Tesla Model3を試乗したらMacintoshに触れた衝撃に似ていたハナシ


 おはこんばんちは。

 ワタクシのジムカーナ車両であるルノー・スカイラインの修理が終わった。
 無事に五体満足で路上復帰できるようになったワケだ。
 ちょっと移動するため、ガソリンスタンドで1000円投入しても5L程度しか入らなかった。
 わかってはいたが、ガソリンが高価なのだ。
 毎回、この調子でハイオクを入れるのはどうかな?
 と漠然と思っていると、職場付近でテスラをよく見かける。
 ちょっとあれ見てみるかな・・・ ということで、試乗予約してみた。


テスラストア

 テスラの試乗予約はインターネット上から「ポチッとな」するだけだ。
 横浜の自宅から近い戸塚のテスラは整備するところで、試乗は川崎ラゾーナまで来いとなった。

 川崎ラゾーナは東芝工場の跡地を再開発した複合商業施設。川崎駅直結施設なため、休日ともなるとスゴい人出となるので、あまり近づかない。

 テスラ1
 店構えから自動車とは思えない。隣はカルバンクラインだし。
 ちなみにここで車を販売しているわけではない。
 車を見せる。説明する。広く知ってもらうことが目的だ。
 試乗と充電は地下駐車場でだ。

 テスラ2
 テスラの斜向かいアップルストア。テスラはアップルストアを目指したという。
 見て触って体験してもらうことが何より。
 テスラはインターネットのweb siteで販売するので、ここで購入するわけではない。
 店内にはiMacが置いてあり、そこで購入手順や説明してくれる。試乗のため車両の説明もビデオを視聴するだけ。徹底的に人の手を省いている。
 購入したら納車はどうするのか?なんとこの辺りだと有明まで取りに行くんだそうだ。電車で行ける場所だからイイんだけれど。


モデル3の価格

 テスラはディーラーが存在せず直販形式を取っている。そのため、車両価格は時価である。2022年8月7日で約600万円。補助金適用すると540万円となる。
 いきなりこの金額を払うのではなく、最初にweb siteからカードで予約金1.5万円を支払う。ここで最高価格が決定される。為替レート変動等で安くなればラッキー。
 テスラの価格変動要因は、為替レート。それと、アルミ市場価格も大きい。というのも車両を少しでも軽く作るため、各部にアルミを使用している。
 あとは納車近くなると、残金を支払う仕組み。払わない場合、予約金1.5万円が返ってこないだけ。
 自動車取得税などは普通にかかる。その辺まで詳しく書いていないのでトータル金額が見えずこわい。
 家庭用充電ケーブルは8万円。工事費は20万円前後。
 集合住宅の場合、テスラの充電ポイントが近所にあれば問題ない。ない場合は、国内自動車ディーラや、ショッピングセンタなどの充電器をちょいちょい利用する手もある。

 車両内蔵セルラーは990円/月でネット接続できる。カーナビ、インターネット、ソフトウェアダウンロードなど。充電ポイント取得に必須となるかな。


車両外観

 テスラのボディラインは基本基調が存在する。それは空力を意識した結果の形。なので、リアウィンドグラスが大きく寝ているのが特徴だ。

 テスラ3
 シャーシ下側はフラット。ウェットサンプエンジンのようにオイルパンが見えることもない。排気管がないため、後部座席中央にセンタートンネルもない。

 テスラ4
 アルミホイールなのだが、ホイールカバーがつく。これは整流効果を狙ったもの。
 ちょっとずつでも出来ることをして電費を稼ぐ前向きな姿勢だ。
 エアコンの外気導入は、フロントバンパー下から吸い込む。そのためボンネット上がスッキリしている。

 テスラ5
 充電口はボディ左後ろにハッチがある。ハッチに手を触れただけで、ハッチは開く。専用コネクタになるが、日本の充電器用にチャデモ変換コネクタが別売されているのでOK。
 充電コネクタを外すとハッチは自動で閉じる。

 テスラ6
 ハンドルを据え切りしてもらってフロントタイヤハウス部を撮影した。
 サイドパネルは上下に2本のリブを入れて補強していると思われる。
 フロントはたぶんマクファーソンストラット式。ロアアームはアルミ製。サスアームはボディ側でどのように固定しているか見たことない方式。
 アンダーコートはされていないようだ。

