いつの間にかに11月となっていた。
プジョーをヤフオクで落札してからおよそ一年が経過した事になるんですよね。
そんなことをプジョーの任意保険更新のお知らせで気がつきました。
が、しかし。プジョーは相も変わらず不動車のままである。年内にはなんとか着地するところまでは持ち込みたいものである。
プジョーの修理に行ってみるとゾンビみたいなクルマがいました。これがワタクシのプジョーです。いい加減、ボディカバーを調達しないと。
近所のホームセンターにはボディカバーを売っていなかったので、少し離れたホームセンターで購入してきた。上がボロボロのボディカバー。下が新規購入品。畳んだときの体積がまるで違う。
プジョー106にもピッタリフィット。古いクルマはシールが弱くなるので雨漏りしやすくなるからカバーかけておかないと錆びちゃいますよね。
いつもながらのいい訳にはなるんだが、10月もあまり作業が進んでいない。
最大の原因は「ロードバイクでロングライドに出ていた」からだったりする。
ロングライドといっても100kmや200kmではなく1,100kmのロングライドにだ。
実はワタクシ主催のロングライドイベント「TOT2014」というものを開催した。これは東京日本橋を出発して大阪梅田新道で折り返し、また日本橋まで返ってくるというエクストリーム・ロングライドである。
こんな馬鹿げた事をやるヤツがいるのかと思うだろう。案の定、誰もおらなんだ。そのかわり東京ー名古屋ー東京を一緒に走った方はいたんだが。
その際にビデオカメラをロードバイクに搭載していたので、走行の様子をまとめてyoutubeにアップロードしておいた。
こういう事をするために前後1週間がなくなるので、プジョーの修理が進んでいないというわけである。
eBayで購入したピロボールタイプのストラットアッパーマウントはイギリスを発して我が家の近所にある郵便局までやってきたものの「宛先不明」でイギリスへ戻ってしまったことは以前にも書き記したかと思う。
イギリスへ戻って行ったといっても郵便局の追跡確認サービスでわかったことで、実際のブツは購入先になかなか戻らなかった。返金してもらいたくても購入先にブツが戻っていないから向こうだって支払えないし、イギリスの追跡サービスではワタクシの手元に配達済みとなっていて彼らとしてはやっぱり支払えるだけの理由がない。
こうなるとニッチもサッチもいかない。モノはどこにあるのかわからないし、追跡サービスは配達済みとなっているし。何度か購入先とメールでやり取りしたが、そういうことで返金対応できず諦めかけていた。
ところがである。日本国内で別のアッパーマウントを購入しようと考えていたところで、イギリスからメールで「ブツが戻ってきたぞ。再配達する?それとも返金手続きするかい?」という連絡が入った。ブツはもうどこかに消えてしまったかと思って諦めていたところにこの知らせだ。すぐに再送してくれとメールを返す。送料£33(約¥5,000)はかかるけれど、無駄にするくらいならこの位の送料はわけもない。
PayPalで請求書がやってきたので決済しようとすると「現在クレジットカードでの決済はできません」とPayPalに返された。どうも時々、PayPalのクレジットカード決済システムが機能しなくなるようで困る。しばらくすると直ったりするので様子を見てから再チャレンジしてみると無事に決済が通った。
今回は郵便でちゃんと到着した。
ジェットパックに包まれてブツはやってきた。日本で購入すれば3万円くらいするが、その半額で購入できたのでいいか。とりあえずモノはちゃんと揃っていたし、オーダー通りである。プレートに複数の穴が空いているが、これで多少はキャンバー調整出来るみたい。スタッドは自分で用意しろということか。
ストラットには無事に取付けられそう。ただし先のスタッドもそうだが、ストラットシャフトの固定にやはりボルトが必要になるみたいだ。レース部品なのでアッセンブリ能力がないと組つけられないのはお約束。あとは自分で何とかしろというわけで、なんとかしてみようじゃないか。
一方、トランスミッションはシンクロキー(シンクロフォークともいう)が破損していたために作業がストップしていた。とにかくイギリスの部品商に見積を依頼したら翌日には回答がやってきて、すぐにcitibankの海外送金で支払いを済ませると1週間程で部品が揃うと思うよという連絡があった。
お互いに顔を合わせた事がある訳ではないんだが、メールでももう慣れたかのような挨拶が飛び交い親しみすら憶えるくらいになった。決してすべてが全て事務的に進めないところがいい。 一方、citibankの£で所有する現金が残り少なくなってきた。最近はイギリスポンドも¥177/£くらいになってきて今後の値動きを考えながら£を追加購入するかどうか判断すべきときだろう。
それよりも日本のcitibankが個人相手の商売から撤退するかもしれないという話も上がっている事はニュースにもなった程だ。長年使ってきたcitibankもそろそろか。金の切れ目は縁の切れ目とも言います。金を預けるのに先行き不安な銀行じゃちと困るので、別の手だてを考えるときかもしれない。いつだって変化は起るのだから、それをボヤくより、次の一手を考える方がいいだろう。
