ヤブ医者の健康診断13


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 自宅からすぐのところに厚木基地がある。基地の滑走路の先には公園があるのですが、戦闘機がブンブン飛んでくるその下で子供達は遊んでいる。マッカーサーが降り立ったこの地は戦争のときに特攻隊の基地でもあったため終戦時にはだいぶ揉めたと聞く。

 子供達はZ旗を知らない。まして曽祖父が戦争に行っていたということも銃槍をおっていることを知らない。浅田次郎の小説に「うらぼんえ」というお話がありますが、その中で祖父が戦争で負った傷を人には見せなかったというくだりがあります。あれにふと自分の祖父がそうであることを思い出させました。

 子供達にとって曽祖父も戦時中、国内での話はいくつか聞きましたが、曽祖父が戦地の関東軍でどのようにしていたのかは一つとして聞いたことがありません。ただ随分と部隊が変わったということは聞きました。千葉の自宅での斜向かいの老人は剣術師なのですが、戦争に取られたときの関東軍の様子を執筆しているようで、ひょっとしたら何かに残るのかもしれません。

 瀬戸内寂聴さんも言っていましたが、まもなく戦争をくぐり抜けてきた人たちもおよそ世を去ります。この国がまた戦争するかもしれない方向に進んでいることに危惧する声もわかります。なぜか? 大人が子供みたいなことを平気で宣うからです。それは戦争の時の狂気に似ているからじゃないかと思うのです。  

マトモが嬉しい排気管


 ちょっと作業が膠着状態だったので別のことをしてみる。まずは排気管の取り付け。その前に排気管と床パネルを熱遮蔽するパネルを取り付ける。

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 パネルは取り付けられるのだが、ナットが錆び付いていてスタッドに入らない。

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 ナットのネジ山を修正して対応。結構面倒な作業ね。

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 排気管のフロントパイプと中間パイプを接続するためのガスケットなどはすでに入手済み。熱で錆び錆びにならないように加工されている。多分、亜鉛溶射されているのかな。

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 フロントパイプには古いガスケットが残っているのでマイナスドライバなどでこじって取り除く。

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 くたびれていますね。前オーナーがエンジンを下ろした際には交換されなかったみたいです。

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 マフラーブラケットにひっかけるのが難しいけれど、特に故障している部分ではないのでなんとか取り付けられた。あんまりにも酷い車なのでこうも普通に取り付けられるだけで嬉しくなる。

青空ガレージの雨


 青空ガレージで作業していると四季を感じる。

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 排気管を取り付けたところで雨が降り出してきた。こうなると作業が進まないのが青空ガレージの悲しいところか。

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 といって手をこまねいては前に進まないので室内でできる作業をしましょう。まずはラジエターの修理。といっても電気系ね。

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 電動ファンを動作させるセンサーハーネスが怪しいので絶縁テープを剥がしたらこれだ。電子畑で働いてきた身分からすると結構カルチャーショックな結線方法で驚く。これではいかんので半田付けします。

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 ワタクシは電子部品用の半田ごてしか持っていないので大きめの半田ごてを用意しました。100Wもあれば大抵のものがつきます。それと絶縁チューブも。

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 これで接触不良は起こらないでしょう。

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 晴れたらラジエターを取り付けてホースを接続します。これがなかなか大変。

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 アッパーホースがつくだけで自動車っぽくなります。

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 長さの足りなかったロアホースはアルミパイプを継ぎ足して延長した。もちろん酔猫庵式ビードフォーム済み。おかげで脱着がえらく面倒になったけれどしかたないか。

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 ブレニーのフロントディスクローターを購入した。錆止め塗装されているので剥がすのだ。

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 パッド接触面にまで錆止め塗装の塗膜が乗っているのはいただけない。なので紙やすりで塗膜をリムーブする。これぞキング・オブ・地味な作業である。まったくクリエイティブではない作業だからだ。もちろん右が研磨したものだ。

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 晴れた時に取り付けます。実はきちんと装着できるか心配でした。でも、特に問題なし。錆びないようにビニールを被せていきます。

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 フロントロアアームのボールジョイントブーツがカピカピだったので交換する。交換するのは純正品ではなくトヨタカリーナかなんかのボールジョイントブーツだ。モノタロウで販売している大野ゴムのDC-2103である。

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 見た目は普通に装着。クリップは以前のを流用。針金でもダイジョウブ。

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 ブローバイタンクはそのまま使いジュンロン AS4のホースにしました。これは耐熱、耐油でエンジンルームにも使えそうだからです。一般的な耐油チューブやシリコンチューブは耐熱性が低くかったり、耐候性が低くエンジンルーム内で使用するとあっという間に劣化してしまいます。

 夏場のエンジンルーム内温度を測定してみると安易に適当なホースを使うことが自殺行為であることに気がつくはずです。

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 ブローバイタンクをエンジンルーム内に取り付けてホースを接続。吸気の取り回しがイマイチなのでこれはそのうちに修正しないとホースが外れてしまうだろう。

貞子と雨


 世の中には見ないほうがいいものもある。しかし旧車は見ないとあとで後悔することの方が多い。だってあなたの車のサイドシルの中身を正視できますか?