 テスラ7
 ちなみにコーポレートカラーが赤なので、赤の試乗車が多い。カラーバリエーションはシンプルで、白、灰、青、黒、赤である。変な中間色は存在しない。Appleと一緒だ。
 塗装は地域別で配合が異なる。アジア圏と北米では要求が異なるから。といっても、並べることができないので差がわからない。塗料はたぶんドイツのR-M製。日本で発注すると中国工場からやってくる。アジア圏用塗装されているから。


シンプルにして十分な内装


 テスラ8
 ハンドルとタッチパネルがあるだけのダッシュボード。今後の自動車は、多少の違いはあれど、こうなるのではないだろうか。
 タッチパネルはまんまiPadそのもの。操作性も色やアイコンといった画面の作りも。それだけiPadは完成度の高いものかな。
 エアコンの吹き出し口はダッシュボード上の横幅いっぱいに広がる。吹き出し強さ、向きもタッチパネルでで操作する。
 手持ちのスマホがキーになるので、走る前から遠隔操作でエアコンONすることができる。この機能により、充電ケーブル接続状態時にバッテリを消耗させず、室内を適した温度に調整することができるため、人が乗り込んでからエアコン動作させるのに比べずっと電費を稼ぐことができる。
 ダッシュボードにあったものは、全てタッチパネルに収まっている。電動シートの操作レバーは、シート座面ドア側にある。これは普通なので戸惑わない。
 室内側ドアレバーは存在せず、ドア内側のスイッチを押すとドアが少しだけ開く。

 テスラ9
 ハンドル左右にある丸いボタンのようなホイールコントローラーでいろいろ操作できる。試してみたのはサイドミラーとハンドル。ハンドルのチルト調整は、ホイールコントローラーをくるくる回すだけ。リニアに変化するので気持ち悪いくらい。これ、作った人、相当こだわったはず。
 
 スマホを前席アームレスト付近に翳すと車両がONになる。
 スマホがなくても専用カードがあれば、それでもOK。
 スマホは最大5台まで登録できるので、家族で車を使い回すのに鍵はどこにいった?などということもないだろう。  スマホで走るようになったため、盗難が難しくなった。日本国内で言えば、テスラは1台も盗難されていない。北米でもガラスを割られたという話くらいはあるそうだ。
 かっぱらってもGPSとセルラー通信があるのでどこをどう走ったか位置特定されてしまう。室外カメラで近接した人物を録画してしまうし、室内カメラもあるため、誰が運転したかもバレる。

 また、スマホがないと駐車ブレーキを解除できないとタイヤを転がせないため、運ぶのは困難だ。逆に言えば、何らかの故障で電源ONできないと、車を移動することもままならない。これは電気車の宿命だ。  駐車ブレーキの仕組みがわからなかったが、駐車ブレーキをかけてもモーター音を聞くことはできなかった。もしかしたらインボード式なのかもしれない。

 テスラ10
 ルームミラーは小さめ。防眩処理されているので、レバーも付かないサッパリしたフォルム。枠がキラキラしていてちょっとかっこいい。タッチパネル上にも両サイドや後方の様子が映される。
 
 そんなわけで見た目は大変シンプル。
 リアラゲッジルームは奥行き深い。ランフラットタイヤでもなく、スペアタイヤも積んでいないため、深さもたっぷりある。パンク修理材は付属しない。
 フロントボンネットにもトランクがある。日本人は几帳面で、前向き駐車するから、前にトランクあると便利だそうな。フロントトランクはプラスチック剥き出し。日本車ならカーペットで覆うはずだ。


十分すぎるからこそ、ゆっくり走る

 テスラを走らせてみると、至って普通の電気車。後輪駆動モデルを試乗したが、後輪駆動特有の軽快なハンドリングをほとんど感じさせない。車重1.9tだそうで、安定感は抜群。
 オートマでいうクリープありと、日産のワンペダルと同じクリープなしを選択できる。クリープなしで走ったが、ブレーキペダルを踏んだのは人が飛び出してきた際に一回だけ。通常は右足だけで加速と制動できる。停車位置決めもアクセルペダルでOK。
 アクセル回生でブレーキランプがちゃんと点灯するので心配ご無用。
 坂道発進する機会がなかったが、坂道ではモータトルクでずり下がり防止しているという。寸動させてもバックラッシュやドライブシャフトの捻りによる機械的遅延がないため、ゆらゆらしない。

