ボクのおうち

 前々から書き込みはしていたが家を建てた。
 事情はいろいろとあるにはあるが、まぁチャンスがある時に家を建ててしまうのが良かろうという判断ではある。

 丁度、今現在も耐震偽装問題が取り上げられて、話題となっている建築士も近所に住んでいる。
 それとHザーも近所でマンションを建設していたが、やはり途中で工事はストップしている。まぁどこかのデベロッパーが二足三文で買い入れて何も知らない人々に売っぱらうのであろう。
 そんなHザーが建てたなんて知らずに購入してしまう方々も気の毒である。が、値段に釣られて購入してしまうのもどうかとも思う。
 昨今は価格だけが勝負というフシがあって、家電等では中国製が台頭しているのもご承知かと思う。それを否定はしないが、低価格だけが全てだとは思いたくはない。
 車であればトヨタもあればロールスロイスもある。思想も作り方も随分と違うが、それぞれに存在意義があり、またそのどちらかを求める人々がいる。
 もし世界に自動車会社がトヨタしか残らなかったら、ワタクシなぞは反思想的であるとして弾圧されてしまうであろう。個人的な考えではあるが最近のトヨタには半世紀前の日本軍のように危うい雰囲気を感じる。ちと極端かもしれませんがね。

 閑話休題、ハウスメーカーにも大手もあればそこら辺の工務店まで、それこそ群雄割拠しているドロドロとした競争社会が形成されている。

 多分、家を建てる上で一番難しいのは建設(設計)業者を選ぶ事かと思う。
 ワタクシも半年程の間を近場の住宅展示場をまわったりして知識をつけたり、見所を肥やしたりした。
 いくつかの業者の中からコンペの末に決まったのが、今回お願いしたicgという建築会社である。
 このicgはワタクシの大学時代の同級生がやっている会社でもあるのだがインテリアに強い会社でもある。
 大手の設計を下請けしていたりもするし、近所のテナントもやっていたりしていて、過去の仕事内容を見て判断をしたのである。


<要求仕様>
 冬に寒いおもいをしない事
 バリアフリー
 ホルムアルデヒドで苦しまない
 
<構成>
要求仕様から建築会社でもあるicgは3F建ての法律ギッチギチの建物をデザインしてきた。
 全てフローリングの為に何畳という表記ができないが、
1F:1Room + L.D.K. + Bath + Toilet + Garage
2F:2Rooms + Living + Toilet + Balcony
3F:1Room + L.D.K. + Bath + Toilet + Balcony
Loft:2 spaces

 建物にはOMという自然エネルギーを利用した暖房システムが組込まれている。
詳細はLINKにてご覧頂きたいが、仕組みはこうだ。
(寒い時期の昼間)
 屋根がガラス張りの中空になっていて、軒先から空気を吸入して屋根斜面で空気を温める。その空気を基礎のコンクリートに当てて基礎を温める。
(寒い時期の夜)
 昼間温めた基礎の熱を室内に取り込む。屋根から外気の取り込みはしない。
(暑い時期)
 屋根から取り込んだ熱い空気で水をお湯にかえる
 屋根の熱い空気は基礎には取り込まない。
 夏でも基礎のコンクリートは冷たい。そこで床下の冷たい空気を室内に取り込む。

 OMは暖房システムではなく、補助暖房システムである。したがって、真冬にはストーブ等の熱源が必要となる。冬場の天気が悪い時等はまず役にはたたないのである。
 しかし、太陽さえ顔を出せば自ら払うエネルギー費用を幾ばくか助けてくれるシステムである。

 
<内容>
表面はこんな感じ。

 
玄関口にひさしがないので雨の日はちょっと大変。
窓ガラスの配置を見ると、この家は何階建てなのかちょっとわからないよね。

1F

LDKのダイニングテーブル。
家を構成する木材を高知県から取り寄せたらテーブルがおまけに付いてきた。
奥の畳の上がりは大工さんに作って頂いた。
キャスターがついているので移動が自由。中は物入れになっている。天板部分が畳なのでゴロ寝もOK。コリは便利。


この家の扉はほぼ全て引き戸になっている。これはスペースの効率化のためだそうな。
ちなみにこれは1Fのトイレ。左が人間用で右の穴は猫用。


 ちょっとお見苦しいが、これが猫用トイレ。
 排気ファンが左手に隠れているので匂いがこもらない。しかも冬は床下から暖気があがってくる快適仕様。 トイレに関しては人間側も向上したが、猫も同様である。贅沢な・・・


 この家はOM システムが組込まれているので、常に空気を循環させなければならない。その為に階段とこの吹き抜けにより空気を1F→2F→3F→2F→1Fと循環させるようにしている。
 この写真は吹き抜けを1Fから見上げた時の様子である。

2F

ここは2Fのリビングルーム。最近流行のセカンドリビングという位置づけである。
バルコニーが広いので天気の良い日は外で酒も飲める。


セカンドリビングにはOMシステムのダクトが抜ける。これは屋根から集めた熱い空気をコンクリートの基礎に運ぶためのものである。
 ダクトが未処理なのは、オーナーによっていかに装飾されるかを見るためだそうである。OMを導入した家々により装飾に差が出る、ちなみにワタクシの大学時代の友人もOMで家を建ててダクトにはヨシズを巻き付けていた。



