ヤブ医者の健康診断3


 おはこんばんちは。

 前回はシフト周りを剥ぐってみたところで終了したが、今回はちょっとその部分に手を付けられなかった。ので、また次回にその辺をレポートする予定。

 日頃、プジョーのハンドルを握る事はおろか、触る事すらできないのでボディーカバーをかけている。なんだけれど最近、どういうわけだか破れほつれが見られる。どっかに引っ掛けたとかそういう記憶がないんだけれども。

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 よく観察すると猫が登ってボディーカバーで爪を研いでいたのだ。だからボディーカバーがビリビリと破れるのか。

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 これはAピラーの部分になる。ここはさすがに猫の仕業ではなく、ワタクシのミスだ。

 ボディカバーが濡れている状態でカバーを引っ張ったら縫い目のあたりからビリビリと破れた。そんなことあるのかい?

 超ガッカリである。

リアアクスルを降ろす


 ブレーキラインを外すためにフレアナットレンチを購入したのにサイズが合わなかった。よくよく調べてみるとフレアナットがインチサイズだったのだ。ボディ系はミリサイズなのにブレーキだけはインチなんてあるのか。まぁ20年も前のフランス車だからありえるかな。

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 インチ工具も多少持っているのでそれでなんとか締結を解いた。

 プジョーのリアスタビライザーはただの棒である。エンドにキャップがついているのだが、これを外すのに皆さん苦労している様子である。セオリーではスライディングハンマーを使って外すらしいが、ワタクシはスライディングハンマーを持っていない。では、どうしたかというと・・

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 アストロプロダクツのギアプーラーを使って外したのだ。通称「スタビの蓋」にボルトを差し込んで、そのボルトをプーラーで引っ張るということで外す。ボルトがM10 1.25ピッチじゃないとダメなのがポイント。無理して普通に売っているM10のボルトを差し込むとネジ山がダメになる。今回はたまたま近所のホームセンターに売っていたから助かったが、こういう部品の買い出しの度に貴重な作業時間がなくなるのでキツい。

 このギアプーラーの掛け方もこの形にたどり着くまでずいぶんと試行錯誤してこうなったわけで、それだけ時間が掛かっている。わかればなんて事もないのだが、わからないと時間ばかり掛かってしまう。自分の手を汚さない人には「ネジを外せばとれるんでしょ」くらいにしか思われないもしれないが、それが出来れば苦労しないよ。

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 こっちは右側。左側が外れれば終わったも同然。

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 スタビの蓋が外れるとようやくトーションバーが見えてくる。トーションバーが抜けてこないようにするために偏心ワッシャーを使っていた。こんな部品を左右に咬ましているだけでトーションバーが抜けてこないようにしていたとは知らなかった。この仕組みを考えた人は頭いいな。プジョーのリアサスは独創的で面白いんだけれど、きっとこういうのは文系人にはなかなか理解されないところかもしれない。

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 トーションバーも引き抜くのにはスタビと同じ手法を用いる。ただしM8 1.25ピッチの長いボルトが必要になるのでモノタロウで購入。こうやって書くとまるでスラスラと作業が進んでいるように思われるが、ボルトのサイズが判明してから注文して一週間が過ぎてからの作業なんですよ。

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 ようやくリアのトーションバーが抜けてきた。ここまで来ればリアアクスルを降ろすのはあとちょっと。

 リアアクスルをボディに固定するボルトが曲者でした。普通の六角ボルトならなんでもないのですが、頭が四角いボルトなんですよ。だからメガネやソケットが使えずオープンエンドのスパナで外すしかない。

 こんなところまでイジリ止めする必要があるのだろうか?しかも日本では珍しい18mmというサイズであったりする。それを外すには18mmのオープンエンドスパナが必要だったりするが、普通は18mmのスパナなんてもっていないよね。モンキーで外れてヨカッタ。

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 日本国内のwebやblogではリアアクスルを外している例を見た事が無いがなんとか摘出成功。コツがわかれば決して難しい作業ではない。燃料パイプが邪魔をして右側のトレーリングアームが外れないが、アクスルを降ろしてしまえば問題ない。

 リアアクスルは重量があると読んで出来るだけ部品を外したから一人でなんとか出来たかな。マフラーを降ろしておくと作業が楽チンである。

リアアクスルのブッシュ交換


 リアアクスルが降りたらあとは事前の購入しておいたジュラコンブッシュに交換して組み付けるだけ・・ と安易に考えていたのですが甘かった。

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 ブッシュは四カ所にしか使われていないのに8つも納入されていた。予備にでもすればいいのだろうか?ジュラコンのブッシュ交換の経験がないのだが、まずは現在挿入されているブッシュを外すことが先だろう。

