タールの沼に嵌った手負いの獅子9


 リアルダメージ作業を買い換えた。あちこちに穴をあけてしまったからである。

 ディッキーズの作業着なのに、日本国内にはあまり在庫なく、探して購入できた。

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 並べてみると随分違うもののように見える。確かに形は一緒なのだが、色がまるで違う。さすがメキシコ製の作業着というところか。それでも7年近く重整備に耐えたのだから大したものというべきだろうか。

 壁にディズニーのアースラの顔を見ることができる。ワタクシが描いたのだが、いまだに貼り付けられている。誰に似ているかということは書かないことにしておこう。

クラッチ再調整


 ハンダで修理したクラッチケーブルだが、また破断すると面倒なのでeBayで新品クラッチケーブルを購入した。

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 ロシアからやってきたクラッチケーブル。微妙に差異はあるものの、使える範囲内なので問題はない。

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 交換自体は簡単。整備書にはクラッチペダルを踏み切った位置から、ペダルから足を離した位置までのペダル踏み面は14cmになるようにとある。クラッチケーブル交換よりも、この調整に時間かかる。  

ボディカバー


 様々なボディカバーを購入しているが、いつのまにか穴がいてダメになってしまった。ネット通販で評価高いから大丈夫かと思うとダメだったりするから、評価もサクラ?といぶかしく思う。

 近所の駐車場でカバーライトのボディカバーを装着している車をいくつか見かけた。そういう車に限って高級車だったりするのだが、いいものなのかもしれない。少なくとも、ワタクシの使っているボディカバーのように穴あいているところを見たことないし。

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 ということでカバーライトのボディカバーを購入してみた。思っていたよりもずっと厚手の生地で、とても破れそうには思えない。よくあるボディカバーのようにビニールっぽい雰囲気はなく、布という感触である。

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 風で飛ばないようにバンドも二カ所についていて感心するが、ミラーを折りたためないプジョーにとって、ドアミラー部分をよける作りをしていないのは問題じゃないのか?ボディーをカバーしきれていないぞ。

 それにバンドのバックルは1回使っただけで、どこかになくなってしまった。まぁバックルくらい探せばなんとかなりますが、生地はいいだけに、ちょっと残念だなぁ。

リアブレーキの片減り


 サイドターンできないと嘆いたが、改めてリアブレーキシューを見てみたら驚いた。

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 ありゃ片減りしているではないですか。これじゃぁいくらサイドブレーキレバーを引いても、リアタイヤはロックしませんがな。確認してみたら左右共に片減りしていました。

 これはまぁあることなので仕方ないです。解消させるには、片減りしなくなるまで走りこむか、摩擦材を削るかです。

 金ノコや紙やすりで削ってはドラムの内側にチョークを擦って、アタリを確認する。

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 いくらやっても片減りは解消しないので、ドラムの内側に紙やすりを両面テープで貼り付けてアタリをつけてみた。けれど、ブレーキシューは偏摩耗しているんだよね。なんでかな?

リアハブベアリングの組み付け方


 以前に交換したリア・ハブベアリングがバラバラになった。なんでそうなったのかわからないが、これでは走れないので、新しいハブベアリングを注文して取り替える。

 ハブベアリングの交換にはプレス機を要するが、ハブベアリングプーラーを試してみたらスンナリ外れた。

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 アストロプロダクツのFF車用ハブベアリングプーラーだ。派手な作りだが、よくできている。滅多に登場しない工具だけれど。

 実は横浜羽沢にあるレンタルガレージ・サンエースに行って油圧プレス機を借りてハブベアリングの交換するつもりだった。そのためにベアリングを押し出すためのアタッチメントも購入していた。なんだけれど、このハブベアリングプーラーの存在を思い出したので、レンタルガレージに行く必要もなくなった。

 で、ハブベアリングを交換したドラムを取り付けてブレーキのアタリを確認していたら、またしてもハブベアリングはバラバラになった。新品を組み付けたのになぜ?

 問題のないドラムと比べてみてわかった。ストップリング(仮称)を組み付けていないからだ。整備書にはハブベアリングの交換について記述ないからわからなかった。

 四苦八苦してなんとかストップリングを組み付けたら、ハブベアリングもバラバラにならなくなった。これは仕組みをしらないとわからないなぁ。

2速の異音調査


 1速から2速に変速するとガリっと異音を発生させている。シンクロメッシュによる同調がうまくいっていないからからもしれない。

 この手の問題はFF車でよくある話みたいで、webで調べてみるとポツポツとではあるが散見する。

 実はプジョーの整備書にも変速時の異音について対応方法の記載はある。それによるとクラッチ、変速装置を中心とした原因と対応になる。

 まずはクラッチまわり。変速時に異音がするのは実はクラッチが完全にリリースされない場合だったりする。クラッチディスクはミッションのプライマリシャフト・スプライン上をスライドすることができるのだが、スプライン上でクラッチディスクの滑りが悪化すると、クラッチをリリースしているのにも関わらず、プレッシャープレートとクラッチディスクが接触したままになり、クランクシャフトと回転がプライマリシャフトに伝達されてしまう。クラッチの供回ともいったりするみたいだ。

 これの確認方法は簡単でFF車だとミッションのエンドカバーを外せばプライマリシャフトの回転状態を確認できる。では、やってみよう。

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 まずはミッションオイルを抜いておく。負荷をかけるわけではないので、ミッションオイルなぞなくても問題ない。

