ヤブ医者の健康診断4


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 修理出来ないプジョーを捨ててセレナを買った・・ というのはウソで、ファミリーカー「モコ」を「セレナ」に入れ替えただけだ。

 最大で8人も乗る事ができるクルマだ。7年落ちで3万キロという中古だが、地下駐車場に保管されていたので割とキレイなのだ。タイヤが新車時から交換されていなかったのでひび割れていたから、程度のよい中古タイヤに入れ替えてもらってピッタリ100万円。

 人類の文明を感じる作りでとても快適だということに驚いてしまう。セレナが自動車ならプジョーはさしずめ原動機付き自動車みたいなもんである。

リアアクスルを組み付ける


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当然なんだけれどもプジョーは不動車のままだ。せめてリア回りを終わらせてあげたいところだ。

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 トレーリングアームをメンテする。プジョーのリアサスはブッシュではなくローラーベアリングで支えられているのでレスポンスが半端ない。これが猫足プジョーの秘密だったりもするが、弱点でもある。

 つまりガタが出ると、どうにもならないというわけだ。ベアリングにグリスをさして仕上げる。  

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 リアアクスルをボディに取付けるのに外側からボルトを差し込んで、室内からナットを締め込む。一人ではなかなか難しい作業だ。このナットにタワーバーが取付けられている。そしてそこにバッテリーのGNDを共締めしているんだが、ボディ側は塗装を剥いでいない。つまりGND不良になりかねない状況だ。あぶないなぁ。

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 リアアクスルが取付けられたらトーションバーを用意する。 右が直径25mmのトーションバーで左の赤いのが純正品ですな。国内はで25mmは販売されていないので、海外から取り寄せた。

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 スプラインの外径と同じシャフト径なのでトレーリングアームを取付けたままトーションバーを引き抜く事が出来ない。

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 スプラインにグリスをヌリヌリしたらアクスルにトーションバーを挿入しておく。

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 トーションバーとトレーリングアームの合体。スプラインはキチキチなのでボルトとナットを使ってスプラインをトレーリングアームに挿入させる。

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このトーションバーがクセモンで左右の位置決めを自分で調整しないと右と左のトレーリングアームが正しい位置にないのでスタビが取付けられない。そこで一度リアアクスルを少し降ろしてトーションバーを外して位置決めし直す。これで一日が過ぎてしまった。

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 トーションバーのスプラインをトレーリングアームのどの位置に嵌合させるかでリアの車高が決まる。事前にホワイトマーカーで位置を印しておいたので、そこから1ノッチだけ車高を落とした位置で嵌合させてみた。

 トレーリングアームなので車高を下げすぎるとハンドリングが悪くなるから注意ですな。

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 これは反対側のトレーリングアーム取付けの様子。スプラインはキツいので叩くだけでは挿入できない。

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 そしてスタビを用意する。これも直径25mmという日本ではまず見かけないサイズだ。

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 右の黄色いのが純正品で左の黒いのが社外品。やっぱりスプライン外径と同じシャフト径だったりする。

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 そしてスタビを挿入します。スタビの蓋を取付けようとするとするとトレーリングアームの取付け穴とスタビの蓋の穴位置が合わない。おかしいな。

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 一度、スタビを取り外して確認してみると驚いた。スタビシャフトのスプラインが左右でズレているのである。奥は地面にピッタリ着いているが、手前は浮いている。スタビの蓋を差し替えてみても治らない。こんなのありか?

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 しょうがないのでとりあえず無理くり取付ける。あとで部品をまとめて注文するときにスタビの蓋も注文して穴位置をズラした加工品にしてみよう。

 ブレーキも一通り組んで問題がないことを確認したので、これでリアサス回りの整備は終了。長かった。

ミッションおろし


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 長かったサスペンションのオーバーホールを終えてようやくミッションに掛かれる。前オーナーが取付けたと思われる変なタンクやらパイプを外してミッションを降ろすのだ。

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まずはクーラントを抜いてみる。排水口にそのまま流しているが、会社でこんな事やったら環境事故で大騒ぎになってしまう。

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 手際よく補機類を外していきます。わけのわからん部品が多いのでホワイトマーカーで印をつけながらの作業です。冷却水のラインにシリコンホースを使っていたが、あれは危ない。屈曲すると水路を確保出来ないのでクーラントが流れなくなるし、シリコンは経年変化でボロボロになる。こんなのチューニングと呼べるのか?ただでさえ品質の怪しいクルマをさらに悪化させているのだよ。

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 ボディへのアースもこれではアブナい。塗装の上に金具を止めているので導通不良を起こしてしまう。菊座ワッシャーが使われていたがボディと圧着端子の間ではなく、圧着端子とナットの間なので意味がない。

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 ミッションを降ろす為にミッションに接続してる部品を外す。チェンジロッドをどうやって外すのかわからなかった。なんとジョイントをドライバーでこじると外れるという代物だった。

 写真中央の球体がリンケージの肝なんだ。これは本来樹脂で覆われているはずなのになぜか何もない金属である。どうも排気管の近くになったので樹脂が解けてなくなってしまったらしい。これはプジョーの弱点としてもつとに有名だ。

 おかげでシフトの遊びが増えてしまいガバガバのシフトフィーリングになっていたんだ。ヒドいなこれ。

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 ドライブシャフトも外す。FFなのでエンジンが右側にある。デフは左側なので右のドライブシャフトと曲がり角度を同じにするべく中間サポートが付いている。

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 セルモータはミッションに固定されているのでこれも外す。恐ろしいことにセルモーターのGNDラインはセルのボディに共締めされるはずなんだが、ナットがユルユルだった。よくセルがまわったもんだ。

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全部外したらミッションを降ろします。ミッションジャッキなんて持っていないのでミッションの下にタイヤとかジャッキを置いて落とさないようにしました。リアサスと違い国産車と変わらない時間で降ろせます。

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 5速のカバーを外して5速ギアを外そうとしたら手持ちにはないナットサイズで固定されていた。しかも回り止めの方法がわからない。これは次回までに調べて、ソケットを準備しよう。

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 片付けながらラジエターの水温センサ?のハーネスが気になったので剥ぐって見たらこれだ。剥いてヨジヨジしてビニテグルグルですよ。そのうちに緑青ふいて導通不良になるべ。ちゃんとハンダ付けしてやるからな。

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 ミッションが降りてぽっかり穴があいたエンジンルーム。実はエンジンにジャッキをかけないままミッションマウント外したらエンジンが傾いて大変なことになったのはナイショだ。

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 次回からミッションのオーバーホールフェーズになる。シンクロの状態などが気になるし、下手したらボロボロって可能性もある。どうもプジョーのミッションはショボくてストップリングが割れたというハナシを散見するし。


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