浅間台に消ゆ


 先週末はセルボで秘密の練習会に参加し、自分の実力の無さを思い知った。

 ところで有給休暇を2日間も半ば強制的に取らされたので、これ幸いと浅間台のフリー走行に馳せ参じた。
 浅間台は何年振りであろう? 帰国してから走った記憶がない。という事は3、4年は訪れてはいないのであろうか。
 しかし、そこに行ってみると浅間台は昔とちっとも変わる事がなかった。強いて言えばメルセデスが隅っこに三台もあることか。ジムカーナ商売はそんなに儲かるのであろうか??

 浅間台に辿り着いてみると、今回はとある女子大の自動車部の女の子が三人も走りに来ていた。
 シティをトラックに積んでくるなんて随分とたくましい。
 話をしてみるとフツーの大学生という感じで、ちょっとついて行けないところもある。が、向上心旺盛でそれはそれでよいと思う。

 女子大生と一緒にジムカーナなんてヤバいくらいにハッピー(こんな言い方恥ずかしくて言えませんが)なワタクシ。しかし、運命の時は確実に近づいていた。

 セルボのクラッチ不調を抱えつつもSタイヤを履いて走る。ターボがドーンと効くとクラッチが滑りまくる。
 気温が低い10時前はそこそこタイヤが滑っていたが、日が高くなり気温が30度を超えるとタイヤのグリップが異様に上がる。
 当然、加速ではクラッチが滑り、サイドターンではリアが滑りにくくなる。
 そして横Gがかかるところではインリフトをする。
 ここでアクセルを開いてもオープンデフのトディなら内輪が空回りしてしまうが、L.S.D.を装着したセルボは加速をやめない。
 でも転倒するのはイヤだからアクセルを緩めてハンドルを戻す走りになる。

 ところで浅間台のコースレイアウトはパドック側に島があり、ここらにパイロンをいくつかおいて細かいセクションを作る傾向がある。
 もちろん、この日もその通りであり、そこにセカンド全開で進入してサイドを引かせるセクションになっていた。
  ワタクシは右にGをかけた状態で右ターンという逆Gをかけさせるコースでセカンド全開で飛び込んで、ヒール&トゥーでローにしてサイドブレーキを引く。
 それと直後ににアクセリングを開始。右に溜まったGは左に移り、それをサスペンションが持ちこたえられなくなったその時にふわりとインリフトを起こした。
 水平にあった地面が垂直になり前に迫ってくる。
 グシャーンとフロントシールドが逝ってしまうのが見えたら、後は黒いアスファルトが無情に流れていた。

 ・・・やっちまった。
 ヘルメットがわずかに天井に触れているが、「4点式シートベルトに宙づりでベルトをリリースすると頭から落下だな」と妙に余裕を持ちつつもイグニッションをOFFにして、車から這い出る。
 すぐに両手を振って助けを求めると参加者の皆様がホウキ等を持って駆けつけてきてくれた。

 パドックに戻り車をみると・・・


 Aピラー、天井、ボンネット、ドアに傷と凹み無数。
 フロントシールドはクモの巣状態。
 オイルが多少漏れた形跡あり。
 エンジンは回るが機関のどこからか変な打音が聞こえる。

 ひとまず自走はできそうなので、クモの巣になったフロントシールドを全部割って視界を確保。
 片付けをして皆さんにお礼を述べて帰途に。
 フロントシールドがないと風をモロに受けるので60km/h以上は出せない。
 もちろんエンジンも心配なので回転も上げられない。
 浅間台を12時に出て、ひたすら下道を走り、浦安に到着したのは15時。あぁ〜 クタビレタ。



 過去に何十回もインリフトをしていたが、いつかは来るであろう転倒がついに現実に起こってしまった。
 4点式シートベルトの有り難さも、身に沁みた。

 転倒した時にイグニッションキーをOFFにして車内から脱出したのにエンジンが回っているのにもびっくり。
 そう、ターボタイマーが効いていたんだな。
 なぜメーカーがターボタイマーを装着しないかわかったよ。
 ひっくり返ってキーを抜いてもエンジン回っていたら本当に「火の車」になりかねないものな。
 自身で宣言していた「30歳死亡説」がこれで崩れたかもしれない。

 
 そしてセルボは天に逝きます。
 さようなら。セルボ。


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