見世物小屋

はじめに


 おはこんばんちは。

 いままでというかホームページ「酔猫庵」はずっと手書きのHTMLで起こしていた。

 いまどきそんなことするヤツ、あんのかよ?ってくらい珍しいと思います。 でも手書きのホームページなんて昔は珍しくなかったんですよ。

 20世紀末のころは手書きでホームページを自作しましょう・・ みたいなことが普通にありました。

 別にそれでもよかったのですが、近頃はシンプルな記述方式が登場してきたうちの一つにMarkdown型式ってのがありまして、今回はそれを使って書いてみています。

 ホームページは派手さよりも中身が大事なワケでして、そういう意味では一般的に販売されているホームページ制作ソフトを使うよりもずっとワタクシに向いているのはMarkdown形式なのです。ローカルドライブにインストールするタイプからwebアプリタイプまであります。無料なので試すのにはちょうどいいです。

 さて、プジョー106ラリーが納車されたものの、いまだに駐車場から20mくらいしか出ていない。

 というのもせいぜい車両の向きを変えるというコトくらいしか出来ていないからだ。

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 今回は車の検分と不具合対策をちろっと書いてみる。

現実直視


 自動車をヒストリーや仕様で満足出来る人がうらやましい。実物を自分の目で確認すると真実が見えてきます。 image

 今日の軽自動車よりも短いホイールベースなんだけれど、やっぱり幅があるので軽自動車よりあからさまにデカい。

 最近の車は前輪軸上にフロントガラスの先端が来たりするが、このころのプジョーはずいぶん後ろなので時代を感じる。

 いっちょまえにオーバーフェンダーが付いてるし、フロントサイドウインドには雨よけも付いている。クーラーのないこの車には必須かもしれない。

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 運転席部分を見るとレーダーとかカーナビとかUSBオーディオなど文明的な装置が付いている。ワタクシは公道で制限速度までしか出さない人間なのでレーダーはいらない。どうせサーキットかジムカーナしかいかないのでナビも取り外そう。携帯電話ホルダーもガラケー用なのでこれも不要だ。

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 ハンドルは純正品が付属していた。擦れやヘタリが見られない事からほとんど使われていなかったと思われる。10時10分で持ちやすい形状をしていますね。

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 現状取付けられているナルディのハンドルと純正ハンドルを比べると2まわりは大きさが違う。

 ハンドルが小さいほど早く回せると思うかもしれないが、そんなことはない。このプジョーのようにパワステがない車両では大きいハンドルのが楽に回せるのだ。早く回すのは技術であって大きさではない。これは純正品に戻そう。

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 いまの乗用車感覚からすると薄っぺらい内装の雰囲気ですね。窓ガラスは手巻きだし、サイドミラーは内側から角度を手で調整するタイプだ。しかもサイドミラーは折りたたみ式ではない。

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 ペダルは18万キロを走っただけのヘタリが見られる。アクセルペダルは手製のペダルカバーがネジ止めされているのが泣ける。ブレーキペダルは踏み込むたびにキーキー鳴っているので、これも調査して治したいところだ。

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 プジョーのフシギはクラッチペダルがブレーキペダルに寄り過ぎているのである。左前輪のホイールハウスが迫っているからかもしれないが、シートに座って構えてみると右を向いて運転しているような感覚になる程だ。

 ステアリングラックがペダルシャフトよりも上にあったりするので、足元にステアリングシャフトがない。ひょっとしてこれは左足ブレーキを使う事を前提とした作りなのだろうか?

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 シフトフィールはしっかりしてる方だが、ストロークは大きめ。クイックシフトがウケる理由がわかる気がする。

 シフトブーツの周囲にベゼルがないのでシマリが悪い。これもなんとかキレイにしてあげたいところだ。

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 2ドアの4シーターなので前席のシートベルト固定方法がよく出来ている。   image

 この車はどういうわけだか天井がなかったので別の車の天井がついている。天井の内張りがないと車検に通らない。よく他の車の天井がくっついたもんだと感心する。

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 でもいつ落ちてくるかわからないのでちょっと怖いね。なんとかならないかな?

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 いかにもフランス車らしいドアハンドルをしているが使いやすさはイマイチである。ボディ表面にハンドルが見えないというのは素晴らしいが、操作性はどうもねぇ。女性のコトを考えて作っているのかな?壊れない事を祈りたい。

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 リアシートも使われた形跡は薄い。車両の性格からするとそんなものだろうか。そういえば前も後ろもフロアマットが付いているが、これはオリジナルものではないだろう。106後期のかな?

