11/8 木曜日 晴れ 北海道根室→羅臼→網走→サロマ湖  走行距離408km

 日本最東端で蟹雑炊をすすりながら日本で一番早く朝日を迎える事ができるなんて「あぁ幸せ」と思う瞬間である。

 そんな朝を迎え走りはじめた先が知床岬である。車では岬まで行く事ができないので、手前の羅臼という街で熊の湯という露天の公衆浴場に浸かる。その後、近くで昼御飯を取る。昼は毎日パスタだが、今日はミートソースをチョイス。

 満腹になり網走へとひた走る。途中でショートカットと思い農場の合間の道を走ったのだが、数キロ走ったところでうすらデカいキャタピラーのブルドーザーが道を塞いでいる。聞くとスタックした作業中のトラクターを引っ張り出す為に来たとの事。これでは進むわけにも行かないので引き返すわけだが、数キロも走っておいて引き返すのは無性に腹が立つ。短気な証拠に引き返しの砂利道はRR(リアエンジン・リアドライブ)の車の特性を活かして?!コーナーごとにカウンター大会であった事を正直に告白しよう。

 そして網走刑務所を見学。といっても中に入る程に悪い事はしていないので、外から見るだけである。イイ感じにやれたレンガの塀が何とも言えない。

 ついでに網走簡保の宿で湯に浸かる。簡保ではコインランドリーが併設されているので、風呂に浸かっている間に洗濯が出来てしまうのである。これは便利。

 今夜は道の駅”佐呂間”で夕食だ。昨日の蟹とイクラでイクラ丼と蟹汁をまた作り、途中で買ったお惣菜を食べる。食べ終わりまったりしていると一台の車が私の車の前で停まり人が降りてきて窓をノックするではないか。

 一応は警戒しつつも窓を開けると「この辺で三河ナンバーの車に乗った女の子を見ませんでしかねぇ?」

 いろいろと話を聞いてみると農場で働いていた女の子が今朝から見当たらないようでみんなで探しているようだ。

 「北海道廻っているの? ウチに泊まっていかない?」とお誘いを受けるが丁重にお断りする。ノコノコと付いて行けば「農場で春まで働くのも悪くないな」という心が本当に芽吹いてしまうからである。

 それではこの連載も春まで停止するだろうし、何より二ヶ月で日本一周をしないと次の予定を実行できなくなってしまうからである。

 今でも「やっぱりついて行けばよかったかな?」と思う事もないではないが、こんな時は熱燗でもやりさっさと寝る事にする。


 11/9 金曜日 雨/晴れ サロマ湖→宗谷岬→美幌  走行距離437km

 日本は年末になると道路工事が多いと都市部では苦情が出るくらいであるが、北海道もそこかしこで工事をしている。

 働いている人を観察すると工事の職人さんはプロなのだが、道路の交通整理や雑用等は地元の人がやっている。茶髪のネエちゃんから爺サマ、婆サマまでである。農閑期ともなればこういった仕事が働き口になるのだろうか?

 それにしても宗谷岬のクソっ寒い所でも夜遅くまでも感心する位に働くものである。3日徹夜で事務所でヌクヌクと働いていた時代から比べればワタクシなどは「とんだアマちゃん」である。

 そんな訳で今日は日本最北端の地「宗谷岬」についに到達である。感想は「ひたすら風が強く寒い!」だけであった。お土産屋さんで宗谷岬のステッカーと日本最北端の地に到達証明を頂く。

 ところがこのお土産屋のばぁさん、とにかくヒマらしく一方的に喋るのだ。「今年一年はストーブを出しっ放しにするくらい寒い年だ」とか「夏頃に76の爺さんが徒歩で岩手からここまで来た」とか・・・  他の観光客が来店したのでその隙に店を出る。

 旅費が予想よりも嵩んでいるのでペースを早める事にする。問題はガソリンの値段だ。ここではレギュラーが東京のハイオク並みにするのである。

 暗くなってからも走り音威子府辺りで\200で温泉に浸かり、美幌の道の駅で夕食をとり寝ることにする。明日はサッポロに行きラーメンを食べるぞ。


 11/10 土曜日 晴れ 美幌→名寄→小樽→札幌→余市  走行距離432km

 今日は小樽で「小樽交通博物館」を見学。古い車や汽車等が展示されている。乗り物好きの私にはとても面白いのだが、午後三時に閉館となってしまい追い出されてしまう。

 次は少し戻ってサッポロ市内の見学。札幌駅近くに車を停めて北海道大学のクラーク象を見学。大学生って本当に若くていいなとちょっとジジ臭く思ってしまう。私の出身は千葉のとある工業大学であったが、最近某宗教団体に経営を取られてしまい、大学の雰囲気も随分と変わってしまった。北海道大学は東大のように敷地内で子供が自転車に乗ったり、犬の散歩をしたりと公園のように使わていてイイと思う。

