タールの沼に嵌った手負いの獅子4


 赤い彗星といえばシャア。 世の中にはそういう御仁は本当にいるもの。

 見事な走りである。運転もうまいのだが、それ以上に車のサスペンションをよく理解していると見た。フロントはマクファーソンストラットなので、キャンバー角とトー角の変化は大きい。それを見越した車高に合わせているように見える。リアは調整範囲の狭いトーションビームトレーリングアーム。アンダーステアを積極的に利用し、レコードラインを狙っている。

 このオペル・アストラはポーランド人の運転で、youtubeでも結構有名。モデルGSiならコスワースによってF3ベースをデチューンしたC20XEエンジンを搭載しているはず。車速は160kmくらいまでしか伸びていなからクロスミッションをインストールしてるのかな。ひょっとしてクアイフ製? ナンバー付きで普通に公道走る。  

回り道の近道


 トランスミッションの対応部品到着は遅れている。

 待てど暮らせどやってこないので、他の作業を進める。

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 まずはクーラントのリーク箇所を特定するために、中身のないトランスミッションケースをエンジンと合体させる。

 簡単に書いているけれど、ミッションジャッキもエンジンクレーンもないので、取り付けるのにえらい時間を要した。

 一人でする作業じゃないですよね。ミッションジャッキ購入しようと決断しました。

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 ミッションを取り付ければエンジンをボディに固定できるので作業開始。

 タイミングベルトカバーを取り外してみました。写真ではわかりませんが、あちこち割れたりしています。なんでかな? 多分、このクルマ、過去に相当ひどいフロント周りの事故を起こしているので、その際にこのタイミングベルトカバーも損傷したのではないかと推測します。

 でも、右は新品のカバー。買っておいたので大丈夫。

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 タイミングベルトとプーリーにホワイトマーカーで印をつけたら、プーリーに回り止めボルトを差しておきます。

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 クランクプーリー側のエンジンマウントを外して、ウォーターポンプハウジングを取り外します。エンジン裏側にあるので、インマニを外しておかないと面倒です。

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 ウォーターポンプハウジング内にある樹脂製カバーを叩き抜く。もともとはこの樹脂製カバーからクーラント漏れを起こしているのではないかと疑い、樹脂製カバーを外そうとしたところ破損させてしまい、にっちもさっちもいかなくなった。最初からハウジングごと取り外せば1.5時間で取り外せたのに。

 ボロボロと崩壊しているのは樹脂カバーはベークライトで作られているからだ。たしかにベークライトなら熱に強いものの、脆いので壊れやすい。

 えらい遠回りをしてしまったものだ。

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 羽のついたのはウォーターポンプ。よく水漏れする箇所としてあげられる。

 大きなOリングは弾力をうしないベロベロになっていた。それに、ポンプのハウジング側もよく観察すると漏れていた形跡ありますよ。

 どうやらここからクーラント漏れを起こしていたみたい。遠回りしたけれど、原因の一つを見つけられてよかったわえ。

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 ハウジングのテーパー部分はひどく汚れていたので、お掃除してあげた。たぶん水漏れを繰り返すたびに汚れて、余計に水漏れしやすくなったのかもしれない。紙やすりで汚れを落とそうとしたものの、容易に落とせず苦労した。

 ブヨブヨになったOリングは諦めて、新しいのを注文です。

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 エンジン裏側を観察するのは難しい。そこでiPhoneの登場だ。こうやってカメラを使えば見えにくい部分もよく見える。

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 ウォーターポンプハウジングをエンジンに組み付けて、ホースを接続して、冷却水路に水を入れる。

 ラジエターキャップ口から空気入れで加圧して水漏れ箇所を探します。

 今回はエアコンなどのリークチェック剤を使います。そんなの中性洗剤を解いてやればいいじゃないかって? それも悪くはないんですよ。でも、一度使ってみたかったのよね。でもコレ、いいよ。とてもいい。

 スプレータイプなのに軽くプッシュするとピンポイント。目一杯プッシュすると広範囲に薬液を噴射してくれる。それでこうやって漏れ箇所は泡立ってくれるのだ。こんな便利なものあったなんて知らなかったわえ。

