3/8 土曜日
 昨日の雨は朝にはすっかり止んでいたので問題なく自転車を走らせる。
 フランスからベルギーに入るのには道路を走っているといつの間にかにベルギーなんで国境もよくわからない。

 写真のように馬をトレーラーに乗せてどこかに行くのは普通の光景のようである。自転車を走らせていると馬糞が道路によく落ちている事から乗馬そのものはポピュラーな事なのかもしれない。うーん日本ではない事だよナ。

 フランスは別としてベルギーやオランダは本当に自転車を走らせやすい国。
 自動車の道路と自転車用の道路の二つがどこにでもあるのは自転車天国である。もっともこの背景には両国には山が無いからということがあげられる。イギリスは丘だらけだから自転車をこぐ行為そのものがマゾヒスティックだなや。

そういえばベルギーでこんなものを見つけた。

日本ではお馴染みのi modeがベルギーでも展開されているのだ。ヨーロピアンもみんな携帯電話を使うが、日本のように携帯電話webコンテンツがさほど普及していない。
 この背景にはアルファベットと日本語漢字では同じ文字数でも伝えられる分量が違う事があげられる。ワタクシもイギリスでは携帯電話を当然使っているが、メールを送信しようとするとあっという間に画面が文字だらけになってしまう。キーパットを押す回数はたいして変わらないのだが漢字を使うと圧倒的に文字数を節約出来る。
 もっともその代わりに携帯電話に日本語辞書を乗せなければならないのだが、そんな事は何十年も昔から取っ組み合ってきた問題だから日本の技術者なら何とかしてしまうんだな。


 そんな訳であっという間にベルギーは通過してしまい午後にはオランダに入る。が夕方からまたしても雨が降り出す。早いところホテルを探さないと風邪をひいてしまうので小さな町でホテルを捜しまわるが、こんな時に限って安そうなホテルは見つからないもの。街をぐるっと一周しても見つからないので駅前のゴージャスなホテルに渋々入る。

この位のホテルになるとレセプションで英語が普通に通じるから有り難い。が、問題は値段だ。1泊70ユーロは「ちょっとオイオイ」の価格だ。昨日は25ユーロの安宿だったからおよそ3倍くらいの値段であるな。
 
 しかも一人で泊まるのになんでツインの部屋なんだよ。ベッド二つもあったってしょうがないのに。でも、部屋にはシャワーもトイレもついているしテレビもある。これは嵌められたな。

さらにホテルにはエレベータがあるのだが、これがまたスゴい。ふつうエレベータには内扉と外扉が付いているものだがここのホテルのエレベータには内扉がない。しかも扉はスライド式ではなく手動のヒンジ扉だ。エレベータの扉にドアノブが付いているのも何とも不自然ではある。
3/9 日曜日
 この日もオランダの西岸をひたすら自転車で走る。今日の目標はロッテルダム到着を目論んでいるのだが、海沿いの道は風が強い。追い風だからまだいいけれども。
 それでもオランダは実に自転車を走らせるのによい国である。どこに国も自転車でいけるように車道と自転車道が整備されているので車にはねられる心配をしなくてもイイからだ。
 それにカードレールというものがないし、電線も電信棒もない。だから景色がとてもよいのである。
 水戸黄門さまがいつも土手の上を歩いているのは送電線が映らないようにする為だという事を御存知だろうか?
 さて、オランダにもパブがあってお昼はパブ飯を頂いた。
 地方のパブは大抵美味しいと決まっているので安心して店に入れる。
 今回もオランダの小さな村にあるパブに飛び込んだのだが、もちろんウマかった。チキンとバゲット、チップスとサラダなんだけれども盛り付けも綺麗だし、ソースも美味しい。自分がロンドンのパブで作っていたイイカゲンかlつボッタクリ価格のジャンクフードが恥ずかしい。



ランチの後も自転車をこぎ続けてロッテルダム近くの街で宿を探す。ところが街の観光案内所は午後五時を過ぎてしまい閉館。案内マップに載っているホテルは閑散期なのかやっていない。この街にはひょっとしてホテルが無いのかと焦るが、こんな時は地元の人に聞くのが一番。直ぐ側にあったカフェでお茶をして気を静めてからカフェの人に「ホテルはこのへんにないか」と訪ねると直ぐ近くに「安宿があるからそこを訪ねてみれば」と有り難い情報。
決してうまい英語ではなかったけれども、こういう時に「ああぁ英語を勉強してきてヨカッタ!」と感じる。