 さてサッポロの駅に行けばサッポロラーメンでしょう。ところが駅の周りには美味しそうなラーメン屋さんは見当たらない。お腹が空いていたので、地下街のラーメン屋さんに入る。味は・・・ 普通だな。

 続いてはサッポロの地下鉄に乗ってみる。私は東京で営団地下鉄東西線を使っていたが、サッポロの東西線も乗っておかなくてはと思い、ひと駅だけ乗ってみる。

 こちらの地下鉄はレールが無くてゴムタイヤで走る地下鉄なのだ。東京とは広告が違う程度であった。

 ラーメンも今一つであったのでサッポロのススキノに行ってみる。歓楽地だけにラーメン屋さんがいっぱいあるではないか?! うーむ失敗だな。折角ススキノまで来たので他で楽しむ事にする〜〜〜。

 この日は余市の「道の駅」でビバーク。明日は本州上陸かな?


 11/11 日曜日 晴れ 余市→函館  走行距離508km

 今日もよく走った。本当は函館から船に乗るつもりでいたのだけれども、時間に間に合わず今日が最後の北海道での夜となりそう。

 函館は五稜郭付近の交番でコインランドリーの場所を教えてもらう。首都圏の交番にいるおまわりさんはどーも無愛想だが、地方のおまわりさんはとても親切。 

 24時間営業のランドリーを教えてもらい、たまった洗濯物をリフレッシュ。この間に夕御飯も作る。ここに来る途中で生野菜を安く購入する事が出来たので、久々の具沢山のお味噌汁を作る。しばらくはこのメニューになりそう。

 でも、このコインランドリーがちょっとした通り沿いにあってランドリーの真ん前に車を路注した車内で夕御飯の用意をするとなると結構人目が気になるもの。なので、これを書きながら気にしないフリをしています。

 夕御飯の後に函館の公衆浴場に行く。\380とまぁ銭湯と変わらない値段。本物の温泉に浸かりすっかりイイ気分。ところがこの後、寝床を探すが函館は結構都会な町並みが続く為に安眠出来そうな場所が以外とない。結局、明日のフェリー乗り場の駐車場でビバークである。

 というワケで、明日は9時の船で本州に帰ります


 11/12 月曜日 雨/晴れ 函館→青森大間→瀬辺地  走行距離270km

 朝、5時に目がさめたのだが気温が10度位あると実に暖かく感じる。

 昨日の御飯とお味噌汁でおじやを作り、朝食として啜る。

 函館9:30の出発の船に乗るなり缶ビールを空け早速朝寝。起きるとちょうど青森に到着。いいタイミングである。

 野猿公苑に猿を見た後は青森の中心街を目指して走る。中心街まであと40kmという辺りの道の駅で一息ついていると、フェリーで一緒だったライダーがおる。

 話を聞いてみると彼も日本一周をしていてこれから弘前の家に帰るところだという。つまり今日が最後の日という訳だ。1年程かかったといが、石垣島まで行ったというから恐れ入る。「でも、帰ったって金がないっスよ」という言葉は旅行者の大半が口にする事でもある常套文句だな。

 「おめでとう!」と言い、彼と別れ青森駅に行ってみる。周囲は警察が駐禁を取っているので、駅の写真を撮るだけで撤退。

 その後は津軽を目指して走る。とある村の海水浴場の駐車場で夕食を作るが、満腹でまったりしているとお巡りさんがやってくる。適当な職質をされるが旅人である事であっさり引き上げる。地方のお巡りさんはこういう時でも突っかかってこないからまことに気持ちヨイ。

 で、これを書いて寝るよ。


 11/13 火曜日 雨/晴れ 瀬辺地→竜飛→八郎潟  走行距離380km

 今朝は随分寝過ごした。今までは2、3時頃に起きていたのが、今朝は6時である。昨晩、寝床を随分遅くまで探し求めたのもあるが、気温のせいのが大きいだろう。

 朝御飯を済ませて津軽半島最北端の竜飛を目指して走る。道路は整備されているのだが、北海道に比べると道幅が狭いし、民家も多いのでスピードが出ない。本州に入ると「やはり日本」とつくづく思う。北海道は大陸みたいな感じだものな。

 竜飛岬には旧日本軍の見張り台があったりする。それと日本一狭い国道339号線があるところでもある。

 この国道は200m程の区間が幅1m程の階段で民家の合間を縫って続く道である。何でも役人が舗装路である事を確認しないで国道に指定しまったらしいが、言い訳がましく「階段国道」等と標識の下にふってある。

