2/15 土曜日
 今日はロンドンのセントラルで大規模な反戦デモがあった。
 今までで最大規模のデモだったそうだが、そんなのに参加したらもみくちゃにされるだけなのでテレビで眺めるだけ。フラットメイトはそれに参加したというから大したものである。
 もっともワタクシの働く店はデモの通り道になるからデモ行進が行われる度に店が滅茶苦茶になる。
 今日は午後6時からの仕事だったのだが、私が店に行った頃にはさすがにデモが終わっていたが、嵐が去った後にような感じで道路はゴミだらけ、店のトイレは荒れていて大変だった様子。
 反戦デモをしてもイギリスはイラクに攻撃をかけるみたいだしね。。。


 イギリスのヤカンといえばこれである。もちろん電気薬缶である。
 日本のようにガスで熱して水を温めるなどといったクソ効率の悪い道具はこの国にはない。
 その代わりにポットがないのだが、このヤカンは必要な分量の水をあっという間にお湯にしてくれるから別にポットがなくても問題なし。ポットは時間が経つと冷めるしね。
 ヒーターは何と3000wもあるので強力無比!(イギリスはAC200Vである)
 日本に持ち帰りたい道具の一つではある。

2/16 日曜日
 今日は随分と仕事がいそがしくびっくり。アシスタントのアサミちゃんに午後5時で終わりなのにオーダーストップまで付き合わせてしまったので、仕事が終わった後にバーで一杯やろうと行ってみると・・・
 この界隈で有名な「しつこい日本人女性」を発見。
 幸運な事に向うには気付かれなかったのでさっさと店を出て隣のパブに逃げ込む。
 あの人に捕まるとなかなか離してくれない上に、話が面倒だ。バーマンもワタクシが察した事を気付いたか苦笑いしていた。
 
2/20 木曜日
 アシスタントのアサミちゃんはいよいよ「アイスホリック」すなわちアイスクリーム中毒になってしまったようだ。
 アイスクリームの入れ物を抱えてきて、アイスクリームをすくう専用のスプーンでそのまま食べている。大好きなチョコレートアイスをだ。もう止まらない。誰にも止められない。


2/18 火曜日
 ワタクシが二月一杯でパブの仕事を辞めるので代わりの人が必要というわけで、うちのフラットメイトのミギャンはどうかという話をマネージャーにしたら取り敢えず呼んでこいということで今週末には面接をする事になりそう。
 マネージャーのマイクに人を選ばせるとどうしようもない事になるので、人選はワタクシの周囲で信用のおけてよく働く可愛い女の娘をワタクシが選ぶ事になっているのである。
 まぁ、面接をしてみないと何とも言えないのだけれどもね。マネージャーの面接はいつから、何時から働けるのか? 名前は?以上って感じだから何事にも適当なイングリッシュの性格がよく出ているとは思う。

2/20 木曜日
 昨晩は早く寝て、今日は5時に起きて6時には自転車でバーミンガムに向う。
 何でバーミンガムなのかというと、ロンドンには運河があるのだが、この運河を辿って行くと終点にはバーミンガムという都市があるという事を以前に知って「よし、それならば運河沿いに行ってみようではないか」と考えていたのだ。

 そんな訳で朝っぱらから自転車をギコギコこいで自宅から運河に向う。

 ここは以前に従姉妹のJ子と一緒に住んでいたリトルベニスと称される辺りである。いまも大して変わらないが懐かしさを感じる。

 運河沿いにはコンクリート敷の歩道があるのだが、ロンドンの外れまで来たらコンクリート敷からタダの土になってしまった。当初はずっとコンクリート敷の自転車で走りやすい道だとばかり考えていたのだが、ちょっと甘かった。いくらに自分の自転車が前後にサスペンションを持っていてもマウンテンバイクではないからダートをそんなに長い時間走れる訳がない。自宅から走り始めて1時間で早くも運河沿いには走行不可能である事が判明した訳だ。
 しかも川沿いに走るのを諦めた頃に泥道でどういうわけだか犬のウンコを足で踏んづけてしまった。最初は泥かと思ったが、いつまで経ってもウンコ色の泥なのでゲンナリ。しかもペダルやジーンズの裾にまでクソまみれ。
 くそったれ!と唸ってもクソまみれなのは自分なのだ。情けない事、この上ない。


 さて、ある程度は予想されていた事なのだが、一般道を走る事に変更。それでも運河沿いの道路を選んでみた。
 ロンドンの環状線M25の外側に出れば随分とのんびりした景色になる。

 写真は運河沿いにあるパブだ。もちろん船上生活者が立ち寄れるようになっている辺りは優雅である。
 ちなみに船上生活者は決して貧乏ではない。船の中にトイレもシャワーもベッドもキッチンもついている。小さいながらも立派な家であり、犬も飼っていたりするのだ。薪を割って暖をとる等と日本人から考えれば実に優雅な生活である。サラリーマンには到底出来ない事である。

もちろん運河には無数の船上生活者と船が存在する訳だから、その為の補給基地も当然ある。
 写真は運河の側にあるガソリンスタンドで燃料をだけではなく水もくめるようにサービスされている。船上生活は規律がきっちり守られていてゴミを捨てる場所、水をくむ場所、停泊してよい場所が細かく定められている。

 運河を辿って行くと幾度となく写真のような光景を見る。

 これは水位の差を吸収する水門だ。これらは全て手動式。船上生活者達が手でえっちらほっちらと門を開け閉めして川をのぼって下るんだからスゴい。その水門の数も半端ではないから大変である。

 さて、この日も午後になると自転車をこぐのもいい加減にイヤになってくる。イギリスは丘ばかりの国だから坂道を延々と登ばかりである。下りは一瞬だから覚えていない・・
 下の写真のようにびよーんと道が続いていると「このままどこにも辿り着かないのではないか」と心配になる。