写真上がそれである。下はギリシャ料理のレストラン。上階が宿になっている一般的な安宿形式である。
レストランのオヤジに訪ねてみると英語もバッチリ通じる上に35ユーロで朝飯つきとなかなか安い値段。
 ところが部屋に入ってみるとベッドの上には枕と毛布が1枚あるのみ。ヒーターは生温くとても寒くて一晩越せそうもない。そこでオヤジに「毛布をもう一つ貸してくれ」と頼むと快く応じてくれた。

 太陽はもうそろそろ沈みそうだが、イギリス行きの船が直ぐ近くの港から出ているので、時刻表をチェックしに行く。なにしろイギリス脱出の時には希望の船に乗れなかった経験があるからだ。
 宿のある街からは自転車で行くにはちょっと時間がかかりそうなので電車で行く事に。
 ところが切符販売機は全部オランダ語で読めん。駅名はわかるのだがどれが片道で往復切符なのか。そして子供料金なのかさっぱり検討つかない。ポチっとなと適当にボタンを押してみるとたかが2駅の距離なのに\300もするぞい。まぁ、よくワカランのでそれを買っておく。

 電車に乗って港に着き、早速フェリーの事務所に行くと「おぉ全部英語で書いてあるゥ!」とちょっと安心。
 しかし、明日の船は午前7:40と午後3:40の二つしかない。午前のには乗れそうもないので午後の便を予約して宿に戻る。
 折角、宿にギリシャ料理があるのだからとコースを注文する。
 何となくトルコ料理を想わせる内容ではあるが美味しい。スタッフも全員ギリシャ人みたいだし。基本的に肉料理がメインであるが、デザートにグリークヨーグルトを注文すると、これがナカナカにいける。日本ではこういうものは食べられんだろうにな。
 しかしコースとビール2杯、デザートで勘定が20ユーロとちょっと高いのは気のせいか?

3/10 月曜日
今日は自転車を港に預けて、アムステルダムまで電車でトリップ。
オランダの特急は速い上に豪華な列車だ。
ヨーロッパには電車というものがあまりなく、ほとんどがディーゼルカーだが、速度は200km/hに達する高速鉄道である。
 内装も日本の新幹線よりもずっといいシートが備わっているし二階建てで景色もよい。

 ロッテルダムからアムステルダムへは1.5時間程であっただろうか。アムステルダムの駅は東京駅のモデルにもなった有名な駅である。写真のように赤レンガでできている辺りは確かに東京駅を想わせるものがある。
 アムステルダムに着いたのが昼時でちょっと腹も空いたからと中華街に行ってみる。が、これが間違いの元であった。
アムステルダムのチャイナタウンには様々な国のレストランがある。ロンドンのSOHOに似ているな。
しかし、そこらに歩いているのはどうみても金の無さそうな黒人と中近東系の連中でかなり薄気味悪い。一般車がこの通りには入り込もうならみんなでよってたかって何だか言っている。
 オランダではマリファナを吸っても犯罪ではないのでそのせいかとも思ったがそうでもなさそう。中華料理店はまだ開店時間ではないようで、どこも閉っている。その代わりにsexショップはどこもこの時間から開いていて、窓越しに恐竜みたいな女が「こっちよ〜ん。」といった目で訴えている。「おぇ゛〜」である。醜い塊を見てしまったようで気分はサイテー。
 こんな時はビールでも飲んで飯を食うのが一番と唯一やっていた中華料理店にからがらで飛び込む。
 たかがメニューはどれも高価でラーメンなのに\800もした。さらにアルコールは一切置いていないという「お前、本当に商売する気あるのかよ?!」と言いたくなるような馬鹿げた店。
 それでも腹が空いている事には換えられないので、もりもりとラーメンを平らげ、店を出てバーにビールを求めて流れ込む。
 ちょうどバーは英語が通じる店ではあったのだが、しばらく飲んでいるとオジサンが隣にやってきていろいろと話し掛けてきた。最初の内はどこから来たのとかそんな当たり前の会話だったのだが、そのうちにオジサンはワタクシの内股を触ってきたり、抱き着いてきたりしてキスをして来るのである。
「おぇ゛ぇ゛〜」と突き放そうとすると耳もとで「I love you!」本気で迫ってきたのである。
 こりには流石に「うげげぇ゛〜」と共に「ここから逃げないととんでもない事になる」と悟り逃げようとするワタクシを離さないその男に「オレはフェリーに乗らなければならないから」と適当に言い放つ。が、男はちょっと待てといって住所を記したメモを渡して「日本に帰ったら手紙をくれよ」とまだ離さない。あうぅ・・
 何とか店を抜け出してほうほうのていで駅に辿り着き電車に飛び乗ったところでようやく一安心。うーん、アムステルダムはケムリとホモセクシャルはフリーだと予々聞いていたがこれほどだったとは思わなんだ。