 あふれんばかりのパワーなので、アクセルOFF回生からの再力行は自然でありながら十分すぎる力強さ。
 低速走行時、歩行者向けサウンドはバックした時のみ発する。これはアメリカで自転車と歩行者が対等な関係にあるためだからだそうな。
 低速時も普通走行時も励磁音が聞こえない。搬送波は可聴領域の上の方、16kHz以上なのだろうか。日産サクラも聞こえなかったっけ。
 航続距離は実力値で350kmほど。空気抵抗は速度の2乗で効いてくるので、ゆっくり走った方が電費は当然よく、航続距離も伸びる。

 自動運転は試さなかったが、担当アドバイザが所有するテスラ3は、至って普通に自動走行できるという。

 テスラ11
 自動運転の目となる画像検出結果をタッチパネル上には検出したものを表示してくれる。
 車線、停止線、信号機、歩行者などを判別している。カメラはフロントに3つ備わっている。それらしくサラっとやっているが、コンピュータ資源をかなり使わないと実現難しいはず。

 高速道路での渋滞時は、もっとも自動運転とて完璧ではないのはわかっている。それでも、高速道路の渋滞で運転の大部分を肩代わりしてもらえるのは超魅力的だ。


冷暖房

 電気車の課題は冬にある。エンジンのような大きな熱源を持たない電気車にとって暖房は苦手。テスラはヒートポンプ式エアコンなの夏場は普通に涼しい。冬は寒いのわかっているので、全席に独立制御のシートヒーターが仕込まれている。
 前述したが、充電プラグ刺した状態なら電池を減らさずに走行開始前に暖房でぬくぬくにできるのでそれほど寒くないかもしれない。でも、電気食うわけだから、エコかどうかは微妙。


バッテリ

 電気車の肝は電池だ。電池の劣化状態を表すSOH(State Of Helth)でその車の価値が決まるようなものだからだ。
 電池の寿命は、電流、温度、放電深度の3要素が大きく左右する。
 電流は、大電流による充放電は電池に厳しい。つまり、急加速と急速充電は電池の寿命を縮める。
 温度は、0〜40℃の範囲を越える温度域で充放電すると寿命を縮める。スマホも高温下ではオーバーヒートで動作できませんという表示するし、零下では電圧降下するため、ますます電流を流すもんでプツンと消えるアレだ。
 放電深度とは、充電率で0%もしくは100%に近い充電率のままでいると電池寿命が縮まる。ノートPCにACアダプタを挿しっぱなしにして使っていると、いつのまにか電池動作時間がわずかになってしまうアレだ。
 つまり、急加速や急速充電せず、過ごしやすい温度環境で、中途半端な充電率で使用すると電池寿命を延ばすことができる。すなわち下取り価格が上がるわけだ。
 まだ、SOHの概念が一般的ではないし、自動車業界は電気アレルギーの方が多いから認知されるのに少し時間を要するかもしれない。
 ただ、電気車を中古、更には自宅の補助電源用に電池の三次利用が進んでくれば、それなりに意識するようになるかと思う。
 生まれてきた電気車はドライバーを選べないため、電池寿命を延ばせるようBMS(バッテリマネジメントシステム)により、延命させている。
 テスラもここは大変チカラを入れている。スマホもApple製は3年以上使用できるのに、下手なAndroid系は1年も使うとアレ?ってなる。あれは電池をどんだけ研究して、それに合わせた充放電制御できるかの差だったりする。
 テスラの場合、低速充電となる自宅充電で4年使用した場合、SOC=93%という。(新品が100%)
 急速充電ばかり使用してもSOC=82%だそうな。
 もちろん、乗り方や周囲温度もあるから、一つの例でしかない。しかし、これは興味深い数字だ。これとは別に、約10年前に発売された2013年製のテスラモデルSがまだ走っている。予想より長寿命なのかもしれない。
 テスラといえばパナソニックが電池供給したことで有名だが、今回試乗したモデル3はパナソニック製ではないという。
リン酸鉄系という話を聞くので中国のCATL製ではなかろうか。
 
 充電はできるだけ低電流にすると電池を長持ちさせられる。テスラは次に車を使う時間に合わせて充電電流を制御する仕掛けがある。家庭で充電する場合は、充電電流が小さいのであまり意味をなさないかもしれないけれど。