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 ブッシュはインナーカラーが鉄で、アウターカラーがFRPです。まずはインナーカラーを千切って抜きます。方法は足回りと一緒でボルトとソケットを利用します。

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 インナーカラーを抜き出すのは簡単です。  ブッシュにボルトの頭がめり込むのでワッシャーを数枚噛ませているのがミソです。別にナットでもなんでもいいのですけれど。

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 アウターカラーはFRP製なのでそんなにガッチリとアクスルにくっついてはいません。タガネを使って叩き出せばOK。ここは足回りと違って楽に進む。このまま一気に進めるか?と思ったのだが・・・

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 ジュラコンブッシュを挿入してみたのだが、途中であまりにも固くボルトのネジ山が潰れてナットが空回りしてしまった。なんじゃこのブッシュは??  手持ちのボルトが無くなってしまったので、久しぶりに手作りプレス機に登場してもらった。これで楽勝のはず?!

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 クルマの整備において「はず」「だろう」というヨミは外れる事がある。ブッシュを挿入するためにはプレス機の押し棒とブッシュが一直線にならないと斜めに挿入することになる。しかしアクスルが重く大きいのでなかなか難しい。

 一時間ほど頑張ってなんとか直線に整えてあげたのにプレス機に使っているボトルジャッキの能力でもブッシュの挿入ができなかった。これはピンチ。

 しかし人間は考える生き物である。ダメなときはまず原因を探ってみよう。アクスル側の穴はテーパー状になっていた、それに対してブッシュはストレート形状なので挿入すればするほどキツくなる。いかなジュラコンといえども外径で1.5mmも差があるとキツい。ではどうするの?

 それならブッシュもテーパー状にしてしまえば良いのです。でもここにはボール盤も旋盤もないのにどうやってやるのか?考えました。手で削ればいいではないかと。まずは金ヤスリで削ろうとしましたが、ジュラコンにはヤスリが殆ど掛かりませんでした。ならば・・

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 サンダーで軽く当てるといい感じに削れます。おお、いけるじゃないか。一台分は4個でいいはずのブッシュが8個も入っていたのはこういうことなのか? とにかく削ったらなんとかアクスルに挿入できるようになった。

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 キツかったのは2カ所だけで、他の二カ所は削らなくてもなんとか入ったのが不思議です。ボルトとソケットを使って締め上げればブッシュの挿入は完了。

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 これでようやくリア足回りの分解整備が折り返しまで来ました。長かったなぁ。

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 プジョーのリアはアクスルのこの部分が肝ですね。ここはローラーベアリングが当たる部分ですが、ベアリングがへたるとこのシャフトが偏摩耗したりして最悪はアクスルまるごと交換になりかねません。またリアタイヤを側面から強く当てたりすると曲がりが発生します。

帰ってきたアラゴスタ


 神奈川県厚木にあるオリジナルボックスにオーバーホール依頼していたアラゴスタのショックが帰ってきた。

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 オーバーホール費用は一本12,000円のはずのに20,000円もしていた。オリフィスとナットの交換が入っていた。表示価格とはずいぶんと違うみたいなのでインターネットで調べてみると皆さん似たようなオーバーホール内容みたいですね。別にオリジナルボックスさんが悪い訳ではないのですがね。オリジナルボックスさんは代理店なだけですから。

 オマケにスプリングシートと蛇腹チューブ、トップナットが付属してきた。特にトップナットはありがたい。18mmのナットは売っていないからなぁ。

 きちんとオーバーホールされていたので、ショックを手で押しても簡単には引っ込まないくらいに硬い。

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 戻ってきて嬉しいので試しに組んでみた。シェルケースに隠れてしまうのでアラゴスタとはわからないけれど、走れば違うのでいいかな。

 バンプラバーはカットが必要かな。バネが9kg/mmなのでほとんどプリロードは必要ないかも。ヘルパースプリングは密着状態で使い高さ稼ぎだけになっちゃうかな。

 目下の問題はアッパーだ。ピロアッパーが入手出来ずに困っている。海外通販サイトが安価なのだが、日本への発送をやっていない様子なのですよ。eメールで問い合わせても返事来ないし。日本国内でもピロアッパーは購入できるが高価なのがネックだ。汎用品を加工してもいいかと考えている。

 今後はリア足回りの組み立て。ピロアッパーの入手と加工について検討しつつ、ミッション下しへ移行していく予定だ。


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