 さて、何とかアムステルダムを脱出してフェリーに乗り込む。オランダからイギリスまでは高速艇で3時間。以前にもベルギーからイギリスに戻った時乗り込んだ船と同じタイプである。

 船体がアルミでできている高価な船だが、それに相応しくカジノやバー、レストランも当然備わっているが、貧乏人の私にはあんまり縁が無い。それでもどこかのテーブルでビールでも飲んでウダウダするが、どこのテーブルにも写真の様な液晶モニターが据え付けてある。

 中身はパソコンが入っているみたいで、各々がLANで接続されていて専用のバウンチャーを購入してこのオモチャが利用出来るようになるらしいが、生憎貧乏なので見るだけである。
 もっともパソコンカジノができる程度だから、どうせイカサマの天才であるコンピュータにはどうあがいても勝てない事は十分知っているので、こういうのには手を出さないのが賢明である。

 ビール飲んで昼寝してたらあっという間にイギリスに到着。この船にはチャリダーはワタクシを含めて3人いた。一人の女の娘はロンドンに帰ると言う事なので一緒にロンドン行きの電車をつかまえる事にする。
 港から駅までは本当にすぐでうまい事に電車が待っていた。「おぉこれはゴールデンラッキー!」と二人して意気揚々と自転車共々乗り込むが、よく見ると一等車である。まぁ、チケットを持っていないけれども巡回する車掌さんから直接2等席のチケットを買えばイイやと思うが、よくよく考えてみたらイギリス通貨£を殆ど持っていないのである。ありゃぁ しまった。そのうちに車掌さんがやってきて切符をクレジットカードで買えるかと訪ねれば、「大丈夫だヨン」との有り難い話。さらに「その辺に座っていてよ」と言う事で一等席にうまい事座れた。

 電車は物凄いスピードで走る。およそ200km/h程であろうか?一緒に乗り込んだイギリス人の彼女も「イギリスの特急列車は速い事で有名だからねぇ」と言うがどう考えても尋常の揺れ方ではない。なにしろシートから落ちそうになる程に電車は揺れるのである。
 それにしても電車はどこの駅にも停まる様子なく、ビュンビュンと走り続ける。この時に始めて一抹の予感が漂った。「この電車はロンドン行きの直通列車で1等車しか繋いでいないんじゃないのか?」ということだ。つまりそれだけ高価な切符を買わされると言う事でもある。
 心配してもこのままロンドンに着くのを待つだけなので、彼女とヨーロッパ旅行の話で盛り上がる。彼女もチャリダーだが、かつてはスペインに行ったり、ライン川をさかのぼってイタリアまで行ってみたりと中々の勇者である事が判明。
 いろいろと話していつの間にかにロンドンに入りすっかり忘れていた車掌が律儀にやってきて「切符はカードで支払うんだね。この電車は一等車しかないので£35(\7,000)だね」と信じられない値段をニコニコと伝えてくれた。
 仕方なしに払うが電車賃がこんなにするとは思わなんだ。二人して仰天しながら、ロンドン・リバプールストリート駅に着いてそれぞれの行き場所に別れた。