イギリスで部品が揃って発送したよという連絡が入って1週間で手元に届いた。今回はヘッドライト、デフベアリング、ストラットのスラストベアリング、そしてシンクロキーを注文した。
もちろん全て揃っていたでの問題なし。早速、ミッションの組み立てを始めた。
ミッションを組み立てるなんて簡単だろ?と思うかもしれない。実はワタクシもそう思っていたんだが、ちょっと違っていた。というのもどの部品をどのように組み付けるのかさっぱり思い出せないのである。
まずはパーツリストを持ってきて組み付ける順序は向きを確認して実際に試してみる。しかしパーツリストの絵は組み付けマニュアルではないので図が荒っぽいので部品の向きが判断つかない場合があってこれに時間がかかるのだ。
知っていればなんて事ないんだけれど、実際に組み付けてみて「あ、これ逆だ」とか「コッチが先かよ」ということが何度もある。
この作業をしていた10月中旬から関東地方もずいぶんと朝晩が冷たくなった。こうなると暖かいものが食べたくなるものでやっぱり鍋物でしょう。
酔猫庵としては鍋は鍋でもちょっと違う鍋物を用意している訳でして。
用意したものは
はて?これでどうやって圧入すべきサイドベアリングをデフに組み付けるのか?
まずは牡蠣鍋でもしようか・・ などということはなく、いきなり砂を入れて火をかけます。蓋を閉じてしばらくすると砂が含んでいる水分が飛びます。
砂の上にアルミホイルを敷き、アルミホイルの上にベアリングを乗せます。あとは蓋を閉じてしばらく温めます。
温度が上がってくると含んでいるオイルが焼け始めます(煙が出てくる)。時々、鍋の側面の温度を赤外線式温度計(非接触温度計)で測定し150度くらいになったら食べごろ・・ じゃなくて嵌め時です。
近くにデフを用意しておいてから、皮手をつけてベアリングを鍋から取り出します。落ち着いて無駄のない動きで取り出したベアリングをデフに差し込みます。
きちんとベアリングが暖まっていたので、ベアリングはデフにスコっと挿入できます。このデフは車両から取り外した純正デフで、その純正デフから取り外したサイドベリングを再度組み付けたのですが、うまくいきましたね。
鍋に砂を敷き詰めたのは鍋のふたを開けた時に温度が下がるの阻止するのと、空焼きしないようにするためです。アルミホイルは砂がベアリングに混入しないようにするためです。エンジンオイルがあればそれでもいいでしょう。ただしオイルがポタポタ垂れるので掃除しないとなりませんが。
鍋は小さい方が暖まるまで早いです。ベアリングなんてそんなに大きくないので、小さなお一人様用鍋でも十分なわけです。今回はテストでしたが、うまくいったので本番に移行しましょう。
新品のサイドベアリングを温めてからLSDにサイドベアリングを組み付けてみました。ところが一つはサイドベアリングの温度が下がりきる前にデフをひっくり返してしまったので、サイドベアリングとデフの間に隙間が出来てしまいました。失敗ですね。
取り外してもいいんだけれど、あとちょっとなのでピンポンチで叩いてピッタリまで押し込みました。
デフのサイドベアリングにはアウターがついていません。アウターはデフケースに単品で圧入する必要があります。しかしこれも圧入するには治具が必要ですが持っていません。
そこでミッションケースをガスコンロの上で温め、適当な頃合いにアウターリングをゴキジェット(冷凍殺虫剤)で冷却し組み付けます。アウターを組み付けるミッションケースは大きく形状が複雑なのでカセットコンロで温めるのは難しいです。なにしろミッションケースを手で持っていなければならないのに、それを150度まで熱しなければならないのですから。
そこで適当に温めたところでアウターを冷却し、ミッションケースとアウターに温度差をつければいいわけです。ミッションケースは暖まって膨張し、アウターは冷却されて収縮していますから両者の寸法差が大きくなるのを利用する訳です。
デフにサイドベアリングを組み付けたりするのにはプレス機を使うのが一般的です。しかしその為には治具が必要になります。治具を用意出来ればいいのですが、ワタクシの現状のように旋盤も何もない環境では簡単に治具を用意出来ません。
そこで少し方法を変えて取り組んでみました。焼嵌めならぬ、逆焼嵌めのように熱を利用して圧入したいものを冷やしたり、圧入するべき箇所を温めたりすることでプレス機を使わずとも目的を達成出来ました。
大きなものを冷やすのは難しいです。そもそも冷蔵庫が登場したのは半世紀ちょっと前ですが、温めるというのは遥か昔から行われてきた事で、地球上で唯一火を使う生き物は人間だけです。
温めるという簡単な方法を利用すればこんな事も出来るものです。
デフにベアリングを組み付け、ミッションのギアも刺さったところで、ようやくミッションの組み立てです。長かったわな。
そのまえにデフに速度センサー用のギアを取付けておきます。これを忘れるとミッションの蓋を閉めてから悲劇が起ります。全部バラして再度組み付けなければなりません。
ミッションケースにデフを組み付けてから中間プレートを置いてみます。ヘリカルカットギアなら光明丹でデフのアウターリングとミッションのセカンダリシャフトのピニオンギアの刃当たりを調整しなければなりませんが、ストレートカットだと調整のしようがありませんね。どうするのでしょうか?