 ミッションのエンドカバーを外しておく。プジョーの場合は外れないのでプライマリシャフトの回転状態がわかればよい。だから隙間をあけておければよいのだ。

 問題はクラッチを操作する人とプライマリシャフトの状態を確認するのには二名必要だということ。どうやってワタクシ一人で確認するのか?iPhoneを使えばいいのです。iPhoneでプライマリシャフトの様子を動画撮影しておけばいいのですよ。

 iPhoneの固定に手こずりましたが、なんとか撮影できました。クラクションを鳴らした時に1速から2速へ入れてますが映像で上側のギア、つまりプライマリシャフトは回転していません。その後、クラッチを繋ぐと回転してドライブシャフトまで回転していることはわかります。1速から2速への切り替えの際にクラッチを切ってプライマリシャフトの回転は停止しているから、供回するわけではなさそうです。

 整備書にはクラッチを切って、エンジン回転数を4,500rpmにしてプライマリシャフトが回れば、クラッチのスプラインに問題ありという。

 エンジンの回転数を上げても、わずかに回る程度ですね。これで問題ないならミッションオイルを交換しましょう! だそうな。オイルを換えたら変わるかな?

 いやいや、そうじゃないでしょ。オイル交換してからまだ1,000kmも走行していないのですから。他に原因あるんでしょうよ。よーく考えてみると閃いた。シフトリンケージの取り付けを間違えたのではないかと。

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 納車時は写真青丸の位置にロッドを固定していたのですが、現在は赤丸の位置にロッドを固定している。こちらのがショートストロークのシフトワークになるからだ。が、しかしですよ。これがひょっとして問題なんじゃないのか?

 付け替えるのは簡単なので、ちょいちょいっと青丸の位置に付け替えてみた。んでもてエンジンかけてシフトチェンジしてみるとローからセカンドに変速しても異音の発生はなくなった。ウホ、これかい。

すでにオーバーホール済みだったオルタネータ


 先月の調査で、灯火類やヒーターモーターなどといった全ての電装品をONにするとエンストしていた。そこでまずは発電量のチェックをしてみます。

 最近はクランプ式のDC電流計をたった1万円で入手できるようになりました。というわけで早速購入してしまいましたよ。オシロスコープとクランプ式電流計を持っていれば、自動車の電気トラブルの多くは解決できそうです。

 で、まずはバッテリーの電圧から測定してみましょう。

 そもそも電装負荷をかけてもエンストしないし。。。 エンジンを回しているときのバッテリ電圧は電装負荷あり・なしの関わらず、エンジン始動前の電圧よりも高い電位を示していました。発電電圧は問題なさそうです。

 続いては購入したクランプ式電流計を用いて発電量をチェックしてみました。

 これを実施するときにはオルタネータから出ている+側電線にクランプさせるのがポイントです。バッテリ付近でクランプすると、充電電流は測定できますが、オルタネータの全発電量を測定できないからです。

 オルタネータの発電電圧も電流も問題なさそうです。念のため、オシロスコープで電圧波形を見てみると綺麗な波形でした。ダイオードが死んでいればリップルでそうなので期待したのに残念。

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 せっかくなのでオルタネータを外してみました。

 ハウジングはバレオ製ですが、エンドはボッシュ製のようです。それに過去、オーバーホールされたようです。

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 エンドカバーを外してみました。半田付部分に緑青を吹いていますが、これくらいはいいでしょう。

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 ボッシュのレギュレーターです。電子畑に働いておりますが、近頃はこのようなメタル缶タイプの半導体をめっきり見なくなりました。

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 コミュテータもまだ使えるかな。

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 レギュレータASSYを取り外してチェック。ブラシはまだまだたっぷりあります。

 特に問題なさそうですが、電気接合部分は清掃して導電グリスを塗布して錆びないようにして組み立てます。

うっかり水温センサー


 そういえば水温センサを購入したのだが、すっかり忘れていた。プジョー106ラリー1.3には2つの水温センサがある。一つはメータクラスタの水温計に接続される水温センサ。もう一つはECU向けセンサ。

 メータ用水温センサはサーモスタット付近に刺さっている。一方、ECU用センサはエンジンヘッドに刺さっている。クーラントの温度を測定するということでは同じだが、取り付け位置からして違う点に注意したい。

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 クーラントを抜いておく。バットにビニール袋をかけておけば掃除も簡単。

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 まずは左二つのメーター用センサー。抵抗値を測定するとなぜか400オームくらい違う。

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 続いてECU向けセンサーも。外気温27度くらいで新品は2kオームくらいだが、使い古しは2.5kオームくらい。500オームも違うのはおかしい。なんで整備書などには温度-抵抗値特性を掲載していないのだろうか?電気屋としては実に不思議だ。

 いままでそれなりの抵抗値を示していたから「そんなものか」と思っていたが、そうじゃないんだな。クーラントを車に戻してエンジンをかけてみる。冷間時のエンジン回転数ハンチングはなくなった。やっぱり水温センサーに原因はあったのかな。

 メーターの水温計表示もずいぶん違う。テスト走行してみる。1時間ほど近所を走ってみた。エンジンが完全に温まり、渋滞路で加速状態からスロー状態に遷移するとエンストしそうなくらいにエンジン回転数は落ちていく。でもエンストはせず、ハンチングしながら回転は保つ。アイドルコントロールソレノイドがキツいか? あのソレノイド、温度上昇すると動きが渋くなるんだよね。電気的制御しても変位量不足でエンジン制御しきれないのかもしれない。

 とりあえずエンジン不調の原因は水温センサだったのね。普通に抵抗値を持っていたし、エンジン始動中にセンサ出力電圧をテスタで測定しても変な電圧ではなかったから原因特定までに時間を要してしまった。

 普通に車を走らせることができるようになって、素直に嬉しい。これでほぼ、不具合は片付いたので、今後はジムカーナ向けの調整フェーズとなりそうだ。


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