 よろこんで、冷却水路や漏れそうなエリアにプシュー!プシュー!と猿のようにスプレーしまくったのに漏れは見つからない。

集まらない部品


 イギリスに発注した部品は音沙汰なく2週間過ぎた。いつもなら部品集結すると発送してくれて追跡番号を連絡してくれるのだが、まるでこない。

 どうしたのかとおもったら・・

 「頼まれていた部品、在庫切れだった。いまフランスから取り寄せるからちょっとまっててな。急いで送るから」

 と。

 忘れられていたらしい。土曜日に到着したものの、留守だったので不在通知されていた。近所の集荷所に引き取りに行ってきた。

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 どうやらブツはイギリスのロンドン・スタンステッドを出て、ベルギーのリージェ、フランスのシャルルドゴール、成田空港経由でやってきたようだ。

 写真はウォーターポンプ。Oリングを交換する。確かに新品はぴったり合う。

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 仮付けしたミッションを降ろす。いくら1300cc FF車のトランスミッションとはいえ、機材もなくたった一人。フル・人力でアラフォー親父にミッション脱着は身体にキツイ。そこで、バイクジャッキを3,900円で購入した。耐荷重500kgとあったけれど、たぶん200kgくらいだと思うよ。これ。

 当初はミッションジャッキを自作しようかと思ったのだが、これは椅子にも作業台にもなるので購入したのだ。排気管を持ち上げるのにも、ホイールキャリアの脱着にも使 えるので便利そう。

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 エンジンクレーンを購入するアテはあっても、あのデカさは保管場所に困るという御仁は多いはず。このバイクジャッキは何にでも使えてプライベータにはありがたい。

 写真のとおり、身体にキツイ思いをさせることなく、スルスルとトランスミッションは降りてきた。

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 続いてはクランクシャフトオイルシールを交換する。立派なケースに入ってきたのには意味ある。シールの内側にはオイルを塗布して、外周には液体ガスケットを塗布するのに使う。

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 最初に内側へオイルを塗布して白いリングに嵌めてクルクル回すとオイルは均一にシールへ塗布される。次に液体ガスケットをシールの外側へ塗布するのだ。

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 シールを挿入するのには少しコツあり。ワタクシはマイナスドライバでシールのヒレを反らないようにガイドしながら、シールを回転させて挿入させ、プラハンで少しずつ押し込んだ。

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 フライホイールを取り付ける。フライホイール固定ボルトからオイル漏れをしたのが今回の整備の目的でもある。というわけで、ここにも液体ガスケットを塗布しておく。

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 フライホイールを取り付ける際に確認しておきたいのは、クランクシャフトの位置決めポイント。ヘインズのマニュアルではタイミングベルトを取り付ける際にクランクシャフトの位置決めをフライホイールで行うようにと指示されている。写真に見える切り欠きか?それともタップされた穴か?微妙に異なる位置で正しいのはどれだかわからない。たぶん、正しいのは切り欠きか?

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 フライホイールの目印をエンジン前側のサービスホールから確認するらしい。エンジン整備書ではSSTで位置決めしろとされている。ヘインズのマニュアルではM8もしくはM10のボルトで位置決めとされている。どちらにしてもぴったりと位置決めするのは難しい。鏡で切り欠きを確認しながら、タイミングベルトのテンショナーを張るが、クランクの位置ずれしてしまいクランクシャフトとカムシャフトの位置決めを合わせるのは難しい。フライホイールストッパを購入しておかなかったことを激しく後悔。

 90分近くかけてようやくタイミングベルトの調整を終えた。当初、取り付けられていた位置とは随分と違っていた。だからエンジンはガス濃いし、バタバタうるさかったのなかな?

 でも、まっくたタイミング位置に自信ない。  

魔改造


 

 トランスミッションのセカンダリシャフトを某レース部品加工屋さんに改造依頼しておいた。スペインから到着したシャフトはワタクシのトランスミッションに取り付けられないので、加工してもらったのだ。

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 左は加工品。右はオリジナル。熱処理されたシャフトを加工するのは難しいので難儀されたものの、見事に仕上げて頂いた。バブルはじけて加工を請け負ってもらえる業者は少なくなってしまった。

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 魔改造されたシャフトでトランスミッションを組み上げた。当初はトランスミッションの組み立てに1時間を予定していたが、部品が見つからなかったり、組み間違いをしたりで4時間近くも要してしまった。

 で、エンジンと結合するだけ。のはずだったのだが、これもうまくいかない。購入したバイクジャッキをミッションジャッキにしてみたが、エンジン側のクラッチとトランスミッション側のインプットシャフトは勘合しない。もともと勘合していたんだから刺さるはずなんだけれどね。

 3時間ちかくもウンウンやって勘合せず、ここで時間切れ。今月でエンジン火入れまで到達したかったのに。


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