統計学的ジムカーナ手法


 先日に今年最後の秘密の練習会に参加してきた。
 いつもの事ではあるのだが、日曜日の練習会の前日には必ずと言ってい程に飲み会が入っている。特にここ2ヶ月程、週末の金土日は連日飲み会である。
 そして走行会というのは朝早くから始まり、且つ場所が自宅から遠いのである。(トホホ)


 さて、またしても二日酔いのジムカーナという事であるのだが、今回は少し趣を変えた。
 本題にある通りに少しマジメにジムカーナを考えてみようという企みなのである。
 具体的には

 (1)コースレイアウトを正確に測量
 (2)走行毎のタイムから全体の傾向を探る
 (3)タイヤとブレーキの温度変化を把握
 (4)加速度から走行毎の結果を客観的に計る
 (5)定点からのビデオ撮影により挙動を外観から確認

 ということである。
 ジムカーナとは毎回変化自在なコースレイアウトを走るのであるが、その走行ラインとかブレーキングポイントは経験やカンといった事から導かれる事が多いような気がする。
 そこで、直感に頼るのではなくって、要因を定量化し、コースやコンディションから最適解を導きだそうということなのであります。
 だからといってF1みたいな事を最初からするのは大変なので「出来るところからデータを集めていけばそれが宝となる事もあるかもしれない」と、妄想していたりするワケですよ。


道具の紹介と利用例

(1)にもある測量はとても大事だ。
 幸いにジムカーナはパイロンでコースが設定されているので、レイアウトを測量するのが簡単である。
 そこで、測量のための秘密兵器がこれ!

 道路工事でも利用されているローラーメジャーであるな。
 最小10cm単位で1kmまで測量する事が可能である。
 ジョイフルホンダで¥6,000を切る程度なのでちょっぴり高価ではあるが、これがなければ測量は始まらない。
 ちなみに超音波式の測量器も存在するが、飛距離が15m程度しかなく、斜めになっているパイロンは正確に超音波を反射出来ない可能性があるので、採用を見送った。

 秘密の練習会は日本でもミニマムクラスのコースである。
 これを狭いと思うかどうかはいろいろと意見があるだろうけれども、少なくともワタクシは狭いとは思わない。
 むしろ「丁度いい」サイズである。(一人で浅間台で計るのは大変だものな)
 
 以下に今回のパイロンレイアウトを示す。

上図は主催者から頂いたコース図であり、これを測量すると以下のようになる。

ちなみに午前も午後もパイロンの位置は一緒である。

 秘密の練習会会場には側溝が存在するので、それを基準に測量しCAD上にプロットしていくと上記のコースレイアウトになる。
 ここまで出来るとかなり正確なコースレイアウトを眺める事が出来る。
 パイロン間の寸法は全て10cm単位となっている事に注意頂きたい。
 コースを地面から眺めるのではなく、正確に計り取ったものでライン取りを考えると自分の走行が正しいかどうか判るはずです。
 ワタクシのように加速度計を搭載していると、どこでどのくらいの速度やコーナリングフォースがかかっているかも見えてくるわけだ。


 もちろんパイロンの位置関係を測定するだけではなく、自分のライン取りをローラーで測定すれば、走行距離もわかるのである。

 1回目:253.4m
 2回目:273m
 3回目:271m

 午前中のコースを三回測定してみると上記のようになった。
 自分のライン取りという事でオープンデフのFF車である事を前提にして眺めて頂きたい。
 たかだか三回の計測ではあるが、ちょっとしたライン取りの違いで10m以上も走行距離に差が出るのであるから、いかにライン取りが重要であるかわかるであろう。
 もちろんライン取りが全てではないが、たかがライン取りされどライン取り。馬鹿にはできません。



(2)全体の傾向を推し量るのは表計算ソフトが一番である。
 本当はExcelが一番使いやすいのであるが、残念な事にワタクシは持っていない。
 そこでOpenOfficeなるソフトを使ってなんとかまとめている。やっぱりExcelに比べると大量のデータを処理すると見劣りしてしまう。。。  まぁタダだから文句はいえませんね。