 
3/12 水曜日
 実は昨日までフランスのパリに行くか自転車の故郷であるイギリスのブラッドフォードを訪れるか迷っていたのだが、結局のところお金がかからなそうなブラッドフォードにデイトリップを行う事にする。
 今回は輪行ではあるが自転車をコイでかの地に行くのではなく、電車に自転車を積んで目的地で自転車を乗り回すというラクチンな手段に切り替えた。
 取り敢えず昨日の内にインターネットで時刻は調べてあったので今朝はそれに合わせてロンドン・ウォータールー駅でチケットを購入。自転車を持ち込むとなると窓口で自転車を電車に積み込む予約をしないといけない。
 窓口の人はイギリスにしては珍しくエンスージャスティックな職員であれこれと御丁寧に手配してくれるだけでなく、行帰りの時刻や駅名をプリントして渡してくれた。おお親切な御仁もいるものかと関心。

 さて、列車でロンドンから2時間程でイングランド西部のブラッドフォードに到着。
 あっ、ここに行くにも電車ではなくディーゼルカーである。途中で乗り換えをしたら、一両編成のディーゼルカーで自転車を乗せる手配をして正解であったと気付く。
 さて、ブラッドフォード駅は本当に小さい。

石造りの駅舎がイイ味を出していますね。

さて、ここの地にはワタクシの乗る自転車「アレックス・モールトン」の工場があるんですね。つまり35年前にその工場から出荷された自転車を日本人のワタクシが今日乗って里帰りを果たすという訳でありんす。
 その工場は駅からさ程に遠くない所にあったのだが、なんせ坂はきつい。私の自転車はローギアが壊れているからセカンドで坂を登る。が、それもある程度で限界が来てしまい結局手で押すハメに。こんな地で本当に自転車を作って走り回ったのかと疑問である。

さて写真上がその工場である。看板には「アレックスモールトンの工場よん」と書かれているが、実際には違う会社に貸しているらしい。中に入るには許可がいるのが、当たり前だが許可証は持っていないから「見るだけェ〜」である。
 何でもモールトン博士(ちなみに女王陛下から”サー”の称号を与る人物である)は城に住んでいるというが、外からはさっぱりそれらしい建物は見えない。

 まぁ、折角里帰りをしたのだからと敷地の周りをぐるっとまわってみると隣にはエイヴォンという会社があるではないか!エイヴォンといえば車好きなら知っている有名なタイヤメーカーである。

 こんなひっそりとした街にオフィスを構えているなんて知らなかった。もっとも外からみてもフォーミュラカー等が展示してある訳でもなく、ごくフツーの建物であった。

3/13 木曜日
 今日はイギリス人のクリフとニュージランド人のルイージとワタクシの三人で、ロンドンから車で2時間程の人工スキー場に遊びに行く。  日本のザウスも閉館したらしいですね。私は以前にサラリーマンをしていた時には仕事後に滑りにいったものですがそれも出来なくなるかと思うと残念。  さて、人工スキー場だからたいして大きくはない。価格は1時間\3,200とちょっと高価。でもボードとブーツのレンタル費用も入っているので、まぁそんなものでしょう。
 写真でみると大きそうなゲレンデだが、全長は2〜300m位なのであっという間に滑り終えてしまう。コースは3つあるけれども、斜度はさして変わらずといった感じ。 ルイージはあんまりボードは出来ないといっていた割には頑張って滑っていた。
この日は2時間程滑ってオシマイ。まぁあんまり長く滑って楽しい所でもないので、ちょうどよし。でも練習にはもってこいコースだと思います。
3/14 金曜日
 今日は運送屋が荷物を引き取りに来るので、梱包を朝から行う。  当然だが自転車も発送するので、最後にイギリスでの記念写真を撮っておく。
 自転車は運送屋が引き取りに来てくれたのだが、もう一つの箱は大和にもって行ってもらおうかと思ったのだが、諸事情に寄り代理店であるロンドンの三越に直接持ち込み。でも、その箱が20kgはあるモノなのでさすがに電車でもって行くという事が出来ずにMini Cab(安タクシー)を呼ぶ。
 それだけ\3,000なのだが、更に発送しようとしたものが「重量超過」ということで\16,000程の発送料がかかり大出費。。。

 全く関係ないけれども、これらはウチの家の鍵である。こんなんでいいのかといった感じであるが、まだまだポピュラーな鍵の形状ではある。

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