ヤブ医者の健康診断8


9月はここ数年の暑さがまるでなく、涼しいというか以前の日本の気候に戻ったという感じであった。

週末の夜はロードバイクで山梨まで走りにいくんだが、気温が15度を下回っていて寒いくらいである。

おかげで整備をしていても熱中症にならないという有り難さもあったりする。  

壊れていたと壊した


image

 プジョーはボディーカバーをかけて保管している。なんだけれどどうも透けて見えるのである。おかしいな。透けて見えるメガネとかそんな都合のいいものは持っていないはずなんだけれど。

 いや、そうじゃなくて粗悪なボディカバーなので灰色の表面部分が紫外線で剥がれ落ちてしまったようだ。酷いボディカバーである。まったくもってしてカバーになっていません。

 隣にあるカミさんの実家に保管しているからいいんだけれど、最近は「いつになったら動くのか?」「走ることが出来るの?」と聞かれる。

 そんなことはいつになるかわからないんだけれど、いつまでも不動車のままという訳にもいかない。このままでは不動の帝王になってしまう。恥ずかしいことに帝王の座が不動なのではなく、不動であることの帝王とは。

 で、スペインやイギリスから部品が到着したので早速ミッションの組み立てに入った。

image 

 シャフトにベリアングを挿入します。プレス機を使うのが一般的かもしれませんが、プーラーでも十分にいけます。

image

 シャフトにギアを組み付けていたら大変なことに気がついた。シンクロを一式をシャフトに組み付けようとしたらまたしてもバラバラになってバネやらボールが散乱。なんとか全部拾い集めてみると、なんとシンクロキーが破断しているのである。

 確かに1速のシンクロキーについては状態を確認しないまま分解していたのであるが、まさかパックリ割れていたとは。これってミッションを分解する前に壊れてしまったのか?それとも分解する際にワタクシが壊したのか? いくらなんでも分解の際にシンクロキーを破断させることはないでしょうよ。だってシンクロをゴッソリそのまま外しただけですよ。

 とにかくこのままでは組み付けはこれ以上進められない。いやいやここで気がついて良かった。シンクロキーが破断しまままミッションを組み付けていたら、ほかのキーまで壊してしまいますから。

 ミッションの組み立ては一時中止となったので、デフのサイドベアリングを組み付けてみた。これも初めての作業なのでよくわからないが「デフにベアリングを挿入すればいいんだろぅ」くらいにしか考えていませんでした。ところが自作プレス機でデフにベアリングを挿入してみるとローラーがバラバラに落ちてきた。

image

 原因はベアリングをデフに圧入する際に内輪を押さなければいけないのに、ハシゴ型のリテーナを押してしまったためである。このリテーナはローラーの位置決めをするだけのものなので、力をかけてはいけなかったのだ。そんなことも知らずに圧入するからこうなったのである。ベアリング、1個お買い上げですな。

 どのみち、ミッションのシンクロキーも購入しなければならないので、もう少し別の作業も進めてみて不足部品をまとめて発注してみるつもりだ。(ちょっと言い訳だ)

 

足回りの組み立て


 トランスミッションの組み付けに失敗したので、足回りの組み付けを進めてみる。

 まずはリアブレーキ。ブレーキシリンダを購入しておいたので古いものと交換してみようとしました。

image

 しかしブレーキシリンダをブレーキのバックプレートに固定する為のボルトがサビサビで緩めようとしたらズルりと舐めてしまった。片側2本。両方で4本のボルトが使われているが、マトモに外れたのは1本だけだった。

image

 こういうときはタガネと玄能でボルトの頭を緩む方向にこつこつと叩いて締結を緩めます。ブレーキシリンダの部分はどうしても熱や水、そして排気ガスの影響で錆びやすいので仕方がありません。

image

 久しぶりにブレーキドラムを取付けました。このプジョーのドラムはなんと内側も外側も全て旋盤削り出しである。国産車ならブレーキのアタリ面やボルトのテーパー、ホイールの接触面くらいしか面出ししないのですがね。これは左側で、右側はバネが1本見当たらず組み立て出来ませんでした。どこかにバネがあるはずなんだけれど。

image

 フロントのスタビライザーのリンクもガタガタになっていたので交換です。これ弱いみたいですね。それなのにこのナットが簡単に外れません。ナイロンナットなのですが。ボルト側の内側に六角が掘ってあるのです。ここに六角レンチをかけてナイロンナットを緩めようとすると六角レンチがズルりとなめました。よく見るとボルトが割れています。どうもボルトの径に対して六角の穴が大きすぎるみたいです。切断するかどうしようか迷いましたが、まずはナットブレーカーで壊してみることにしました。

image

 しかしナットブレーカが滑ってしまいナットを完全に破壊することは出来ませんでした。まぁここまで出来ればあとは金ノコでナットを切断すればいいだけです。

image

 金ノコでゴリゴリ切断したらタガネと玄能でナット叩いてをボルトから外すだけです。左右とも同じことをしました。

image

 スタビライザーのリンクを無事に外せました。さっきのはリンクの下側で上側はまだLアングルが付いたままなのでこれを外します。ボルトに六角を差し込んで緩めるとまた「ズル・ゴキ」と舐める。よく観察すると上側だけは17mmの薄スパナをかけられるように出来ているじゃないか。100均で売っている薄スパナをかけて緩めてあげます。

image

 なぜか片側だけLアングルが長穴になっていました。なぜだろう?あとから加工したことは間違いない。

image

 ステアリングラックエンドなんだが、どうも内部のラックが丸見えなのはおかしい。部品リストを眺めるとカバーがあったはずなんだが、そのカバーがないんだな。多分、フロントをヒットしたときにタイヤがカバーに当たってどこかに吹き飛んでしまったのだろう。フェンダーの内側というのは観察すると事故歴が見えてくるもので、アチコチに不可解な擦った形跡が見られる。一体、どういう運転をしていたのだろうか?

