トラ技2009年6月号 簡単便利な100Hz~10kHz正弦波発振器
今月号は方形波発振器と正弦波発振器の二つが製作コーナーに紹介されている。
そこで前回は方形波発振器を製作したが、今回は正弦波発振器を作ってみたいと思う。
ちなみに作者は電子回路設計者ではあるがアナログ回路は素人であり、本文に書かれている内容はあくまでも私見である。
これを読んで「ウソをつくな」とおっしゃられてもワタクシは責任をもてません。
さて、今回の仕様は以下の通りである。
目標仕様
発振周波数:100Hz~10kHz
最大出力レベル:2Vrms
全高調波ひずみ率:1%以下
だそうである。(だって他人の回路図だものな)
ブリッジドT型発振回路により正弦波を起こすものである。
このブリッジドT型発振回路は有名なウィーンブリッジ型よりもひずみが小さいことが特徴である。
こまかい動作についてはトラ技を購入して読んで頂きたい。あんまりここに書きすぎるとCQ出版社に怒られそうですからね。
部品について
抵抗はR1~R6までは金皮の1%抵抗を使うようにしましょう。
C1~C8まではフィルムコンデンサを使用します。
あとは一般的な部品かな。トラ技と違うのは電池駆動ではなく、直接DC9Vを供給させていること。
さらにオペアンプはOPA2134に代わってJRCのNJM073を使用しています。
ほとんどの部品は秋葉原のラジオデパートで購入しました。
注意しないといけないのはVR2の20kΩ可変抵抗です。あとで詳しく解説しますが。この抵抗器のよしあしで正弦波の歪が変わってきます。
とりあえず実装。
半田付けに慣れている人なら半日で完成します。
動作確認はやっぱりオシロスコープがほしいです。なくてもできるようなことをトラ技には書いてありますが、それだけでは素人にはニントモカントモ。windowsパソコンでもオーディオ入力を用いてオシロスコープにできるようなっていますから、道具を活用して自分の目で確認してみましょう。
ワタクシは会社のオシロで確認してみました。すると・・
波形が歪んだり出力が止まってしまったりした。
トラ技にはVR2の2連可変抵抗器の素子間のばらつきが大きいと発振が止まったりすると書いてあります。
ふんふん。確かにそのギャング誤差という素子間の抵抗値の誤差を気にして少しだけ高価な可変抵抗器(500円)を購入したのだがだめなのかな。
ここでいう「いい抵抗器」は秋葉原で約2,000円ほどで売っていた。2,000円ですか?! そこまで金額をかけてまでこの回路に付き合ってはいられないので、もう少しマシそうな抵抗器を探しましたとも。
最初に購入したのはどこの馬の骨ともわからないノーブランド品であった。そこで今度はアルプス電気の可変抵抗器を購入してみたのだよ。(ラジオデパート3階の門田無線ね)
お値段250円ほどですがその性能はどうかというと・・
ノーブランドの20kΩとアルプスの10kΩ可変抵抗器。
それぞれ回転させて2kΩ毎にそれぞれの抵抗値を測定してみました。
抵抗値が低いうちは2連の抵抗器の素子間にそれほど差は見られませんが、
抵抗値をあげていくとバラつきが大きくなります。
とくにノーブランドの20kΩ品は20kΩ近くになると500Ω位の差が出てしまいます。
これが発振停止やひずみの原因なのかもしれません。
そこでアルプスの10kΩ品を実装して発振させてみました。
SW3によるLow bandとHigh bandのそれぞれの値域は次のようになりました。
Low band:160Hz~1.64kHz
High band:1.524kHz~15.24kHz
問題のひずみはどうなのかというと
周波数が低いときには波形の下側部分がクリップしかけています。
逆に周波数が高いときにはきれいにサイン波を描いています。
たしかに抵抗値が低いときに高い周波数が出力され、抵抗値が高いときには低い周波数が出力されます。
先ほどのグラフからも抵抗値が高くなると素子間の抵抗値に差が出てしまうので、そのあたりがひずみとなって現れてくるのかもしれません。
なら2,000円の抵抗器を購入するか?という意見もあるかと思いますが、そこまではやりません。
ワタクシが使うレベルならこれで十分ですな。
また周波数を変更すると波形にひずみがでる場合もあるので、周波数を変更するときには波形をオシロで確認し、ゲインを変える必要があります。
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