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 後席左側には灰皿がついてる。最近の車には灰皿なかったりしますね。

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 この車のウリは実はリアラゲッジの広さだったりする。そのためにリアシートの座面は跳ね上げ式になっている。

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 写真は白が飛んでいるのでちょっとアレなんだけれど、リアシートの背もたれを倒すとフラットなリアラゲッジが現れる。リアサスペンションがコイルバネではなくねじれ棒式だからこそできるこの空間は国産車にはない優れた点だろう。

 ちなみにリアバッテリーはあとから移設されたものだ。開放式のバッテリーなので充電すると水素が室内に充満して大変危険だ。換気して走らないとスイッチを操作した時のアークで火の車どころではなく、ハリウッド映画のように爆発してくれるかもしれない。

 これは密閉式バッテリーにしてケースで覆う必要がありそうですな。

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 プジョー純正アルミホイールにスタッドレスタイヤが付いてきた。転がし用にこのスタッドレスを使う事にしよう。

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 ジャッキアップして前輪を外してみた。驚くべき事にベンチレーテッドディスクブレーキが付いていた。ヨーロッパ車なのでホイールボルトでホイールのセンタリングをするのではなく、ハブ穴でセンタリングするモンだからタイヤを外すのはいいんだけれど、取り付けが超面倒だ。

 よく見るとインナーフェンダーに接触している。スペーサーかまさないとダメね。あ、ヨーロッパ車なので国産のスペーサーが使えないのよね。ハブ付きのを買ってこないと。

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 ブレーキホースがステンメッシュなのはラッキーか?それにしてもブレーキなのに配線が2本来ている。ABSなんてないのになぜ?どうもブレーキパッドの減り具合をみているようで、ブレーキパッドがすり減りすぎるとメーターパネルに警告が出るみたいだ。

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 ステアリングラックのブーツだけは交換したことがないみたい。カピカピになっているのでこれも交換してあげたほうがよさそうだ。

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 リアタイヤも外してみた。前もそうなんだけれどシャシブラックを吹き付けられていてやっかいだ。これは左後ろ足なのだが、写真右側に上下方向にガソリンパイプが走っているのが見える。ラリーとかで石をぶつけているとなんだか気分がわるくなりそう。

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 これはリアのショックアブソーバーだが多分ビルシュタイン製だと思う。いや売り主がそう言っていたんだけれどね。シャシブラックの剥げたところに青い下地が見えるのでそうじゃないかと。ちなみにローダーから降ろして駐車場まで走って来るまでの間、わずか50〜60mだけれど、多分ショックは抜けていない。ラッキーだ。

 ボディから下に向かって生えている三角形の部品はなんとバンプラバーだ。こんな形状のは初めて見たんだけれど、リアがトレーリングアームなのでこれでもいいのか。

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 フロントストラットタワーバーはなぜかネジがない。ストラットは2本もあれば十分なのでいいか。

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 ヘッドライトが点灯しない。HIDはジージー言っているので昇圧しているみたいなのだが、キセノンランプが点灯しない。HIDは好きじゃないのでハロゲンランプに戻そう。

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 写真上が前方向のラジエター上面写真。驚くなかれ、なんとラジエターはアルミ製である。しかし、ラジエターが歪んでいるのがわかるだろうか?これはフロントメンバーを事故でゆがめた可能性が高い。

 そう思って修理履歴を眺めたら思いっきりフロントを修理した経歴を発見。前足回りを全部交換している。

 おまけにラジエターファンを修理したあともみられる。そのうちにラジエターファンが回らなくなってオーバーヒートってシナリオがありそうな予感だ。

 前オーナー曰く「クーラントが減る」というが、たぶんラジエターがひん曲がっているからだろう。歪んだラジエーターだと水温が上昇して内部の圧力が上がったときにラジエターの歪んだどこからかクーラントが逃げ出すのではないだろうか? 漏れを確認出来たらラジエター屋で修理してもらおう。

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 スペアタイアの確認。スペアタイヤは室外なので脱着が面倒だ。スペアタイヤの中にジャッキが入っている。

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 ジャッキは新品未使用かと思ったが、そうではなかった。スペアタイヤもヒゲがないことからパンクは数回経験があるのかもしれない。まぁ18万キロも走ればパンクの一つや二つはあるだろうし。

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 パンタジャッキはちゃんと動作しました。意外にも軽々と持ち上がります。日本車のジャッキとはひと味違う形状なのがエキゾチックね。

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 プジョー106ラリーといえば白い鉄チンホイールが付属することは有名だろう。よく見ると一本だけ色が違う。日焼けしたのかな?  ちなみにこのホイールはMade in Franceでミシュラン製ときている。

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 ムッシュ・ビバンダムのミシュラン製鉄チンにはYOKOHAMA・NEOVAが付属してきた。タイヤサイズは185/60R14 82Hなんだけれど、これだとハンドルを切ったときにインナーフェンダーに微妙に擦るので薄いスペーサーをかます必要がありそうだ。標準は175なのでしかたないかもしれない。

 タイヤの減り方が均一なのでサーキットやジムカーナをやってきたわけではなく、峠を楽しんで走っていたのではないかと推測される。まぁサーキットやっていればフルバケだけなく4点式シートベルトがあるはずだが、それがないし取付け穴もないことから普通に走って楽しんできた車両なのだろう。

隣の芝は青い


プジョー106ってどんな車なんだ?