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 雨が上がった後で作業を始めようとトランクを開けるとはて面妖な?どういうわけだか水が拡がっているではないか。いかななんでも雨が上がってから時間も経過しているのになぜにここに水が?

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 天井を見たら理由がわかった。シールが痛んで水が染み込み垂れていたのだ。メカ部品の修理の次は錆びレストアを意味しているのか?なんでこの車の天井がないのかわかった。水漏れして天井が腐ってしまったため取り外してしまったのだろう。

 とりあえずこの程度は無視することにする。いちいち取り合っていたら路上復帰が10年後になってしまう。

動脈解離は老齢の印か


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 やばいのはボディだけではない。これはハーネスの防水コネクタなんだが、防水であるべき部分がパックリ割れているのである。これじゃ防水になりませんがな。このおかげで金属接点がサビサビである。通常の乗り方でここが割れることはないはず。となると・・・・ 

 想像だが、エンジン脱着の際にミッションをぶつけた可能性がある。ミッションをコネクタハウジングにぶつけて割れたというわけだ。もしくはフロントセクションを自己でぶつけた際に何かにぶつかったとか? でも、この部品が破損するということは車がクワガタみたいになったときだろう。過去を想像することで現状と一致させる。これぞポンコツエンスーの極みだろう。  

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 センサーハーネスのセンサー側付け根付近もこのように被覆が剥けている。これだって熱でこうならない。間違いなく引っ張られたりして裂けたはずだ。それはエンジン脱着くらいしか考えられない。

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 そんなわけでカプラーを補修してみましょう。といっても新品に交換できるようなものではないので、割れ目にシリコンでも塗り込んで防水機能だけでも復活できればまずはヨシ。

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 カプラーのコンタクト部分は接点復活スプレーと歯ブラシでゴシゴシ磨いてきれいにします。これで緑青が除去できたので接点が復活するはず。

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 この車、バッテリーがリアトランクに移設されている。FF車はどんだけ前荷重にできるかでフロントのグリップが決まるはずなのに。特に加速時はフロントが浮くようではタイヤが空転してしまう。

 だからバッテリーのような重量物は前に設置すべきなんだが、どーしてだろう?そんなにシビアな重量バランスで運転する御仁だったのだろうか?そのわりにはあちこちぶつけていたから運転は下手くそだと想像できるが。

 それはともかく、バッテリーの+12V側がこのようなハーネステープでグルグル巻きというのは怪しい。ムキムキしてみると・・

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 あ〜芯線ヨジヨジしていただけかぁ。こういう接続ってどう思いますか?ワタクシは許せないなぁ。

 自動車の血管ともいうべきハーネスがこの状況はマズイ。接触不良や断線を発生させて車が満足に走らなくなるのが容易に想像できる。すでに緑青ふいているし。電線は繋がっていればいいという適当なことをすると、そこの部分で電圧降下を起こしたりしてしまう。

 基本的なことを差し置いてアーシングしているのはなんだろうか?一部のオーディオマニアやカーマニアが大好きな眉唾念力他力本願アイテムで「ナニナニがパワーアップ」とか「驚くべき体感」なんてもの縋っていては女を抱くこともなくオナニーだけ女を語る童貞みたいなもんだ。

 電気なら腐っていない電線が基本だし、電線同士の接続は半田付けがベスト。機械部品はきちんとO.H.するのが一番。わからないからとか、金がないとかいう言い訳で逃げないでやってみるがよい。  

自動車整体酔猫庵


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 先月は右側前足が組み付けられずに終了してしまった。どうしてもロアアームが取り付けられなかったのだ。それでも力づくで組み付けてみたらどうもおかしい。

 ナックルを回転させると動きが渋いのである。ドライブシャフトが突っ張っている感じだ。

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 ドライブシャフトの中間保持部分の組み付けがまずいのかと思って一度下ろしてチェックしてみるが特に問題はなさそう。

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 その中間保持はエンジンに取り付けられているのだが、そちらの取り付けも特に問題ない。  はてな?と調べていくと・・・

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 マイナスドライバーが指し示している部分がたわんでいます。これはロアアームの付け根付近のフレームなのですがぐんにゃりと歪んでいるのです。つまり、フレームが歪んでいるのでロアアームが正常な位置に取り付けらていないということになります。

 原因は右前足を何かにヒットさせたからでしょう。右斜め前からの衝突でロアアーム前側取り付け部分が左斜め後ろへ押されています。かなりの衝撃だったはずです。よく観察すると右前のインナーフェンダーにはあり得ない接触痕がありますので、その事故のときのものでしょうよ。

 ふんふん。そういうことなら右前足が組み付けられないのもわかる気がする。試しにホイールベースを測ってみると

左:2378mm

右:2381mm

 あれ?事故を起こしたと思われる右よりも左のが短い。2mmくらいの測定誤差はあるとしてもちょっと気になる差です。右に曲がるのが得意な車なのかも?!