中間プレートにはネジロック剤が必要になるので近所のホームセンターで入手してきた。大きなサイズが欲しかったのだが、少量タイプしか在庫しておらず2個買ってきた。 実際には使い切りタイプでもなく、仮に固まっても少量なので捨てても惜しくないサイズだ。
中間プレートをボルトにネジロック剤を塗布して固定する。プライマリシャフトとセカンダリシャフトのベアリングを支持するプレートなのでそれなりの固定力を求められるので多数のボルトが使われているというわけか。コストダウンのために部品点数削減されているミッションなのにここは随分とおごられている。中間プレート無しで設計しなかった理由はなぜだろうか?
コレはワタクシの仮説だが、ミッションケースにベアリングホールやシフトフォークの穴を加工するよりも、中間プレートに加工する方が安価だからではないだろうか? ミッションケースのように大物へ機械加工するのはそれなりに手間がかかるので、比較的小さい中間プレートに複雑な加工を施す事でトータルコストを削減したのではないだろうか?
大物はシンプルに。小物で細かい事をするのがセオリーであるからということである。
シフトフォークのゴムブッシュやシール類も交換しておく。オイル漏れの原因になりますからね。
確認しながら組み付けていたので時間がかかっているが、プライマリシャフトとセカンダリシャフトを取付けてギアチェンジしてみるが2、3速しか変速できない。おかしいなぁと思ったら
フォークを一本つけ忘れていた。しかもこれ。中間プレートの下側に取付ける部品なので、もう一度中間プレートを外してからでないと取り付けが出来ない。やり直しである。
全部バラして組み直した。コッターピンも打ち込んでミッションケースの蓋を閉じて動作確認するとちゃんと動いた。バックギアへ入れるのがチト渋いけれど。大丈夫かな?
あとはミッションケースを閉じるだけというところまで出来たら注油してみる。近所のホームセンタでLSDオイルを見つけたので1リットル分購入してみた。ついでにスポイトも購入。
摺動部やシンクロにオイルを差して動作確認してみると少し動きが良くなった気がする。
以前、アルトのエンジンOHの際に使わなかった液体ガスケットが余っていたので、それを利用する。銅が混じった熱伝導性の高い液体ガスケットをミッションに使うなんて無駄な気もしますが、余っていてもモッタイナイですし。
ミッションを閉じて5速ギアを取付けようとしたら悲劇は起った。
なんとバックギア用のチェックピンを発見してしまったのである。コレを取付ける為には全てバラさないとならない。なんでこんな重要な部品を忘れたのかと自分を呪う。
しばらく呆然としてしまった。なんか憂鬱になりますね。コレ。
こうしていても仕方がないのでバラして組み付けるしかありません。ところが初めてこのミッションをバラしたときには3週末くらい費やしたのに、今回はものの20分で分解出来ました。打ち込んだノックピンも抜き方のコツがわかったのであっという間に打ち抜きました。
うむ、さっきまでの組み立ては練習だったのだ。そう思えばよいのである。
組み忘れ部品があったのは仕方がないので、その日の晩にamazonへ必要な部材を手配して翌週には組み立て再チャレンジである。 唯一のヒントとなるパーツリストを印刷し机上で組み立てのシミュレーションを実施して万全とした。
それではミッションの組み立て手順について写真を交えて説明してみよう。
まずはガスケットを取り除いてデフを置いてみよう。
二箇所の必要なセンタリングピンを取り付けておけば後で慌てない。四角で囲んだ部分にシャフトレンチを操作させる部品を組み付けるのと、ロッキングフィンガーとそのスプリングを組み付けるのも忘れないこと。
中間プレートを取り付けるまえに中間プレート用のセンタリングピンを埋め込んでおこう。ミッションOHキットに含まれている部品なので交換しておく。
中間プレートを置いてみる。取り付ける前に定盤などで歪みがないかチェックしておくといいだろう。
Amazonでねじ止め剤を購入しておいた。最近は忙しいのでホームセンターに買い出しに行く時間すら勿体無いので通販に頼りっぱなしである。