 
2Fにも吹き抜けに通じる箇所がある。
円形を塞ぐのは両開きの障子。


3F


3FのLDK部分。
3FはMacでイメージを描いて、それを実現してもらった。
キッチンメーカーは数あれど、その価格システムには参った。
まず、価格を決めるのは扉の材質と色。そして配置である。
 最近の流行でもあるアイランドキッチンとこのI型キッチンでは倍の価格差がある。当然高価なのはアイランドキッチン。
 ガスコンロだってそんなにいい作りの物には見えないのにビルドインタイプという事でバカ高い。オーブンなんて電子レンジなみに小さくて超がっかり。これではデカいピザが焼けないだろうに。
 淡い色は安価で「わぁキレイ」という色は高価。自動車だって色で値段がそんなに変わらないのに何でキッチンは色で値段が変わるのか? 
 こんな商売していたら中国製が進出して来た時に国産キッチンメーカ−は駆逐されてしまうよ。
 テーブルは大工さんに作ってもらった。
 丸椅子はワタクシの祖父から受け継いだ60年以上昔のビンテージ物。



 奥は寝室。 窓の位置に注目頂きたい。採光と通風のための窓である。ちなみに3Fはまだカーテンすら入っていない。
 ロフトへ昇るハシゴはハシゴ掛けに。掃除機の手前にあるのは1Fから立ち上がる吹き抜け。塩ビのグレーチングではあるが、人間が乗っても無論大丈夫。


猫にとっては3Fの吹き抜けはあまりお気に召さぬ様子。高いところ好きなはずなのに。
 床は全て檜の蜜蝋仕上。素足でいるととても気持ちいい。


 トイレは1F〜3Fまでほぼこの仕上。最近はタンクレスのトイレでお掃除簡単。
 床が大理石なのに完成してから気がついたが、これにはビックリ。
 最近の親御さんは男の子に小便をする際には座ってするように躾けるらしい。これは尿はねをなくして掃除の手間を減らすためである。これを聞いてワタクシも成る程関心。
 ワタクシもそのようにし始めたと設計者に話したら、意外にも同様にする御仁が多い事にビックリ。
 トイレは重要な部分でもあり、また文化を表す面白い部分でもある。


引っ越してから半月だが、まったく整理が付かない洗面所。
これも自分でデザインしてお願いした。
洗面台の下は同じくビルドインの収納を後で取り付ける予定である。


3Fにはロフトが二カ所ある。これはそのうちの一方。
借金取りが来た時には小窓から脱出するのである。
右上に見える部分はOMの機械室である。



これはOMの機械室の様子。
送風用のファンだとかダクト、お湯取りの機械が並ぶ。
真ん中のダクトが屋根からの暖かい空気を取り込むものである。
ここの部分の温度は冬でも60度を超えるから自然の力はスゴいものである。





 風呂はユニットバス。
 これにも文句がある。キッチンと同様に淡い色は安価で濃い色は高価。なぜ?
 しかも風呂に入るための機能しか考えていないんじゃないかという変な作り。
 掃除がし難い曲面構成。変なテーブルがあるが、これも中空なのでカビの温床。
 必ず椅子にかけて身体を洗うという考えしかない鏡の位置。おれは立って全てをこなすのに。
 それに風呂は人間の身体を洗うだけではなく、大きなマットをタライで洗ったりもするのよ。そういう事はまったく考えられていない。
 昔のユニットバスよりも格段に格好は良くなったが、生活上の使い勝手は落ちたと思う。
 ちなみに最近流行の魔法瓶浴槽は浴槽の裏に発砲ウレタンを吹いただけでである。普通の浴槽に発砲ウレタンを吹けばお安く魔法瓶浴槽にアップグレードするというのは秘密である。


玄関口にカメラ付きのインターフォンをお願いしたら、カラーモニタが付いてきた。
夜でもくっきり見えるんだからよく出来ている。
このインターフォンはNational製ではあるが、ヒューマンインターフェィスは非常に良く出来ている。またデザインも素晴らしい。


 <まとめ>
 思い通りに家を建てられたか?と問われればYESと答えるであろう。
 しかし、思いもつかなかった事に気がつくものである。
 それは良い事もあれば悪い事もある。
 こればっかりは本を読んでどんなに勉強をしてもダメな事もあるし、お金とか家族の事情により左右されてしまう事もあるかと思う。
 住宅を購入または賃貸するとなると、殆どの場合は既に出来上がっていると所に住む事になるだろうから、住む人間が家に合わせる事になると思う。
 しかし、ワタクシのような場合は家を人間に合わせるという事をする訳で、現在とか20年後30年後の未来も考えて家を設計しなければならないので、打ち合わせを始めてから工事を開始するまでに2年近くも掛かってしまった。
 それでも、もっと一生懸命考えればよかったかたなと思うくらいであるから、家を建てるという事は本当に力がいる仕事である。

 

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