心配だなぁ」と老スタンドマン。アルバイトのにいちゃん達よ、しっかり見て覚えろよ。

 何とかおっちゃんの軽トラは自走出来るようになったので一安心。おっちゃんに「ウチに来いよ」とナンパされるが自宅が大阪城の隣という事なので、丁重にお断りする。明日は神戸を見たいしね。


 12/16 日曜日 晴れ 兵庫県三木市→大坂市内→和泉市 走行距離158km

 今朝はのんびりと6時半頃の起きた。気温は零度なのだが体感的にはそれほどでも無い。朝食を済ませ片付けをしていると、隣の車のデリカのおじさんとちょっと話す。「これから大阪に向うので駐車場は無いか」と聞くと「淀川の辺りに停めて電車を使うのがいいだろう」とのアドバイス。

 そんな会話の次に来たおじいさんは「あんたも車で旅行しているのかい?」と聞かれる。どうやらここの道の駅には私以外にも日本一周をしている人がいたらしい。

 そんな話をしているとどうもこの爺さん鍛冶屋の端くれだというがどうも気になる。そこで少し話しを突っ込んでみると名前は近藤さんといい、「義若」という会社の社長さんであるという。これだけで誰なのか判る人はよもやいまい。先日、鹿児島で皇后様の植樹祭で使ったノコギリの制作者であるという。いわゆる「皇室御用達」ノコギリの匠である。やはり徒者では無かった。

 そんな朝を過ごして今日は大坂観光をする。言われた通り淀川付近に時間¥100の安いコインパークを見つけたので、そこに停める。おじさんありがとう! まずは腹が減ったので牛丼屋だ。全国チェーンの「なか卵」である。ひさびさに食べる味は「う〜ん、残業徹夜の日々を思い出す・・・」。

 大坂は昔に出張で何度か訪れた事はあるが、夜にホテルから抜け出して出歩いただけなので、今日はゆっくりと観光させてもらう。まずは日本橋に向う。ここは大阪の秋葉原と言われる所だ。パソコンや携帯電話の店が並ぶが、ちょっと奥に入るとジャンク屋などが結構並ぶ。秋葉原よりもずっと昔の形を留めているので、こっちのがずっといい感じ。規模は少し小さいが秋葉原と合羽橋と御徒町を足して3で割った感じの街である。

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 ちょっと分かりにくいが写真中央の店は中古電線屋さんである。秋葉原では絶滅した商売がここでは健在である。隣の工具屋さんのおじさんは私を見て何に使う物を探しているか当ててしまった。

 ずっと歩いてみるが日曜日という事もあって結構な人だかり。うまいタコ焼き屋は行列が出来ているので今回は諦める。大阪で気合いの入っていないタコ焼きを食べる事程、悔しい思いはない事を以前に味わっているからである。

 夜になって大阪の首都高「都市高速」を走ってみる。ここは首都高と同じで環状線があるのでグルグル廻ってみたかったのだ。首都高と比べて都市高は四車線と広く直線しかないから走り易いし、時計廻りしかないから結構ラクチン。4周程廻って湾岸線をつたって和泉まで走って公園でビバーク。


 12/17 月曜日 晴れ/雨 大坂府和泉市→和歌山県御坊市 走行距離274km

 今朝は時頃に起きたのだが、ビバークした町中の公園には早くも散歩の人がワンサカおる。まだ、太陽も登っていないのに。

 大阪に来てから水を手に入れる事が出来ていないので、今日は朝御飯は作らない。そんな訳で高野山に向う途中に吉野屋があったのでそこで朝食となる。先日の昼から牛丼→ラーメン→牛丼と身体に悪そうな物を食べ続けている。そこで途中に見つけた特産物直売所でみかん1皿\100を見つけたのでこれを購入。おばちゃんに頼むとみかんの箱からビニール袋にこれでもかという程にみかんを入れてくれた。スーパーなら\600分くらいだろう。さらに柿も持って行けと熟れた柿をつけてくれた。ちなみにここではみかん一箱\1,000であった。

 高野山に向う途中に九度山町があったので、ちょっと寄り道。ここは池波正太郎の「真田太平記」というお話にも出て来る真田昌幸と幸村父子が押し込められていた土地である。実際に「真田庵」というのがあって、名残りを見る事ができる。

 それを見た後は高野山に行くがところどころに積雪がある。当然外を歩くと寒いので、よそのバスガイドの話を立ち聞きして適当に引き返す。

 高野山を下りながらも水道を探すが見当たらないのでこの日の昼はみかんで済ませる。

 夕方にはみかん星人になって運転をして、瀬戸内海に面した由良という町にある「由良開閉所」をよる(本州と四国を結ぶ送電線の中継地)。ここは昔、仕事でとんでもない目にあった場所なのだが、相変わらず変わってはいない。もし、私のトラブルで、四国に電気が行かなくなっても、もう助けられないので、四国の皆さんゴメンナサイねぇ。

 今夜は御坊の海っぺりでビバーク。みかん星人はハラがとても空いていたので、御飯をいっぱい炊いて意気込んだのだが、少々造り過ぎた。ちょっぴり後悔して寝る事にする。


 12/18 火曜日 晴れ 和歌山県御坊市→南島町 走行距離353km

今朝も朝は遅くに起きた。大体6時半くらいであろうか。外は大して寒くないのだが、やっぱり起きるのがおっくう。

 先日、電話で名古屋の某ホテルに勤めるN目氏と連絡を取り合い「20日のお昼御飯を一緒に食べよう」という事になったのでその段取りで名古屋まで進む事にする。

 御坊から本州最南端の串本町の岬にちょうどお昼頃に到着。見渡すと「日本一周人」らしき人が五人もいる。天気がイイので寝袋を干しているのだ。「本州最南端到達証明書」を頂き、店の人と話すと「夏はチャリダーが沢山訪れる・・」との事。ここで「紀州の雑賀孫一」について訪ねてみるが知らないとの事。他の土産物屋も同様である。司馬遼太郎の小説にもなったのに知らないんだものなぁ。

 お昼はホウレン草と玉ねぎを炒めた「ポパイパスタ」を作るが、途中でオリーブオイルが切れてしまい、パサパサなパスタになってゲンナリ。片付けをしていると日産キャラバンで旅をしているカップルと洗い場で一緒になる。

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 まじかで見ると50才位の夫婦の様で「気の向くまま風の吹くまま」に旅をしているのだという。そうだよ、「オレは食える分だけ働いて、後は無心に好きな事をしていたかった」という事を久々に思い起こさせてくれた。南端の地を発ち、熊野灘を北上する。夜7時までは走ろうと決めて南島町の山中でビバーク。今夜は途中のスーパーで購入した「丸大、ショウガ焼き豚肉味付き\290」を購入。どうしても焼肉をしたかったからだ。 

 薄暗い車内で料理したのでちゃんと焼けているか心配もしたが「狂豚病はないから大丈夫だろう」というワインで酔っぱらった頭でそういうふうに決めつける。すっかり出来上がってこれを書いているが、明日は志摩スペイン村と伊賀甲賀に向う予定である。


 12/19 水曜日 晴れ 和歌山県南島町→三重県菰野市 走行距離338km

今朝はきっちり4時半に起きて6時過ぎには出発する。

今日は志摩スペイン村に向う。予想通りだーれもいないテーマパークである。伊勢駅でホームページのアップロードをして伊賀町、甲賀町に向う。その昔は忍者がいた里であるが、いまだに昔の面影を残している町である。実はワインを1リットル程呑んでいてあまり書く気がしない。そんなわけで明日、名古屋に入ってまた打ち込むつもりである。


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