不機嫌なエンジン
自動車マニアには避けて通れないトラブルがある。
一つはクラッシュ。もう一つはエンジンブローである。
一般的なマニアにはクラッシュのみが問題となり、タガの外れたマニアはエンジンブローで泣きを見るものであろうか。なにしろ今のエンジンはインジェクションによる燃料噴射だから故障し難いようによくできている。
<サルベージ編>
さて、我が藤崎自動車のアルトはハイテンションコードのリークで「スズキアリーナ湘南ひらつか」に這って転げ込んだのである。
問題はそのプラグコードだから交換すれば復活できるものだと楽観していたのですよ。
ところが、月曜日に工場長から直接電話があり
「フジサキさん、アルトなんですがプラグコードのリークかと思ったら一番シリンダの圧縮がないんですよ」
・・・・○×▲●■!@#$%^ ?!?!? そりってバルブが落ちたということですか????
「・・・・まぁそういう事になりますかね」
どうやらエンジンの具合が悪いのは点火不良というだけでなく、エンジンブローという致命的故障によって引き起こされたということであります。コリは大変だ。
バルブの棚落ちでは自走して平塚から市川まで走りきることは困難であるので、格安のセルフローダーを手配しました。
あれから一週間後、東戸塚にある
ホンダ オートレンタカー
にて積載車を借りてアルトを引き取りました。
ホンダにレンタカーがあったなんて知りませんでした、FITからS2000まで様々な種類の車を借りることができます。
なぜかそこの営業マンは熱心にS2000の高回転領域は素晴らしいとワタクシに説いておりました。ワタクシがモータースポーツをしていることをナゼ知っているのだろうか??
東戸塚から平塚の「スズキアリーナ湘南ひらつか」に向かうと待ち構えていたかのように営業マンが飛び出してきました。車を買う客でもないのになぜ?
ポンコツアルトを引き取りに来たと伝えるとすぐに工場長がやってきましたよ。
なんだかとても苦い顔をしてあらわれた工場長。直ぐにポンコツアルトを引っ張りだして来て積載車に載せるようにしております。
ワタクシがなれない積載車の操作をテキパキと手伝ってくれて、さらに自らアルトを載せて頂きました。
プラグコードの代金だけでも払わにゃならんということで工場長に話すと、
「いや、そのお金はいいですよ。最初に圧縮がないことに気がついていませんでしたから」と。
いや、プロですよ。プロ中のプロのこの発言。自分で点火不良と診断して、実は圧縮不良も引き起こしていたのに、そのプラグコード代金は受け取らないという。
金額にして5000円程ですが、それは自分の持ち出しだとする。もう頭があがりません。
そうか、だから苦りきった顔をしておったのか。
「スマンのぉ」と内心思いつつもデカイ積載車の運転席に乗り込み走り出しました。
ホンダのレンタカーなのでいすゞのマークの上にホンダのマークもついているぜ。
そういえばホンダはいすゞにOEM供給していたもんね。
クラッチレスではないけれども、6速マニュアルですよ。
実はこの日、財布に現金2000円とクレジットカードしかなく、スズキでの修理代をどうして払おうかと思いあぐねいていたところにこの好意。
近くのコンビニでほっと一息です。しかし、ETCカードも忘れたので首都高に乗れないのは痛い。
この車で茅ヶ崎の友人宅に寄って下道で千葉県市川の自宅まで下道で走りました。
自宅でETCカードと銀行カードを掴み、今度は習志野の駐車場まで走ります。
土曜日の午後ともなるとららぽーと渋滞とモーターショーの車で国道357は縦列駐車である。
ヘロヘロになって習志野についたのが午後4時。平塚から4時間もかかっています。はぁ・・
レンタカーの営業所は午後7時で閉まるからあと3時間で習志野から東戸塚まで走らなきゃならん。
なのに津田沼駅付近は大渋滞。
どうにか国道357に乗ったもののモーターショーの帰りの車でやっぱり渋滞。首都高も舞浜と保土ヶ谷で激しく渋滞。
冷や汗かきながら営業所に辿り着いたのが閉店15分前の6時45分。アァ、クタビレタ。
<検証編>
翌日からはエンジンブローの検証をします。
朝からプリウスに工具箱を積み込んで習志野の駐車場まで行きますよ。
アルトのボンネットを開けてみると、いつもとまったく様子が変わりません。
強いていえばハイテンションコードが変わった事くらいであろうか
しかし、そのハイテンションコードもよく見ると防水対策としてキャップとコードの間に接着剤が塗ってあるようだ。以前のにはなかったからやはり問題になったのだろうかな?
まずはエアクリーナーを外してみましょう。
キャブのバタフライにガソリンがついています。(写真では見難いですが)
どうやらインテーク側のバルブがやられたようですね。
ヘッドカバーをはぐってみました。
前のオーナーはあんまりオイル交換をマメにしていたとは思えないですな。
そういえば最近の車のヘッドカバーは樹脂製だよね。耐熱樹脂なんだろうけれども、スゴい進化だよな。
一番シリンダのインテークバルブがアヤシいということでロッカーアームを外してみると・・・
「あり?!?! バルブスプリングが取れちゃったぞい」
普通はバルブスプリングはコッターピンによってバルブと合体している。つまりコッターピンを取らないとバルブスプリングは外れないのだが・・
うっはぁ〜 これは衝撃的映像だ。
なんとリテーナーが砕けているじゃないですか。
リテーナーって割れるんですか? 知らなかったヨ。
ついでにあったはずのコッターピンはどこを探しても見つかりません。きっと腰下にオイルと一緒に流れていってしまったのでしょう。
ついでにここのバルブは押しても何をしてもさっぱり動きません。多分、ピストンとクラッシュしたときにバルブステムがひん曲がってバルブガイドにしっかりと喰われてしまったのでしょう。合唱。
なかなかに衝撃的な状況。
なんでエンジンが壊れたのかと二つの原因を考えてきました。
(1)デトネーション
(2)オーバーレブ
工場長ともハナシをしましたが(1)は考え難いとのこと。
となればやはり(2)の過回転であろうか。
許容回転数である8000rpmを越えるエンジン回転数になり、バルブサージングが発生。
バルブがカムシャフトと連動しない動きを起こしピストンと衝突するバルブクラッシュを発生し、そこへカムシャフトがバルブを押し込もうとしリテーナーが粉砕してしまったのかな。
ワタクシはこのへんが素人なので是非にご意見を頂きたいものである。
さて、これからどうするかな。二つの道が考えられる。
一つはエンジンだけを買って載せ換える。
もう一つは、新しい車に買い替える。
何しろ中古エンジンを購入しても5万円。別の車を買っても5万円。このクラスの車なんてこんなもんでしょう。
いろいろな部品を購入してワタクシもちょっと懐が寒い。エンジンを載せ換えるにしても場所とか道具も問題だ。新型車にしてもまたイチから作り直すとなると時間も掛かる。
いろいろと考えねば。
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