中間プレートの取り付けボルトにねじ止め剤を塗布して中間プレートを固定する。ボルトを締付ける時はセオリー通り中間プレートの中心部分からやれば歪まないはずだ。
シフトフォークシャフトが挿入される穴にはあらかじめオイルを塗布しておこう。プライマリシャフトとセカンダリシャフトのベアリングを保持する穴にもオイルを塗布しておくとスムーズに挿入できる。
プライマリシャフト、セカンダリシャフト、シフトフォーク2本を組み合わせておく。これらを全て手で持ってミッションケースに挿入しなければならない。
そのままミッションケースに組み付ける。位置合わせが難しいが慣れればなんてことはない。ベアリングが斜めに挿入されないように注意しよう。
シフトフォークを操作させるシャフトレンチを組み付ける。パズルのようになっていて組み付ける順序や向きがあるが、ガチャガチャいじっていると組み付けられる。
赤丸のように凹みがシャフトレンチを操作できるような位置関係にしておこう。
スピンドルレバーを挿入する。ゴム製のストップシールは外側。レバースプリングはミッションケース内に収まる位置関係になるように組み付ける。挿入はかなり渋いがグリグリ回せば入るはずだ。
ラジペンで指し示す穴が貫通する位置で止めておく。
コッターピンを用意する。これは使い捨てなので多めに買っておけば心配ない。挿入する向きに注意しよう。
コッターピンはピンポンチで叩き込む。ミッションをガッチリ押さえられていればコンコン叩くだけで挿入できる。
最後まで挿入できるとこのようになる。
リバースフォークを組み付ける。これは簡単なはずだ。
バックギアを取り付ける。リターンシャフトはミッションケースに対して組み付ける位置があるので、ミッションケースに挿入した後1回転させるとピッタリの位置で動かなくなるはずだ。
ピンポンチで指し示している黒いプラスチック製のシャフトバッファも忘れないようにしよう。
ミッションケースを仮に閉じてみよう。この状態で変速機構がスムーズに操作できれば問題ない。プライマリシャフトを回して各変速で回転するかも確認しよう。ニュートラルの時にセカンダリシャフトが回るのにビビるかもしれないが、正常ならセカンダリシャフトを手で抑えればプライマリシャフトは回転させてもセカンダリシャフトは回転しないはずだ。
ケースを開けて摺動部にオイルを差したらいよいよケースの本留めだ。液体パッキンを塗布しておこう。
ケースを閉じてボルトで締め上げる。締め付けトルク値が分からないので最後は13mmのメガネレンチを利用して「手ルクレンチ」で締めてみた。あとでちゃんとトルクレンチを使って締め付けトルクを合わせておかないと。
ベアリングを固定するロックプレートを取り付ける。プレートはサイズ違いなので注意しよう。それぞれ2個のネジで固定しているが、それらにもねじ止め剤を塗布しておこう。
5速のギアを組み付けてみる。セカンダリ側のギアがスプラインに対してキチキチだったのでスムーズに挿入できなかった。純正品はスムーズに挿入できたのに。この辺りがスペイン製の精度なのかな?
適当なソケットを当ててゴムハンマーで叩き込んだ。ゴムハンマーは100均で購入したものだが、これを叩いていたら先端のゴムが取れてしまった。
プライマリ側のギアも組み付けてみる。周囲が暗くなってきてフラッシュを焚かないと写真が撮れなくなってきた。
シンクロとフォークを組み付けてシャフトフィックスナットを締め付ければ ゴールはすぐそこだ!と思ったらなんとシャフトフィックスナットがガバガバで締められないのである。シャフトフィックナットはM18だが、プライマリシャフトはM16になっている。純正のプライマリシャフトはM18なんだが、なぜここが違うのだ?!
このままではどうやっても組み付けることはできない。M16のシャフトフィックナットが設定されていればそれを購入することで組み付けられるが、それはパーツリストで調べてみるしかないだろう。なければ探すしかないのか?
ミッション組み付けも最終コーナーでまさかのトラブルとは。
まだまだ予断を許さない状況が続きます。
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