 ここを国道に指定した役人どもは、この区間を100往復の刑が宜しいかと思う。おばあちゃんが大根をセッセと洗っていたり、人間専用の道の駅もあったりするから面白い。

 次は青森の西南にある不老不死温泉に行く。手持ちのガイドブックには「入浴無料」と書いてあったが実際は\300する場所。でも海の側で露天につかれたのでマァヨシとする。ここは一度訪れるべき場所であろう。

 この後は秋田の八郎潟を目指して走る。干拓した理由は判らないが、とにかくデカい干拓地である。この際にある男鹿半島の果てである入道崎で夕飯を食べ、近くのホテルみたいなところで湯を浴びる。

 今夜は道の駅「ことおか」で寝るぞ。


 11/14 水曜日 雪/雨/晴れ 八郎潟→鶴岡市  走行距離226km

 毎回読んで頂いて本当に感謝します。本当の所、日本一周人の所にリンクを張って頂いても読んでもらえるかどうか自身がなかったのですが、わざわざメールまで送って頂けるのであるから本当に感謝である。

 さて、今朝も朝御飯を済まし、厠へ朝の出勤に二度も行く。ちょっと出過ぎな位に出てしまう。ひょっとして体重が2kg位は減ったかな?! と言う位である。まぁ、この時は「絶好調なのだろう!」位にしか考えてはいなかった。

 そのまま車を出発させJR秋田駅に向かう。朝の8時位であるから皆さん通勤通学御苦労な時間である。秋田小町等と言うが本当に若い人は綺麗である様に思える。もっともギャルと触れあう事が少ないからとも言えるのではあるが・・

 駅前の時間がし駐車場に車を停め駅の周囲の散策を行う。駅は近代的でとても広く作られている。しかし、朝のMr.ドーナッツやMcドナルド等には朝食を取る高校生がおるのにはびっくり。儂は社会人時代だってこんなお店で朝食を取るなんて贅沢はできなかったのである。

 今朝のラジオで「とある小学校の先生が生徒達に鳥を飼育させて、育った鳥をさばいて食べる」という事をさせようとしたらしいが、PTAから文句がかかって中止になってしまったという。親達にしてみれば「なんて残酷な事を!」とヒステリックになるだろうが、食べるという事はどんなに大変な事かと言う事を本当に教える事ができるいい機会であったと思う。

 旅をしながら自炊するというと金銭問題とか時間とか色々と兼ね合いがあってその条件でトレードオフできる点を自分で維持しているのであるが、大概のトラベラーは慎ましい食生活だろう。まして日本一周をしている輩達はそれこそ「米粒一つ」も大事に食べているハズである。

 それを誰の金だか知らないが、高校生がホイホイとファーストフードを朝から頬張っているのを見ると、道路脇の「家族で話して非行を無くそう」等の標語看板が全く馬鹿馬鹿しく思えるものだ。

 話が随分それたが、まぁ秋田の若い人は東京と変わらないワケだ。周りの建物も東京と変わらず。呑み屋さんが少ないかな。それと地方都市の駅前は路駐が少ない。スッキリしているがちょっとの時間でも時間貸駐車場を利用しないといけないから不便でもあるな。

 朝なのでたいして見るものもなく駐車場に帰り駐車料金を係りのおじさんに払おうとすると「小銭がない・・ 1万円札じゃぁだめ?」と聞くと「●○◎×●○◎×」と言ったらしいが、まったく聞き取れない。これが秋田弁か?!

 仕方がなく、近くのコンビニで小銭を作り料金を支払う。が、本当に聞き取れない方言は初めてなだけにかなり焦る。まるで韓国語か何かを聞いているようであった。

 その後は日本海側をひた走るが、秋田から山形に入った辺りで突然の腹痛が襲う。「むむぅ・・・ 一体何故だ?!」 

 近くに道の駅があったのでそこへ駆け込み、トイレにダッシュ! 

 「・・・・・・・・・マズイ・・ この旅行で初めて腹をこわしたぞい・・・ 昨日の飯で何かまずいものがあったかなぁ?」 しゃがみながら頭で一生懸命考える顔には冷や汗が滴る。

 5分程の格闘の末、スっきりと個室を後にする。朝、やたらと出たのはこのせいかと気付くが時既に遅し。今夜からは絶食しよう。

 その後は具合もいいので調子に乗り湯の浜温泉共同浴場に浸かる。熱めの湯が心地よい。風呂に浸かると係りのおばちゃんがこちらを覗き込む。何か珍しい客にでも見えるのだろうか?風呂を上がりおばちゃんに「コインランドリーは無いか?」と聞くと「この辺には無いねぇ」と聞き取れる言葉で返事をしてくれた。

 そういう訳で鶴岡市内まで行きコインランドリーで洗濯をしてjuscoとダイエーでお買い物。食料の他に毛糸の帽子を購入。寒い寒いを我慢するのはよくないからな。

 道の駅三川で今夜はお休み。クノールスープで夕食を済ませこれを書く。おやすみ。


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