カタログスペックから比較する事で見えてくる事もあります。ここでは比較としてプジョー106ラリー1.3、デミオスポルト、アルトワークスを並べてみた。

【仕様比較】
モデル プジョー106
Rallye 1.3
デミオスポルト
5MT
アルトワークス
年式 1991年 2013年 1999年
全長(mm) 3565 3900 3395
全幅(mm) 1605 1695 1475
ホイールベース(mm) 2385 2490 2360
トレッド(mm) 不明 1465 1305
車両重量(kg) 810 1000 700
モデル プジョー106
Rallye 1.3
デミオスポルト
5MT
アルトワークス
エンジン L4 SOHC8V L4 DOHC16V L3 DOHC12V
ICターボ
ボア×ストローク 75.0×73.2 78×78.4 68×60.4
馬力(ps rpm) 100/7200 113/6000 64/6500
トルク(kgm/rpm) 11.2/5400 14.2/4000 10.8/3500
パワーウェイトレシオ 8.10 8.84 10.93
モデル プジョー106
Rallye 1.3
デミオスポルト
5MT
アルトワークス
フロント
サスペンション
マクファーソンストラット
+コイル
マクファーソンストラット
+コイル
マクファーソンストラット
+コイル
リア
サスペンション
トレーリングアーム
+横置きトーションバー
トーションビーム
+コイル
トーションビーム
+コイル
フロント
ブレーキ
ベンチレーテッドディスク ベンチレーテッドディスク ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ ドラム ドラム ディスク
タイヤサイズ 175/60 R14 195/45 R16 155/55 R14

 プジョーのエンジンはほんとトルクがないように見えます。とはいってもGA2のシティだって似たようなものでアルトワークスがスゴすぎるだけです。アルトワークスはちょっといじるだけで簡単に出力が上がるからねぇ。

 プジョーだけがリアサスペンションにトレーリングアームをつかっています。しかもトーションバーです。つまり螺旋のバネがありません。おかげで荷室が広々となっています。でも、ブレーキすればジャッキアップするし、コーナーでロールすると極端なハンドリングするであろうトレーリングアーム方式はあんまりよろしくないので今ではどのFF車もトーションビームになっていますよね。

 最新のプジョー107だってリアはトーションビームです。もっともカタログスペックだけでは速いかどうかわからないところが面白いのですよ。

暗黒の20年間


 20年オチのフランス車ですから人から人へ渡り続けてきた歴史がありましょう。

 1996年10月21日 神奈川県にある株式会社ジー・エス・ティーで購入

 2003年頃まで東京都のオーナーが10万キロ過ぎまで所有

 2003年 宮城県で登録

 2004年 宮城県で再登録

 2009年 鳥取県で登録

 2013年 神奈川で登録 <- いまここ

 あくまで確認とれただけのことでもう少しオーナーがいるかもしれません。

 面白い事にこの車には過去の歴史を知る貴重な資料となる請求書がありました。ざっと眺めただけでもかなり手強い修理履歴を見て青くなりました。

日付 場所 作業内容 金額(円)
1997/11/13 千葉 整備 99,820
2000/5/8 千葉 整備 57,813
2001/9/6 埼玉 車検整備 333,660
2001/9/23 埼玉 部品 2,500
2005/2/28 宮城 整備 21,420
2004/6/29 宮城 修理 282,618
2007/8/20 宮城 整備 17,560
2009/7/4 鳥取 車検整備 138,000
2009/7/13 鳥取 小整備 67,547
2009/8/18 鳥取 小整備 56,930
2009/10/23 鳥取 小整備 8,610
2010/1/5 鳥取 板金塗装 200,000
2010/2/20 鳥取 板金塗装 12,495
2010/3/26 鳥取 部品購入 2,000
2010/4/12 鳥取 板金塗装 65,100
2010/4/30 鳥取 小整備 24,255
2010/9/10 鳥取 故障修理 202,700
2010/9/24 鳥取 油脂交換 47,040
2011/2/8 鳥取 油脂交換 2,940
2011/7/8 鳥取 車検整備 170,525
2011/7/28 鳥取 小整備 81,900
2011/10/24 鳥取 小整備 8,400
2011/11/10 鳥取 小整備 9,429
2011/11/21 鳥取 レッカー 11,340
2011/12/2 鳥取 小整備 45,644
2012/2/14 鳥取 部品 47,040
2012/2/26 鳥取 レッカー 31,500
2012/3/19 鳥取 小整備 32,200
2012/6/5 鳥取 油脂交換 0
2013/2/14 鳥取 小整備 4,200
2013/7/5 鳥取 車検整備 134,520

いやぁ何これ?って金額ですよね。でも冷静に眺めていたらほとんどが人件費なんですよ。車検はしかたないし、あとは部品代かな。部品代にしても輸入車として普通の価格のモノばかりで某イタリアのスーパーな自動車みたいに「はぁ?」という部品代ではありませんでした。

 この手強いフランス車にどのように素人がどこまでやっていけるのか? 今後をお楽しみに。

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