ソフトウェアな自動車

 テスラはこれまでの自動車に比べ、桁違いにソフトウェア制御されている。
 自動運転はその筆頭とも言えるが、テスラの自動運転はよくできていた。
 フロントガラスに3つのカメラがあり、映像で状況を取得している。LiDERではないので、霧といった状況では識別が困難なのはしかたなし。
 混雑した川崎駅周辺の交通状況を認識していた。ただし、現在の日本の制度では、なかなかテスラの自動運転能力を発揮できていないという。
 自動運転すると寝落ちしてしまいそうだが、室内側にもカメラがあるため、居眠り運転を検出できる。
 自動運転の一番怖いところは、自動から手動への切り替えだ。
 これは過去の経験だが、とある自動運転実証試験同乗走行で自動運転から手動運転に切り替えた際に、ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えられた。
 人間は咄嗟に正しくペダルを踏めない場合があることをその際に認識した。自動運転中に「はいどうぞ」と全権渡されても、そうすんなり運転できるかどうかわからない。こういったことは、今後課題として表面化するかもしれない。

 テスラの車両制御は分散制御されているものの、車内用とは別系統となっている。
 車内用コンピュータはインパネ画面に見える部分が主役となる。
 こちらは、car playに対応しているので、手持ちのスマホを接続するだけで、音楽も車内オーディオで聴くことができる。音質は人により好みがあるだろうけれど、ワタクシは十分満足できるた。
 ちなみにAmazon alexaは内蔵されていないし、今後も予定なし。alexaあると、そもそも音楽聴くのにスマホと連携する必要ないので便利なんだけれどね。その代わり、pod castは標準で連携されていた。
 youtubeも標準で見ることができるので、出先でのyoutube見ながら充電時間を過ごすとあっという間だという。ただし、走行中は見られないそうな。Lineは通話なら使える。
 ソフトウェア自動車なので無料でソフトウェアアップデートも実施される。やっぱりアップデート失敗もあるそうで、その場合は改めてアップデートかければ問題なかったそうな。スマホと同様で、車両を使わない時にアップデートするのが吉だろう。


テスラの車検

 テスラでモデル3(のとある一例)を車検させると総額116,460円となる。
 内訳は以下の通り。
 車検整備基本料金 41,250円
 検査・代行手数料 33,000円
 自賠責保険(24ヶ月) 20,010円
 重量税 20,000円
 印紙代 2,200円
 もちろんテスラ以外で車検すればもっと安価にすむはず。

 電気車には、オイルやベルトの交換が存在しない。タイヤ、ワイパーブレード、ブレーキフルード、エアコンフィルタくらいなもんだ。
 ブレーキパッドは条件にもよるだろう。回生ブレーキだけで済めば、フットブレーキによるブレーキパッド摩耗が発生しないたいめ、ブレーキパッド交換不要となる。
 エンジンがないだけに、吸排気系の経年劣化による不具合に悩まされることもないだろう。しかし、回路やハーネスの不具合は丸ごと交換となるため、修理代は高くつくだろう。

 テスラは、これ以上車種を増やすつもりはないらしい。モデルチェンジも特になく、マイナーチェンジのみとなっている。


まとめ

ワタクシの感覚からテスラってどうなの?って簡単に書き出してみた。
・駐車場に充電設備設置できるなら大アリ。
・車両価格で判断せず、諸費用もろもろ考慮したら決して高価とはいえない。
・普通に乗れる。10年乗れる それ以上も可能。
・充電ポイントを見据えた走行計画立てられない人には不向き。


メリット
・維持費が安い。
・トータルコストが安い。
・シンプルな購入システム。

デメリット
・購入価格はエンジン車より高い。
・納車は有明まで行く必要あり。(南関東エリア)
・時価。(メリットでもある)
・利権問題のためテスラスーパーチャージャーが高速道路上SAにない。
・車体構造にアルミ多様のため、そこを損傷すると高価な修理費。


テスラを試乗してみて感じたこと。

 車の販売方法から、操作方法まで従来の自動車と異なる。
 これはMacintoshのコンピュータに初めて触れたときの衝撃に似ている。
 まだ、多くの人はまだ受け入れられないだろう。
 今は、みんなガラケーサイコー!だと思っているが、スマートフォンのがいいじゃんってなるよ。

 変化は思ったよりも早く訪れる。

 テスラ12
 これは1900年のニューヨーク五番街と、1913年の様子。
 路上を走行するのは馬車から自動車へとたった13年で変わったのだ。これと似たような変化が今後起きると考える。
 あなたが変わる必要はない。あなたを置いて変わっていくから。

 ほいじゃーの。





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