ちなみに上図は秘密の練習会午前のなかで標準偏差が1以下の方々を抽出したものであります。
 標準偏差はタイムにバラツキの少ない程に0へ近づくと思って下さい。 
 タイムにバラツキがあるのは車に遊ばれているかフロックなだけかなと。1発ドカンの勝負も好きですが、機械の性能に頼るのは本懐ではないので、今回はこのようにして並べてみただけです。
 驚くべき事にワタクシのトディはバラツキが1秒以内という事で偏差最小でトップです。(Aは無視してください)
 たかだかジムカーナ。270m前後のコースで標準偏差1以内で走行できるという事は恐るべき集中力といえよう。
 グラフを眺めてみるとTry1 よりもTry2、そしてTry3でほぼベストタイムが出ている事が見受けられますね。
 そしてそれ以降はあまりタイムが短縮されない傾向にあるようです。
 ここから見いだせるのは、どの走行にオイしい走り方を持っていくかというのが大事になるのかなと思います。


 実は前から計測結果をこのようにまとめていたのですが、我がトディは午前に限りトップ10にランクインされるのです。
 しかし午後はダメダメです。
 午前2時半に起きて午前に6本も走行し、午後にもなれば集中力も下がります。
 秘密の練習会でつとに高名な佐川先生をもってして
 「集中できるのは4本目までだねぇ」
 とな。
 となるとワタクシが秘密の練習会にて本気で走れるのは午前だけともいえます。
 戦略をたてるなら午前に勝負走りに徹し、午後は練習走行にまわす事も策かもしれません。

 
(3)ジムカーナでタイヤやブレーキローターの温度を計っている御仁を見かけた事がない。
 夏場になるとタイヤに水をかけているが、あれは何をもとにしてそうしているのか意味が分からない。触っただけで熱いからと水をかけるのは如何なものであろうか?
 そこで今回はは正確に温度を計測するために非接触式の温度計を購入。

 これは秋葉原の秋月電子で購入したものであるが、上限は+500度まで計測する事が可能なので、夏場のブレーキローターの温度も余裕で計測出来るであろう。
 ちなみにこれは物体の放射温度を計測するものである。トリガーを引くとレーザーマーカ−が照射され、その付近から発せられる温度を計測するものである。

さて、今回は11月も下旬ということであまり気温も上がらない。
午前走行前の路面温度が摂氏8度。以下は、午前のトディにおけるブレーキローターとタイヤの温度を表したグラフである。

 4走目でほぼ温度は安定状態になる。
 ちなみに1走目終了後の温度が計りとれなかったので2走目の温度を持ってきている。
 45分間で7走。1走の距離が270mを34秒。よって45分間のうち9%程が走行時間となるなかでの温度がこの程度。
 タイヤはサッパリ暖かくならないので、ほとんどタイヤの性能を発揮していないのではないでしょうか
 フロントブレーキはそこそこ温度上昇が見られますが、リアはまったく暖かくなりません。
 平塚でサーキット用などの高温領域で性能を発揮するブレーキパッドを装着していると、全く的外れなことになってしまいますね。

ところでトディのブレーキ温度のハナシが出ましたが、次の写真を見て頂きたい。


 ローターをよく見ると外周側がほとんど使われていないのである。
 これではフロントのブレーキディスクが加熱してしまっても仕方がありませんね。
 トディも年に数回しか乗らない上に、車検はオートウ○ーブの激安車検なもんだからこんなになってしまったのだよ。ちゃんとブレーキのオーバーホールしないと。
 これでモータースポーツをするんだから真剣な御仁に「冒涜しているのか?」と怒鳴られそうである。 
社会的にも問題があるので次のシーズンまでには直します。


(4)加速度計は前回にも登場したもの。これと会社の同僚からビール券で交換してもらったソニーのノートパソコン「バイオ」を車に積み込んで加速度を計測するのである。

 このノートパソコンはPentium2 333MHzしかないけれども、シリアル通信をする程度であれば、そこそこいけます。ただしOpenOfficeの動作はかなり辛いですが。