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 フロントボンネットとフェンダーの隙間を注意してみてもらいたい。左側の写真は右フェンダーなのだが、車両前方ほど隙間が広がっている。左フェンダーは均一だ。しかし、左フェンダーやサイドランプがボンネットよりも後退している。

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 ライトとグリルの隙間にも注意してみてもらいたい。左側の写真は右ライトなのだが、隙間が随分とある。左ライトはほぼピッタリなのに。

 想像するに右側は正面からオフセット衝突をされて後退しているのだろう。力が逃げ切れずフレームが外側に逃げたためフェンダーとボンネットに隙間が生じたとのかと。

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 一方、リアも観察してみよう。リアライト、リアハッチ、リアフェンダーのチリ合わせには特に問題ないようにも見える。

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 しかし、さっきの部分を上から見てみるとリアライトとリアハッチのチリがまるで合っていない。リアもなんらかの事故で歪んでいると考えられる。ひょっとしたらフロントの事故がリアにも響いているのかもしれない。

 ざっくり四隅を見るだけでも歪んでいることがわかります。そこだけしか見ないとわかりませんが、並べて比較すると歪みがよく見えてきます。まぁ購入したときにパッと見でおかしいのは気づいていましたが、やっぱり歪んでいるんですね。普通のエンスーなら「事故車を買っちまったのか」と落胆するところですが、ワタクシは「フレーム修正するか」となんとかする方法を考えます。

 さて問題はロアアームが取り付けられないということだ。これをナントカしないことには路上復帰はあり得ない。修理するには2つの方法が考えられる。

(1)フレーム修正できる板金屋で治してもらう

(2)自分でフレーム修正する

 (1)は専用の治具や地面に打ち込んだアンカーに車を固定させて引っ張りだすというプロならではの修理方法です。一般的なエンスーガレージの地面にH鋼埋めてアンカーを取り付けらるようになんてしていませんよね。いわゆるフレーム修正というプロの領域?!

 どんなものかのかとインターネットで調べてみるとかなりガッツリやっていました。車輪を外して専用の治具に車体を固定して押された部分を引っ張り出す。一目見ただけで工数のかかる仕事です。つまり費用がお高い。

 となると(2)でしょう。でもどうやって? そこは素人なりに考えます。まずプロと同じ設備を用意するのは難しいですが、ネットで探してみるとボディ修正に使うラムジャッキは1万円くらいで販売されています。このラムジャッキを使えば歪んだ部分を修正できるかもしれません。

 ただし問題があります。ラムジャッキだけでは何にもできないのです。アタッチメントを用意する必要があります。基本的なものは付属しておりますが、今回の用途にはそれだけでは対応できません。つまりアタッチメントを自作する必要が有ります。普通のエンスーならここで諦めていますが、酔猫庵はここからが活性領域です。

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ホームセンタで鋼材を購入してきて切って貼り付けます。ボーリングも必要だったので千葉のガレージに部材を持ち込んで加工します。

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 仮溶接して作ったアタッチメントがこれ。これを使ってフレームを修正してみます。

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 手作りアタッチメントをロアアーム後ろ側に取り付けます。これでロアアーム前側取り付け部分を車両前方に押し出します。

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 試しにラムジャッキをセットしてみます。位置などもバッチリなのでアタッチメントを一度取り外して本溶接しておきます。

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 ラムジャッキを一回ポンピングするごとにメジャーで測定しながら様子をみます。さすが10tのラムジャッキなのでいとも簡単にフレームが拡がります。

 6mmほど前方に出たのでロアアームを取り付けてみますが、やっぱりまだ修正しきれていないようでロアアームの取り付けにストレスがあります。車両斜め右からヒットしているのでまずは前方に押し出しただけではダメなんでしょう。次は外側に拡げます。

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 とは簡単に言っても治具がないとラムジャッキでは外側に拡げることができません。仕方がないので単管パイプで試してみました。テコの原理でもって引っ張り出そうという魂胆です。

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 なんですがやっぱりそう簡単にはできなかった。単管パイプを延長しても1mmくらいしか外側に拡げることができませんでした。やっぱり人間の力ごときでフロントサスアームの付け根が動くわけありません。

 今回はここで時間切れ。


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