 一日目ではバーミンガムまで到達出来ないのでどこかで一泊するわけだがこの日はノッティンガムというという町で一泊することにした。イギリスの町の中心地には必ずツーリストインフォメーションがあるのだが、そこの到着したのが17:15。すでに窓口は閉っている。あぼーん!
 そこで町の中で見つけたホテルで一泊する事を決意。パブの上階がアコモデーションになっている一般的なスタイルの宿。
 当然に食事はなくて一泊\5,000。高いけれども仕方なし。本当はB&B(朝食つきの安宿)に泊まりたかったのだけれども・・ 見つからなかった。


2/21 金曜日
 朝になってチェックアウトをして自転車に荷物を積もうとすると・・・ 後輪がパンクしている。なにぃ〜と唸っても仕方なし。駄目もとで空気を入れてみたら膨らみ始めた・・・が空気入れの調子が悪く空気圧が思うように上がらない。
 ここに来て空気入れにまで見放されたかと思ったが、この程度では諦めない。空気入れをバラしてみるとピストンのオイルが無くなってカサカサに乾燥している。これでは空気を圧縮出来ないわけだ。残念な事にオイルを持ち合わせていない。。
 唸るより仕方ないが、まだまだ諦めない。唾でもつけてみるが今一つ。そこで持ち合わせの飲み水をオイルの代わりに使ったら巧い事に圧力がかかった。大成功!!
 でも、よい子の皆さんはこういう事はしないで下さいね。圧縮空気に水分が混じるとタイヤが温度上昇したときに圧力が異常に上がってしまいますので。

 30分程のロスはしたがノロノロと出発する事はできたわけだ。
が、イギリスの中部は本当に霧がスゴい。1時間も走るとすっかり霧の中を走っている事に気付く。

 上の写真のように200m先はよく分らない状況である。自転車のライトをつけないとトラックにはねられかねない。
 霧の中で走っているとどこまでこの丘の登りが続くのか分らないからストレスも溜まる。
 おまけに後輪の空気がやっぱり抜けて来る。一時間おきに空気を入れ増すが、少しずつ減るのが早くなる。こんな田舎に自転車屋はないしどうしよう。。
 丘ばかりで疲れるし、空気は減るし、もんもんと走って小さな町に入るとうまい事に自転車屋を発見。やっぱり運はついていたんだと神様に感謝。日頃の行いがイイのかな。
 自転車屋に事情を説明して修理している間に隣の定食屋で昼飯をとる。

 ローストビーフがいいなと言ったらそれはないからということでローストポークで我慢。コーヒーつきで£4とワタクシの働くパブに比べたら実に親切価格だ。うちの店なら倍の値段なのだが、出てきたローストポークは予想に反して質素なものだ。イギリスだからこんなものかな。


 写真はイギリスのどこにでもありそうな光景。運河の隣に城が今でも顕在する。

 昼飯を食べ終えて1時。3時くらいにはバーミンガムに着くかなという予想で走り続けるとだんだん町並みが増えてきて都会に出てきたという実感がゴールまじかを知らせる。

 3時ちょっと過ぎにはバーミンガムの駅まで辿り着き、さて運河の終点はどこかいな?と駅にある地図を見ると運河は町の中で消えてしまっている。なにぃ... 取り敢えず探しに行ってみた結果がコレだ。

 マッタクのドブ川である。工場地帯の中で消えてしまうのだがコレは運河ではなかろうに。
 ちょっとがっかりだが、気を取り直して何か喰うかと思いイギリス名物フィッシュ&チップスの店に取り敢えずアタック。イギリスには地方の特産がないからどこに行ってもこれなのね。
 食べた感想は「まぁロンドンのとな〜んにも変わらない」といったところ。町の中もちょっとだけうろついてみたがロンドンにある店がそのままあるから何にも変わらない。


 さて、駅でロンドン行きの切符を\3,000程で購入して、ホームに自転車ごと乗り込むが客車には自転車を積めるようなスペースはない。切符を買う時に自転車の事は確認しているのだが、はて? まさか自転車をもって立っていろと?
 駅員に訪ねると「先頭車両に貨物室があるからそこを使ってくれ」とのこと。
 その貨物室にはうまい事に自転車を積載する為のバーがついていた。そこに自転車を括りつけてバッチシ!もちろんこんなのを利用する客はワタクシだけだが。

 今回はヴァージントレインでの帰路なのだが、ヴァージンって電車も運行していたのですね。飛行機のスチュワーデスとよく似た制服を着たアシスタントが一等車両にはいるのだが、私のような貧乏人には2等の普通車両しか乗れなんだ。
 それでもシートは日本の新幹線以上に広いし、テーブルもついているからビールも飲める。電車が出発して「パシュッ」とビールを開けて飲みはじめるが、周囲の人は誰もアルコールを飲んでいない。イギリス人は電車でビールを飲まないのであろうか?

 うとうととする事2時間でロンドンに到着。自転車で2日間もかかる距離は電車でこの時間なんだからたいしたものだ。

 自転車を引き取りに貨物車両に行く。が、自転車をホームに降ろしたその時に、
また、パンクしている・・・
 数時間前に治したばっかりじゃないか!とはのたまうがパンクの理由は分らない。取り敢えず駅を出て空気を入れてみるが全くタイヤが膨らまない。夜7時では自転車屋もやっていないしどうやって帰ろうか?
 バスや地下鉄にはここからは自転車持ち込めないし、タクシーで帰ると馬鹿高いし・・・ 悩んだ末に押して帰る事を決意。ロンドン・ユーストンから自宅まで1時間半も自転車を押して帰ったらさすがにヘロヘロ。最後の最後でコレはないだろうに。

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