 車にノートパソコンと加速度計を搭載して加速度を計測してみたのでありますが、スタートからゴールまで計測を行えたのはたったの一回のみ。他はエラーで最後まデータを取得できなんだ。
 言い訳はその辺にして下のグラフをご覧頂きたい。
 GXが車両の前後方向の加速度を示す。数値が+であれば前進。
 GYは横方向となる。数値が+であれば左に加重が掛かっている。つまり右に曲がっている状態。縦軸が加速度(G)、横軸が時間を示す。ちなみに生データからグラフを生成した訳ではなく、移動平均を5回で取って加速度に変換しています。
 
 ピンク色の四角の部分1は最初のP1を左に曲がるところですね。
 サイドブレーキを引いているのでGYは-0.8G近くまで達しています。
 その後、GXは+側に転じて大きく落ち込んでいます。
 これはLowから2ndにシフトチェンジしたからです。

 緑の四角の部分2は定常円旋回ですね。
 この走行では定常円旋回をコンパクトに走る事にしていたので、円を書く走りというよりも四角形に走ったはずです。
 証拠にGYが大きく4回0.8Gを超えています。また、その時にブレーキングも行われた事からも、かなりパイロンを回り込む走りをしていた事が伺えます。

 青の四角の部分3はP7の450度ターンです。
 大きく回り込んでサイドブレーキをたっぷりと2回引いています。
 立ち上がりは直ぐに2ndに入れてスピードを取りたいので450度のターンでも進入と離脱の仕方次第では2回のサイドブレーキでも旋回できる訳です。

 黄色の四角の部分4は2ndかLowに叩き込んでP14に踊り込むところですね。
 GXの下り方を見ると無駄なくとHeel&Toeが決まっています。
 サイドブレーキは3回のチョン引きでしょうか。自分で見ても何ですが、アクセリングとブレーキングが交互にこれだけハッキリと見えるとは思いもしませんでした。

 赤い四角の部分5は最後のキツいP1のターンです。
 GXとGYが一度フラットになっていますね。なんででしょう?
 サイドを引いたのかそうでないのか記録がないのでわかりません。

 と、まぁこんな感じになるのですが、最初の走行しかデータが取得できていないので、比較のしようがありません。
 比較する事からどこが良くて悪いのかが読めてくるのですが。残念。
 

(5)ビデオカメラで撮影してもらえれば一番イイのであるが、それは撮影者も大変なのでコースが出来るだけ撮影できる地点に三脚を用意して撮影しっぱなし。
 幸いな事に自宅のMac miniはビデオカメラを直結して取り込めるからラクチン。
 しかし、三脚固定の映像というのは走行の一部分しか撮れないので見所を絞らないといけません。
 当然のことながらそれ以外は全く見られませんからねぇ。
 一人で何でもやるのは大変です。
 ちなみにビデオ映像も載せようかと思いましたが、あまりにもトディが遅い上に面白味がないのでやめました。


まとめ

 定量化などと大口を叩いてみましたが、その割には得るものが少ない。単に自己満足に陥っているというが今回の総評でしょうか。
 それでは前進しないので今後効果が見えてくるようにしなければなりません。

 測量を1シーズンも行えば予想走行タイムが見えてくるはずです。
 過去の走り方から最良のライン取りを考えていけば迷いは少ないはずです。

 走る前からどのように走行するかをイメージではなく紙に残す事が肝要であります。
 予定した走行と実際に走った時のデータを比較していけば何が悪いのか見えてくるハズです。

 ローターとタイヤの温度も1シーズン取っていけば、どの温度領域が一番性能を発揮するか見えてくるはずです。オイしいところが発見できればそこで勝負をかける事が出来るはずです。
 機械の性能の変化を知ること。当てずっぽう最速を期待するよりもまだマシです。

 加速度も1本しかデータがまともに取得できませんでしたが、内容は期待以上です。
 
 今回は加速度のみの計測でしたが、現在ABCペダルとサイドブレーキのデータも取得できるコンピューターを作成しているので、来シーズンにはそれを投入できるでしょう。
 最後に恥ずかしいハナシを一つ。
 あまりにも身体が鈍っているのか、それとも横Gが強すぎるのか。午前の走行終了で腰を痛めてしまいました。 もうおじいちゃんのような腰となってしまい、以後三日間は腰痛に苦しめられました。
 次回は腰痛防止バンドの用意を忘れないように。と。


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