image

 カバーは購入しておいたので取付けるだけ。これを取付けるのには順序があって、カバーに付属している青いゴムバンドを外した状態でラックエンドにカバーを取付けます。取り付けが出来てから青いゴムバンドを溝の位置にかけるみたいです。

image

 プジョーの車内で探し物をしていたらリア・ブレーキのスプリングを見つけた。トランスミッションの部品入れに紛れ込んでいたからわからなかったのか。

 ブレーキ・シューはBENDIXだけれど、ブレーキ・ピストンはBOSH製である。これでとりあえず後ろ足はできたか。

image

 フロントのキャリパーにピストンが押し戻せなかったので、アストロプロダクツのピストン戻しツールを購入した。いままで様々な道具でゴリゴリと挿入するのに苦労していたのが「あれはなんだったのか??」というくらいスムーズに挿入できる。こんな事なら始めから購入していればヨカッタ。

image

 フロント・ブレーキパッドはFERODEの高級品をあてがった。フロントブレーキはオーバーホールキットで対応。なぜか部品が合っていない。おかしいな。

image

 1速のシンクロ・キーが破損していたので、それ以外のキーも確認してみます。エア・パッキンで覆ってからシンクロの分解をしたので、スプリングなどの細かい部品が飛び散ることもなく進められた。

image

 オイルディプ・スティックがテキトーなものに付け替えられていたので、ちゃんとしたものに交換します。左が新品。右がテキトー品。テキトー品はエンジンを密閉できない。ゴミが入りそうで怖い。

image

 ディップ・スティックを差しこんで少しだけフツーのクルマになった。ついでにインシュロックで固定されていたカムプーリーカバーを交換するために外してみる。

image

 左が取り寄せた新品。右が現物。形が違うぞ・・・ 当然ながらこれでは取り寄せた新品は取付けられない。しかし現物品もエンジンへの取り付けが妙なので調べてみると・・・

image

 現物品とてなんだか無理くりつけている感じがしたからひっくり返してみて見るとニッパーかなにかで切り取った形跡がある。ひょっとして現物品はそこらへんにあったプジョーのエンジンから取り外したカバーを流用して取付けたとか?

 大きなカバーも取り外したいが、クランクプーリーを外さないとカバーは取り外せない。クランクプーリーを取り外すにはミッションを搭載した状態でないとガッチリと締結されたクランクプーリーナットを外すのは難しい。

 エンジンを降ろしてからクランクプーリーナットを外そうとするとエンジンをよほどしっかりと固定しないといけないのだが、たいていはそれが出来ない。車両を治具にしてクランクプーリーナットをちょいと緩めておくというのが一番だと思うよ。

 それにしてもカバーの型番と車両型番は一致するはずなのに相違するというのはどういうことか? よくよく調べてみると部品を発注したイギリスの業者がこちらから示した型番から「新しい型番」に修正してくれている。その新しい型番が実はウチのエンジンと一致しないということかもしれない。

 まぁカバーくらいなら、とりあえず現物を再度取付けておいて出来上がってからゆっくりやり直すことにしよう。

image

 部品を発注しないとトランスミッションは作業が進まないので、少し別のことをしてみよう。

 ノーマルのオープンデフを用いてデフのサイドベアリング脱着を試してみよう。オープンデフも購入したLSDにもデフ本体にデフ・サイドベアリングをプーラーで取り外す為のサービスホールは存在しない。つまりサイドベアリングの取り外しまでは考慮されない設計なんだ。

 そこでタガネてベアリングのインナーをプーラーが掛けられる隙間が出来るまでコツコツ叩いて移動させる。隙間が出来たらプーラーで外すだけ。

image

 ノーマルのオープン・デフからは思ったよりもあっさりサイドベリングが取り外せた。このサイドベアリングをLSDに使ってしまえばいいのでは?と、どうしようもないことを一瞬思ったが、18万キロを酷使したサイドベアリングなんて再使用していいことあるわけない。

 デフのサイドベアリングを挿入するのにはどうすればいいのか調べてみると、およそは「プレス機」で挿入している。プレス機で挿入するのにはサイドベアリングのインナーレースだけを押す治具が必要になる。

 そんなもの旋盤でひいてしまえばいいのだけれど、現在の環境では工作機械がないのでそうはいかない。レンタルガレージでプレス機は借りることが出来ても治具がなければサイドベアリングの挿入が出来ないわけだから。

 さて、どうするかな?この純正品を用いてサイドベアリングの挿入方法を試し、LSDにサイドベアリングを挿入できるようにしよう。  


もどる


L [PR] J[h @i ]E@XLAbv ^T[o[